目指せ!全国制覇!ブラスバンド部
ブラバン第7章
武田「よし!終わり〜!」
山田、海堂「ハァーハァー」
肩を揺らし荒く呼吸をする山田と海堂。
武田「これで分かっただろ。何で腹式呼吸が大事かな〜」
山田部長「ハァー・・はい」
海堂「でもキツいです・・」
武田「当たり前だ!試合に勝つと言う事はそれだけの努力と覚悟が必要だ」
・・・。
おもむろに昔の話しをする武田。
それは海西高校を全国大会にまで行かせた武田の心情だった。
武田「・・。俺が海西高校のブラスバンド部顧問をしていたのは今から3年前の事だ・・。
・・最初はお前らみたいな碌でもないブラスバンド部だった。」
窓の外を眺める武田。その話しを汗だくで聞いている山田と海堂。
武田「・・最初は部員がたったの6人だった・・。
演奏にも力が無い。・・ヤル気の無い奴らばかりだった。でも部長だけは他の奴らと違った」
「ある日、部長は俺に聞いてきた。どうしたら強いブラスバンド部を作れるか?ってな」
山田と海堂に目を向け話しを続ける武田。
「・・俺は学生の頃、バスケ部だったからな。ブラスバンドなんて知らない俺にもチームを強くする方法は分かってた」
海堂副部長「それは?」
武田「チームを1つにする事。
・・ただそれだけだ」
「だから部長に言った。部の事だけを考えろ。メンバー1人1人の事だけ考えろ。ってな」
黙々と武田の話しを聞く山田と海堂。
武田「そして筋トレもした事の無いあいつらにやらせみた・・忘れもしない2年前の丁度、夏に」
再び窓の外を見る武田。その目は空を見ている。
「初めは私達は体育部じゃない!とかそんなの出来っ子無いと言う奴も居た。・・だが俺はこの部を強くするのに・・部長の願いを叶えるのにひたすら必死だった」
「そして1ヶ月後、部は生まれ変わった。
部員のヤル気。顔。音。
全てが変わった。・・俺は確かな希望を感じたんだ・・」
「そしてあいつらの演奏を聞いた奴らが入部を志望してきた。・・県予選まで残りたったの3ヶ月だ。それでも部員は全員で9人だ」
山田部長「えっ?9人!?」
海堂副部長「たったの9人で全国大会まで・・!」
武田「大切なのはチームを1つにする事。メンバーの心を1つにする事・・。正直、不安だった・・」
「県予選を会場で聞いていた俺には他の高校のブラスバンド部が羨ましく見えた。悔しくもあった・・」
「・・そして海西高校の出番が来た。・・会場は笑いの渦だ。俺は恥ずかしかった・・。
・・だけどあいつらの顔は希望に満ちていた!
俺は確信した。こいつらなら出来ると・・。」
ー2年前ー
「ただいまより、和歌山県吹奏楽全国大会予選選手権を開催致します!」
ブラスバンド部合わせて17校が県予選に望んだ。
中でも前年の全国大会5位の海南高校はどの高校よりも輝いていた。
圧巻の演奏が行われる中、海西高校の部員がステージに立った。
言うまでもなく少数精鋭だ。
・・しかし会場の笑いとは裏腹に誰もが息を飲む演奏を成し遂げた。
演奏後、割れんばかりの拍手に包まれた。
そして海西高校は和歌山県予選1位を掴み取った。
山田部長「凄過ぎる・・」
海堂副部長「9人で県予選突破なんて!」
武田「俺も正直、ビックリした・・夢でも見てるんじゃないかってな・・だけど確かにあいつらは全国大会のキップを掴み取ったんだ!
・・だからお前らにも出来ない訳が無い!
俺はそう思っている!」
「・・山田!海堂!お前らが全国大会に出場出来るか出来ないかはお前らの腹1つだ」
固唾を飲み込み、山田と海堂は武田に希望を見出していた。
ー続くー




