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妻と買い物

更新滞り申し訳ありません

温かな目で見守って頂ければ幸いです


俺はやっとの事で体を起こす。まだ疲労は回復しておらず残っているが、動けないほどでは無い。

昨日隣にいたはずの二人の姿は無かった。

リビングかな?

俺は体を起こすと用意されている着替えに袖を通す、二人が用意してくれたようだ。


「アリシア〜 、ユーリ〜 いるか〜」


「はい、少し待って下さいアトラス様」


「アトラスお兄さん、リビングの椅子に座って待ってて。朝食すぐ出来るから」


俺の呼びかけに二人の返事が返ってきた。

リビングより奥側から声が聞こえる。二人は朝食の用意をしてくれていた。


「分かった。食事が終わったら少し町の方に出かけるから、そのつもりでいてくれ」


「了解しました。では食後に出かける準備をしますね」


俺が売った魔物の素材は全てで金貨100枚と銀貨8枚だった。家を買って金貨30枚、ギルド登録に銀貨3枚、家を買うまでの宿代が銀貨5枚。残りは金貨70枚となる。

まぁ金貨1枚1万円計算が近いので70万はあるが買い物でほとんど吹き飛ぶだろう。


「二人には武器に防具、服、身だしなみ用品に家具などを買う」


「いえ、アトラス様。私達は奴隷ですので、私達には勿体無いですよ。アトラス様ご自身の為に使うべきです」


「うん、ユーリ達よりアトラスお兄さんのことが一番だよ!」


二人は高級奴隷としての教育を、生まれてから今まで受けてきた。だが俺は二人を奴隷だとは思っていない。二人は永劫の時を誓った家族である。確かに主従の関係ではあるが、その関係性はフェアなものだ。


「俺は二人を奴隷だとは思ってない。二人は俺の眷属であり半身で、共に生きる家族だ。

旦那が妻達を奴隷として扱うわけないだろ」


俺は恥ずかしさからそっぽを向く。正式に結婚もしていない少女達を妻と呼んだのだ、自意識過剰の勘違い男と思われては死ねる。


「アトラス様... 私達の様な奴隷をそこまで大切にして下さるなんて。私達は幸せ者です」


「ユーリ達お兄さんのお嫁さんなの!

嬉しい!ユーリアトラスお兄さん大好き!」


アリシアは涙ぐみ、ユーリは抱き着いてきて頬ずりをしている。俺はアリシアの方を向くと手を広げる。


「アリシアも来な、お前達は誰にも渡さない。俺の自慢の妻だよ」


「アトラス様!」


アリシアも腕の中に入れると、俺は少しだけ強く抱きしめる


「三人で幸せになろうな、お前達は奴隷じゃない。俺の妻だ」


しばし抱き合い互いの熱を感じあった。


二人が用意を終えて寝室から出てきた。

二人にはまだちゃんとした服は買っていないので奴隷の時の服を洗ったものだ。

二人にはちゃんとした可愛い洋服を着て欲しい、素材は最高なので勿体ないのだ。


ギルド本部は町の大通りに面した場所にあり、その通りにはいくつもの露店がある。


「一昨日はこんなに人いたか?ギルド本部まですんなりこれだけど...」


そう一昨日は露店があるとは言っても3〜4件だった。しかし、昨日1日を潰し町の中にやってくると20件以上になっている。まるで浦島太郎である。


「昨晩リルさんが食材を届けてくれましたので、私達もこんなに露店があるとは思いませんでした。ね?ユーリ?」


「うん...。ユーリあんまり人が多い場所苦手

アトラスお兄さんとじゃなきゃ来たくない」


ユーリは人混みは苦手なようだ。それとは対照的に好奇心が強いのか、アリシアは周りを見渡している。


「アトラスさん!お困りならこのギルド受付嬢のリルがお役に立ちますよ!」


通りで唖然としている俺たちに、リルさんが話しかけてきた。リルさんの方を向くと、いつもと違う服装のリルさんがいた。


「どうもリルさん、昨日はありがとうございます。」


「もう!アトラスさんリルでいいですよ!

あと気にしないで下さい、私のお節介ですから」


本当にこの人には頭が上がりません!

すごくいい人なのだ。


「で?本日の要件は何でしょう!」


「二人の装備に服、生活用品の買い出しです。いつまでも奴隷服で歩かせる訳にはいかないので」


私が答えるとリルさんは少しだけ驚いた様子でいた。


「アトラスさんは優しい人だとは思ってましたけど... 奴隷まで大切にしているんですね!」


「いえ... 彼女たちは奴隷ではないです。

彼女達は忠誠の証として隷属はしてますが、

二人は俺の大切な家族ですから。家族を大切にするのは当然でしょう?」


「そういう事ならこのリルが、一肌脱ぎましょう!.....とは言ってもまだ脱げませんからね?まだそういう関係じゃ無いですし... チャンスがあれば狙っては行きますけど...」


おうふ、自分で言って恥ずかしくなっちゃったパターンですよ。そして墓穴を見事に掘りましたなぁ。


「あはは、リルさんがいれば心強いですね。

俺は男なんで服とかよく分からないし、女性用の売り場に男がいると浮きますから」


俺はリルさんの墓穴を見事にスルーして、

彼女に任せる服旨を伝える。


「はい!任せて下さい!二人とも素材はいいので、可愛くなりますよ!」


まだ顔が少し赤いが、スルーされた事を安心してる顔だ。何故だろうか?こっちに来るまで彼女のかの字すら無かったのに、こっちの俺の顔はそこまで良いのか?

そんなくだらない事を考えながらリルさんに引っ張り回させる二人を眺めていた。


三人の女性陣は今は試着室の中である。

リルさんもアリシアやユーリの事を考えてくれている。この人には出来る限り恩返しをしたいと思った。

黒鬼の方も更新頑張ります!

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