転生
続きです。
俺は意識がある事に驚いた。確かに女性の代わりにトラックに轢かれたはずである。
だか少し違和感がある周りが白いのだ、音もほとんどなくただ白くどこまでも広がる空間だけがあった。
手足に感覚はなく動かない。俺は完全なパニックに陥っていた。
「は?死んだよなぁ。手足動かないし、でも痛みもない。どうなってんの?」
俺の頭は?マークに埋め尽くされていた頃
何かしらの声が聞こえてきた。
「主は間違いなく死んでおるよ。ここはそうさな、死後の裁判所とでも言えばいいかの」
マジか頭までおかしくなったぞ俺。
この世界にのじゃロリなんぞいるか!
しかもめちゃくちゃ可愛い顔してるし!
妄想もここまで来ればマジでヤバイわ...
「うむ、主は正常じゃ。どこも変なところはないから安心せい。じゃが妾の可愛さを理解できた事は賞賛に値する」
「いやいや、こんな整った顔して見た目可愛いとか反則級でしょう。絶対見たら目話せないから普通」
恐ろしく整った顔に黒髪はとても長いが、その一本一本が丁寧に整えられている。
さながら漆細工のような光沢に絹の様なしなやかさ。もはや人間の髪ではない。
着ている赤い着物も髪の黒に負けない美しさを放つ。少女の成長途中の身体ながら完璧なラインを描いている。
「主見る目があるな!妾はとても主が気に入ったぞ!輪廻転生で今の主が消えるのは実に惜しい。...よし!妾の持つもう一つの世界に転生させてやろう!」
「ま、マジですか?」
「良いぞ!妾の美しさに気づいただけでなく、生前人を助けておるしのう。
何か望みはあるかえ?少しなら聞いてやるぞよ、遠慮なく申してみよ」
「転生したらもう死にたくないですね。
俺は死んだ時すごく怖かった。二度とごめんです」
「そうか、ではバンプにしてやろう。
主の世界の言葉で言うとハーフヴァンパイアじゃのう」
「それ...陽の光とかで消えたり、灰になったりしません?」
「大丈夫じゃ、ハーフヴァンプは強い。
しかしどちらにせよ半端者、少しばかし辛い事も多いと思うがの」
「分かりました、それでお願いします。
神様でよろしいのでしょうか?」
俺の問いに少女は胸を張って答える。
「恐らく主も知っておるよ。妾の名は天照大御神じゃ。主の第2の人生幸多き事を願っておるぞ」
少女はそう言うと私の額に触れた。
「加護を少しやろう。では頑張るのじゃぞ」
俺の意識は暗転した。あの少女のおかげで俺は新たなる人生を歩んでいける。無宗教だったけど天照大御神様だけは信仰しようと思う。そんな事を考えてるうちに意識は消えた。
ありがとうこざいました。