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010

「ほほうここが君の家かね」


 「音意先輩知ってるでしょ初めて来たわけじゃないし」


 「まぁそうだけどこれは気分の問題さ」


 「久しぶりの雲気っち家だ! お邪魔します!」


 と鮎川は駆け足で家の中へ杏鍵ぐらい閉めとけよ。

 

 「ちょっと待てって鮎川いっちまったか」


 「それにしても不用心だね。これも浮気相手が家にいるからかい?」


 「そもそも浮気と言われる関係じゃないですからね!?」


 「凄~い! マジシャンさんだ!」


 「違うです! これは種も仕掛けもないです!」


 「どうやら鉢合わせしたもみたいだね」


 杏と鮎川が鉢合わせしたようだ。

 変な事になってないよな。

 靴を脱いで急いで現場へ急ぐ俺。

 そこにいたのは。


 「返してくださいです!」


 「凄ーい本物みたい! どこにマイクついてるの?」


 「マイクなんてついてないです! 助けて雲気さん!」

 

 「お前らに何やってんだ?」


 杏の頭を持った鮎川が頭の外れた杏の体に追いかけられていた。


 「雲気さん助けてくださいです! 頭を外して体の点検をしていたらこの子がいきなりです!」


 「鮎川返してやれ」


 「えーまだマイク見つけてない! その前に琴音ちゃんパス」


 と鮎川は杏の頭を音意先輩に放り投げる。

 音意先輩はあっけにとられながら杏の頭をキャッチ。


 「私の頭体に返してくださいです!」


 「キャーーーーーーーーっ生首! 殺人! 事件!」


 「音意先輩! お前らやり過ぎだ! 先輩気絶しちゃったじゃないか!」


 杏の生首の刺激が強すぎたか音意先輩がバッタと倒れて気絶してまった。

 

 ◇

 「なるほどにわかに信じられないが、この杏君がキョンシーつまり生きた死体だと」


 「そうです私はキョンシーなのです! ちょっ鮎川さんもう少し優しくです!」


 「面白~い! ひんやりして気持ちいい!」


 鮎川は杏の頭を撫でまわす。

 先ほど気絶した音意先輩は暫くすると目を覚まし、いつもの冷静な先輩らしく。

 状況をすぐ理解してくれた。

 話が早くて助かる。


 「鮎川杏に頭を返してやれ」


 「えーだって雪白大福アイスみたいにもちもちでひやひやだよ!」


 「いいから返してやれ」


 「分かったよ! 雲気っちがそういうならはい!」


 「ありがとうです!」


 「つまり要約すると君は陰陽極運剣を求めてこの町に来たと?」


 「そうです! この町に現れると仙人様は言ってたです!」


 「じゃあなんで仙人は直接手を出さないんだい?」


 確かにそれは聞いていない。


 「それは仙界の掟で人の世界の理に直接干渉できないからです! 陰陽極運剣は人によって作られた剣ですので人間の世界の理です!」


 「そういやなんで仙人は陰陽極運剣を放置できないんだ?」


 「それは陰陽極運剣は運気を集め奪い事さえできるからです。もう多くの人間の幸運が美神楓の手によって奪われたそうです」


 「なるほどだから放置できないという事だね。杏君」


 「そうです! 私が生き返るためにも雲気さんの雲気を変えるためもです!」


 「わかった雲気っちのためだもん! 私も協力する!」


 「ありがとです! 鮎川さん!」


 「さてどうなることやら美神楓さん……あなたって人は……」


 「先輩何か言いました?」


 鮎川と杏の騒がしい声で搔き消えてしまたが先輩が何か言った気がした。

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