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第二十四話 乗り物好き

 そこからは、なんと電車を七回も乗り継いだ。時間にして十五時間。俺たちはいつの間にやら夜の東北にたどり着いていた。


「ずいぶんと逃げに逃げたな。来栖の野郎」


 日本海側に位置するうらぶれた駅に降り立った俺たちは、びゅうびゅうと吹きすさぶ湿った風に逆らって改札口へと向かった。


 小農線針牛駅。


 まったく聞いたことのない路線に駅名だ。おそらく生涯二度とこの路線に乗ったり、この駅に降り立つようなことはないだろう。


 ソルスがうきうきした顔で改札を通りすぎていく。


「ここも無人駅だぞ」


 それくらい知ってるわ。ボケが。


 俺は無言で改札を通り抜けた。


 駅前にはロータリーがあり、一台だけタクシーが止まっていた。


「乗るか?」


 ソルスがいまだウキウキ顔で言ってきた。


 どうやらそれが原因のその笑顔かよ。どうもこいつは乗り物が好きらしい。異世界ではそんなことはなかったと思うが、考えてみればあちらでは馬車と船以外の乗り物なんてなかったと思う。


 よっぽどこちらの世界の乗り物が珍しいんだろうか。それにしても電車には半日以上もの時間乗っていたわけだが、こいつはちっとも飽きている様子がなかった。ずっとウキウキした顔で外の流れる景色を見ていた。


「乗ろう。行先は遠そうだしな」


「そうだな。この先の道をまっすぐ行っている。俺にも先は見通せない」


 ソルスはそう言いながら、もうすでにタクシーにちょこんと乗り込んでいた。


 俺は片眉を跳ね上げながら、ソルスに続いてタクシーに乗り込んだ。


「とりあえずこの道をまっすぐ」


 俺が言おうとする前に、ソルスが先んじて言った。


 あれ以降、乗り物に乗る際はずっとソルスが先頭だった。切符を買うのも電車に乗り込むのも、そしてタクシーに乗り込んで行先を告げるのもだ。


 途中でバスも何度か利用したのだが、こいつはすぐにその方法も覚えた。


 またこれは言うまでもないことだが、こいつはバスに乗っている間、常にルンルン顔で外の景色を眺めていた。


 それにしてもこいつ、色々とこの世界のことを学習しまくっているな。まあ別にいいけど。


 金はある程度渡してあるから、便利っていやあ便利だ。全部やってくれるなら、召し使い付きみたいなもんだしな。


 俺はタクシーの背もたれに深く身体を預けるなり、ゆっくりと瞼を閉じた。


 もうだいぶ夜も更けた。本当だったら何処かのホテルなりに入って身体を休めたいところだ。


 だがここが奴の終着駅なら、話は別だ。


 とっとと片をつけて懸賞金を手にしたい。やはりなんといっても自宅がないのは不安だ。


 きっと懸賞金を手に入れて、俺は家を手に入れてやる。


 だからここにいろよ、来栖。待っていやがれ。きっと俺がお前を捕まえて警察に突き出してやるからな。 

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