目指せ!全国制覇!最弱ブラスバンド部
ブラバン第1章
目指せブラスバンド日本制覇!
「ただいまより、和歌山県吹奏楽全国大会予選選手権を開催致します!」
4月に和歌山県の全15校が練習の成果を発揮し全国大会のキップを勝ち取る為に集結した。
主役となる学校は駿河第2高等学校の弱小ブラスバンド部・・顧問は海部京子先生
部員数、僅か5名からなる部だ。
部3年生が卒業し部員は2年生が3人、1年生が2人の部だ。
予選ではいつも敗退・・は愚かビリ常連のブラスバンド部である。
予選が始まり先ず全国大会常連の浜辺高等学校!
圧巻のパフォーマンスで会場を湧かせた。
「やっぱり浜辺高校の演奏は凄いな〜」
観衆から心の声が漏れる。全国大会常連の会場は興奮の熱気に包まれる。
・・13校の演奏が終わり駿河第二高等学校の演奏が始まる。
予選ではいつもブラームス交響曲第一番 第四楽章。
会場からは「またこの曲か・・」と呆れている様子も伺える。
演奏が終わるが拍手はまばら。
演奏に迫力は無く、部員も諦めている様子である。
それもその筈、楽器はトロンボーン、クラリネット、トランペット、チューバだけだ。
圧巻の演奏は愚か会場を湧かせるには程遠い。
全15校の演奏が終わり順位が発表される。
優勝し全国大会のキップを掴んだのはやはり浜辺高等学校!
準優勝は海西高等学校!
・・駿河第二高等学校は・・またも15位・・
会場からも納得の表情が伺える。
海部先生「みんな良く頑張った。また来年、頑張りましょう」
海部先生も飽きられている様子である。
部員についての話しに入るが駿河第二高等学校ブラスバンド部部長はトロンボーン担当山田秀太、副部長はクラリネット担当海堂藍子、チューバ担当棚町薫、トランペット担当波地成美からなる4人だ。
山田部長「また練習しなきゃな〜」
海堂副部長「そうだね・・」
部員全員が元気無く高校へと帰る。
ー5月上旬ー
山田部長「えっ!海部先生、顧問辞めちゃうんですか!?」
海部先生「そうなのよ〜異動が急に決まって」
海堂副部長「寂しくなるな〜」
海部先生「また予選会場でみんなの演奏聞きに行くから」
部員は落ち込んでいる。
海部先生「6月から新しい顧問が来るから大丈夫よ!」
棚町薫「そうなんですか?」
海部先生「海西高校を2回、全国大会に連れていった先生よ」
波地成美「それは凄い先生!!」
海部先生「だからブラスバンド、諦めないで続けてね!」
部員一同「はい!」
ー6月1日ー
海堂副部長「今日から新しい先生か〜ワクワクするね〜」
棚町薫「どんな先生なんですかね?」
・・10分後
山田部長「先生、来ないな」
ワクワクしながら待ちわびる部員達。
その時、「ガラガラ」
「お前達か、弱小ブラスバンド部は?
部員数4人じゃ優勝出来るわけないな」
部員一同「・・・。」
波地成美「なんか想像と違って怖い・・」
「今日から特訓だ。1からやっていくぞ」
何を隠そう海西高校を全国大会の常連にしたブラスバンド部スパルタ教育の武田実その人だ。
ここから駿河第二高等学校ブラスバンド部の全国大会への道が開かれるのを部員はまだ知る由も無い。
ー続くー




