目指せ!全国制覇!弱小ブラスバンド部
ブラバン第5章
山田部長「ただいま〜」
山田母「おかえり。今日は早かったわね」
山田部長「うん・・」
2階へと通じる階段を暗い表情で登る山田。
山田母「元気無いわね。何かあったのかしら?」
山田部長「・・・」
「さてこれからどうすればいいか・・」
部活の部員達のこの先の未来に不安になる山田。
山田部長「とりあえず風呂でも入るか!」
山田部長「風呂には入ったものの腹筋する気力も無いなぁ」
「とりあえず半分の15回は出来る様になろう!」
腹筋を始める山田。
しかし頭の中は不安で一杯だった・・
海堂副部長「ただいま〜疲れた〜」
海堂母「大丈夫?」
海堂副部長「うん・・」
海堂母「元気無いわね」
海堂副部長「うん・・ちょっと部活で色々あってさ・・」
海堂母「今度の先生はスパルタで有名らしいわね」
海堂副部長「うん。でも海西高校を全国大会2回出場させた先生だしね」
「頑張らなきゃ」
海堂母「あまり無理はしないでね」
海堂副部長「分かってる・・」
各々、部員達の8月10日が過ぎようとしていた。
ー翌日ー
山田、海堂「おはようございます」
武田「お前らはいつも早く来るな」
「波地と棚町はどうした?」「まぁいいや。腹筋やったら発声練習だ。」
遅れて波地と棚町が部室に入って来た。
武田「10分遅刻だ。いつも全くお前らは」
波地「すいませんでした。ただ・・」
武田「ただなんだ。」
棚町薫「こ、これ以上は無理です」
山田、海堂「えっ!?」
波地「2人で話し合って退部・・を」
山田、海堂「!!」
武田「まぁそんなとこだろうと思ってた。お前らにとっては県予選も全国大会も遊びの中の夢の中の夢なんだよ」
「退部届けは要らん。さっさと出ていけ!」
波地、棚町「・・・」
静かに部室を去る波地と棚町。
咄嗟に駆け寄り止めに入る海堂。
海堂副部長「みんなで今まで頑張ってきたじゃん!今、諦めたら終わりなんだよ!」
波地成美「でも・・もう武田先生に着いていけないです」
棚町薫「先輩、ごめんなさい!」
走る様に廊下を歩く波地と棚町。
海堂はそれを見ているだけしかなかった・・
力が抜け床に座り込む海堂。
武田「放っておけ。あれがあいつらの根性だ。」
山田、海堂「・・・」
途方に暮れる山田と海堂。
武田「気を入れ直して発声練習始めるぞ!」
山田部長「先生、部員2人じゃ何も出来ないですよ」
武田「甘い考えだな。バンドなんざたった1人で感動させられるんだ。部活だからそれを甘えてるだけだ。あいつらは。」
海堂副部長「でも・・」
武田「あいつらは必ず戻ってくる」
武田の目には確かな光があった。
ー帰宅時ー
海堂副部長「これからどうなるんだろう?」
山田部長「うん・・」
先が見えないブラスバンド部。
このまま部活は解散になってしまうのか。
夕焼けに照らされながら山田と海堂は帰路に付く。
ー続くー




