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6話~サル顔との分岐~

「着きましたここです」


「ここは…」


「蜂須賀家の本拠地じゃねぇか…」


「えぇ、小六さまとは古いつき合いで――「貴様!!謀ったな!!」



「まて、犬…」


 この時点では蜂須賀家は隣国の斎藤道三に味方している。いわば敵国に足を踏み入れてしまったのである…しかもお供は犬千代一人…



「いーや!!待ちません。ここで斬り捨てる!!」



 犬千代は刀を抜き斬りかかろうとしたその時


「おいおいおい、うちのシマで勝手してんじゃねぇよ」


「んだとコ…ラ……」



 デカい。巨躯の犬千代より頭ひとつ分出ている。



「だから待てと言ったろうに…蜂須賀ぁ、清洲城以来だな」


「おぉぅ…信秀さんとこの小倅か…相変わらずうつけてんな。どうしたこんな端っこまで来て…」



 出会い頭の御曹司になんと素直な一言。どうやら面識があるようだが…フランク過ぎる感は否めない。


「若、知り合いなんですか?」



「あぁ、美濃との同盟の話が持ち上がった時、関係者が清洲城に集まってな…まぁ結局交渉は難航、今はゆるい停戦状態みたいなもんだ。俺が見た限りその会議で一番まともに理解出来てたのがコイツ」



 蜂須賀正勝(ハチスカマサカツ)通称小六は織田家の治める尾張と斎藤家が治める美濃の国境に居を構える豪族。その辺りは木曽川が流れていて、水運により財を得ている。後に豊臣秀吉の重臣になり軍事、外交に秀でた将として活躍する。こういった小領主には情勢を見極める眼が必要とされる。小六は正に優秀な小領主である。



「美濃と…同盟…?」


「なんでぃ、知らんでこんな国境付近をウロチョロしてたんかぃアンタもうつけよのう」


「…ぐぅ、若と一緒にされるとは…なんたるくつじょグフッ!!」


「なに失礼な事言おうとしてんだバカ…むしろ今回はオレちゃんとしてたからね!?」


 『今回は』とつけるあたりが若君として失格ではあるまいか…



「お待たせしました。では、参りましょうか」



 いつのまにか消えていつのまにか戻ってきた日吉はフォーマルな恰好をしていた。


「よし、行くか…どこへ??」



 それもそうだ。信長達はてっきり家でまったりするのかと思っていただろう。


「流通網と情勢は一日で激変するので新しい情勢を得るために屋敷で情報交換するんです。さぁ行きましょう」



 すごく偉そうな日吉。


「日吉ぃ!!今回も頼んだぞ!!」


 笑顔で送り出す小六。いったい何を頼んだのだろうか…。



――――――――――――――


「さぁ、着きました。」



「「…おう。」」



 目の前にはそこそこの豪邸。正に圧巻である。


「さぁ入りましょう」



「ぇ…おい!!」


 何を血迷ったか門をくぐるなり縁側へ向かう日吉。



「おう!!やっと来たかボウズ!!じゃ、始めるか!!流通網と情勢は1日で激変する!!情報は常に最新の物をな!!」


 ごく最近、どこかで聞いたようなセリフを吐く館の主らしき人物。



「い、家宗さん、今日は客人が来てまして…」


「いやっ、俺た―――「そうか!!よく来た客人よ!!しかし気心の知れぬ者に会議参加は認められん!!客間を用意しよう…おい吉乃!!案内して差し上げなさい」


 帰るタイミングを失った2人…。館の主らしき人物と日吉は部屋へ入って行った…。入れ替わり出て来たのは若い女。



「娘の吉乃でございます。おさる…日吉さんの友人だそうで…どうぞ中へ…。」



「いや、俺たちはもう帰ろヴゴッ!!」


「はじめまして吉乃さん!!自分、信長っていいます!!」



 分かりやす過ぎるぞ信長…。




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