■後編
④制作過程
前回は、いきなり出来上がった鉛筆画をお見せしましたが、今回は、もう少し段階を踏んで紹介していきます。
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まず第一工程として、黒鉛筆と消しゴムで下描きをします。
右上から反時計回りに、徐々に出来上がっていく様子が分かりますね?
ところで、みなさん。顔を描くとき、どこから描きますか? 私は、ご覧の通り瞳から描いていきます。全体のバランスが決まるので、個人的には、ちょうど良いのです。
あっ、そうだ。
よく、薄い色の鉛筆で丸や線で骨格を描いてから、改めて黒鉛筆で下描きをするかたがいますよね。美術の教科書的には、それが正しいとされてるんでしょうけど、私は、これくらいの簡単な絵なら、いきなり黒鉛筆で線画を描いていきます。早いし、楽なので。
あくまで個人の趣向なので、真似するかどうかは、みなさまの賢明な判断に委ねます。
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続いて第二工程として、ペン先に黒のインクを付けて線を引いて行くのですが、いきなり初歩的なミスをやらかしました。
久々で勘が鈍っていたので、つい油断をして、インクをボタッと落としてしまいました。
急いでティッシュで吸い取り、乾いてからホワイトを乗せてみましたが、時すでに遅し。
どうやら、使わないうちに水っぽくなってしまっていたらしく、みるみる滲んでしまいました。使う前に軽くシェイクしたんですけどねぇ。
みなさんも、アナログイラストを描く際には、充分にお気を付けください。
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さて。筆を洗って、ついでに手も洗って、仕切り直します。
同じ工程なので端折りますが、描き直してペン入れまで無事に済んだものが、コチラです。
若干、さきほどに比べて表情や髪が硬くなったような気がします。
それにしても、軍服の構造は謎ですね。今回は、実在しない国の軍服なので想像で補いましたけど、そうでない場合は、別途に資料を用意して取りかかりましょう。そのほうが、安心です。
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最後に第三工程として、朱と藍で色を塗っていきます。
また余談ですけど、軍帽は、せっかくのトレードマークである赤毛が隠れるので、無しとしました。これって、軍隊によっては、服務規程違反なのかしら? 気になるかたは、お近くのミリヲタに解説を求めてください。たぶん、集団に一人は居るはずです。
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と、ここに来て左下におかしな点があるのを見つけたので、速やかに修正しました。
そして、コチラが完成イラストです。
長い道のりでしたね。
⑤続きの終わりに
あれは、今から×年前になるでしょうか。
美術室でエプロンを油絵具だらけにしてる中学生の私に、将来、こういうエッセイを書くことになると告げても、きっと信じないことでしょう。
あの頃、頭の中で思い描いていた未来予想図は、もっと大人びた人物像でしたから。クールでスマートな大人は、なかなか現実には出会えません。
大人になって気付くのは、子供の頃に思っていたより、大人はずっと子供っぽいままだということでしょうね。ドラマの俳優や女優は、あくまで理想像です。
……何やら、しょっぱい締めくくりになってしまいましたね。
おつかれさまでした。今回は、これで完結です。
また次回、お目にかかりましょう。ごきげんよう。




