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俺は究極についていなかった。
買い物に出掛ければトラックに撥ねられ。
料理を作っていれば包丁が折れて飛んだ刃先がガスコンロのガス線を切断あわや大爆発。
橋を歩けば橋が老朽化で陥没して川へ落下。
自転車に乗っていれば、左右両方のサドルが同時に外れて木に激突。
家庭庭園しようとたい肥を買えば中に明らかに事件性のある骨が混じり。
スーパーで買い物をすれば会計でレジが停止、全てのレジが俺の会計で停止したことがある。
買った家電が壊れていることも当たり前。
今家にある家電は全て5回は交換してもらっている。
自動販売機にお金を入れて選んだものが出てきた事がない。
てな感じで究極についていない俺。
ついていないのは金銭面は含まれないため金銭的に困窮はしていない。
だといっても普通の人並の金運なため。
プラスマイナスで相殺されず。
常にマイナスの一人勝ち。
俺の人生これの繰り返しだった。
当時の俺が究極についていない理由を知る由もなく。
人生に悲観するレベルを超えてもうあきらめの境地。
だからと言って死ぬにはまだまだやりたい事が多すぎる。
そんなわけで俺は完全に身に降りかかる不運を受け入れていた。
だってそうだろ解決策が検討もつかないのだ。
折り合いをつけるしかない。
そんな感じにいつからついていないのか忘れてしまうほどの長い間、俺はついていなかった。
そのおかげで耐えるための技は磨かれ五体満足なのが救いか。
あれだけの不幸の連続で大けがをしないのは不思議には思っていた。
それには理由があったわけだが。
襲い掛かる連日の不運が解決するきっかけは俺が16の時。
俺はそしてバカツキになった。
これは俺のそんな記録。
究極についていない俺がバカツキになるまでの話。