017
「あっ雲気っちおはよ!」
商店街を出で暫くして鮎川に声をかけられる。
「どうした鮎川顔が赤いけど風邪か?」
何故か顔が赤い鮎川。
「おはようです!」
「おはよ杏ちゃんも一緒なんだね。雲気っち実は大事な大事な話があるの」
「俺もお前に大事な話がある」
「まさか雲気っちも!」
「おいどうした鮎川顔がトマトみたいに真っ赤だぞ? 大丈夫か」
いきなり真っ赤になった鮎川。
「雲気っち大事な話は昼休みにね! 先行くから!」
と鮎川は熟したトマトみたいに真っ赤になって駆け出して行ってしまった。
なんだのこの会話が噛みあっているようで噛みあってない感は。
まぁ人生の最大の難関がまっているのだ気など取っている時間はない。
鮎川の事は後回しだ。
そう考えていると、俺のポケットのスマホが鳴った。
「音意先輩からかです先輩」
【運気君かい実は大事な話があるんだ。時間が出来たら部室に来て欲しい】
「先輩もですか」
【というと鮎川君にも同じような事を言われたのかい?】
「なんか真っ赤になって昼休みに大事な話があるとか」
【そうかついにか……でも、できれば私の方に先に来て欲しい】
「それより先輩は……切れちゃった今日は不運がない分いろいろなことの詰め合わせだな」
先輩にかけ直しても繋がない。
鮎川も同じ。
こんな時に二人とも……。
仕方ない後回しで様子を見よう。
後はいつ美神楓が現れるかだ。
そんな感じに警戒しつつ学校へ登校。
いつもの下駄箱にたまった手紙をゴミ箱いれて、教室に赴くが鮎川の姿はない。
結局鮎川は3時限目が終わっても教室に姿を見せなかった。
「どうしたんだ。鮎川の奴もう4限目になるってのに」
「そうですね! 探しに行くです?」
「いやお前がいなくなってから襲撃を受けても困る今は様子見だ」
【ふふふふふ、僕は美神楓! 雲気霞君至急クラブ棟に来たまえ!】




