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1話〜自由人・吉法師と苦労人・政秀〜

 西暦1546年――尾張国(現在の愛知県)

 城下の南蛮商館で数々の南蛮物を眺め驚嘆している少年がいた。


 名は吉法師。


 その少年は髪を茶筅髷に結い、片袖を出した湯帷子と半袴を身に着け、腰にはひょうたんやら火打ち袋やらがぶらさがっていてどう見ても武人には見えない。


「おい!!これはなんだ?」


「ソレハ、鉄砲トイッテ、火薬ノチカラで弾ヲ―」


「若ぁ!!今日という大事な日に何をしているのですか!!」


 この老人の名は平手政秀。2番家老で彼の教育係である。

「やれやれ…爺よ、俺はもう子どもじゃないんだ。今日で晴れて元服…。いつものその子ども扱い、改めてもらうぞ」

 元服とは今で言う成人のようなもので人によって年は異なるが16歳前後が主流である。ちなみに彼は12歳で本日、元服の儀が開かれる。


「その元服のために私が町中を探し回ったのではないですか!!それに私は若を子ども扱いしているわけではなく信秀さまのご嫡男が一人で出かけては危ないから申しているのです。三河の竹千代さまも家臣の裏切りに遭い、この尾張へと連れて来られました様に若の身にも何が起こるか分かっ―」


「そう言えば竹千代に話したい事があったんだ。ちょっくら行って来るわ」


「―と自覚を持っ…わ、若!?なりません!!もうすぐ式が始まりますぞ!!」


「ばッ…やめ――」

 平手政秀は吉法師の奥襟を掴み、強引に古渡城へと向かうのであった…。




 ちなみに竹千代とは三河出身の豪族、松平家の跡取りで現在は今川家に降っている。人質として今川家の本拠地の駿河へ護送中、家臣に裏切られ、織田家の人質となっている。敵地である尾張で唯一分け隔てなく接していたのが吉法師である。


この幼い二人の交友が同盟に変わるのはまだ先のお話……。


気が向いたら誤字、脱字等、教えてくだい

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