「またかよ」
●月20日(木曜日)
いずこのどこかさん
人間ってここまで低俗になれるんですね。と言うか低レベルな犯罪者には低レベルな人間しか寄って来ない物ですね
石ころ
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何も言えないと言うなら、何も返さなければいい。だが彼女にとってはとにかく何か返さないとまずいし、それ以上に「無反応」でいる事が許せなかった。
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くぁふじこ
またかよ
光毛太郎
またかよ
アレハ・アリーノ
まただよ、これだから宗教家は
イヤキン
子どもは殉教者か
18男
無理心中の被害者だろ
そこいら変太郎
子どものためって看板を振りかざしてるだけのナルシストどもはもううんざりだっつーの、まさに女外もんだぜ
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「またかよ」
あまりにも冷たい言葉だった。
本人からしてみれば誰にも頼れずにいた問題を自分なりに解決しようとしただけなのに。それを年中行事のように言われてはあまりにも哀れではないか。
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石ころ
やはり、彼らにはもう期待できませんね
いずこのどこかさん
現に子どもたちが犠牲になっているのになお悪くないと言うんですからね…何か生きる世界が違う気がして来ます
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そのように彼女が嘆くのも、それほど無理のある話ではない。自分なりに真剣な思いを込めて放ったはずの一矢に対し、痛いとか言ってくれるならばまだともかくこれでは「痛々しい」と言う扱いである。
だがそんな言葉を口にしたとして、じゃあ実際に恥ずかしい思いをさせられた子供はどうなんだよと言った所で彼女らからまともな答えなど返って来ない。
実際容疑者を取材した事もあったが、「全ては子どもたちのため」としか言わない容疑者が多く、それによって自分の子どもが傷ついてもいいのと聞くと口ごもるか先に仕掛けたのはあっちだからとか言い出す。
また、これに対してはアクノダイマオーに立ち向かうセーギノミカタでいたいんだろとか言う意見もある。だとしたらそれこそアニメチックな話であり、端的に言ってうぬぼれだと言う烙印を押されざるを得ない。
誰もがアニメに登場するセーギノミカタサマのように、特殊な力を持つ訳ではない。そのために努力してとか言うのは簡単だが、生半な努力をした所で先など見えている。それこそ元から身体能力に優れた存在が体をいじめ抜いて出来上がった結果が一流アスリートだし、やはり元から頭脳明晰だった存在が頭脳を鍛え上げて出来た存在が大企業で活躍する一流ビジネスマンや中央省庁の役人様である。そんな風に凡人どころか秀才でも行きつく先がわかっている以上、特殊な力を持ったスーパーヒーローへの憧れは消えようがない。
そんな存在からしてみれば、手近な存在を苦しめる敵を倒すのは最も簡単で単純で手ごろな方法だった。もちろん親として子どもを守る愛と言うのもあるが、彼ら(男の犯人もいた)を見る限り親子愛を感じる事は難しく、極めて自己愛的だった。曰く、あの子はもうあれのせいで十分傷付いているんだからやり返して何が悪いのだと。
—————いや、「あれこそあの子にとっての幸せであり自分たちは子どものためにやっただけ」だと。
自分が悪と思う存在を悪だと証明するためだけに、大量にジュースを飲ませ道端で失禁させておいてだ。確かにその日の前日にテレビアニメでそういうシーンがあったがそれを実際にやるのはあまりにも幼稚だし、それ以上にあまりにも奇形めいている。それこそ自分たちが一番影響を受けている存在であると証明しているだけであり、自分たちがお子様であると言う事の証明だった。当然二人して逮捕後親権をは剥がされ、夫の兄の養子にされたと言う。その後は養育費すら受け取っておらず完全に関係も切れたらしい。
では実際この犯罪がいつごろから起き出したかと言うと、初例とされているのがこの時から十数年ほど前、海岸で起きた事件だった。
海水浴場にて男児の兄弟の水着がライオンの覆面をした何者かにより奪われと言うか切られ海水浴場がパニックになり、一時閉鎖になった事件があった。
一時期は変質者が出たと大騒動になったが、事件からひと月して犯人が二人の兄弟の母親だったことが判明した。
曰く前日に見たアニメのせいでお互い裸で走ってみたいとか言い出すのでいっそ叶えてあげようとか思っただけとか最初は証言していたが、後に彼女が夫の貯金を勝手に下ろして兄弟におもちゃをたくさん買い与えた事から夫が怪しみ、息子たちから聞き出して犯行の真の動機が露見した。
——————————子どもに悪影響だと見たからやめさせるべきだと思った、と言う。
この事件はセンセーショナルに取り上げられ容疑者女性は海水浴場から多額の損害賠償を請求され、一躍有名人になってしまった。
そして、その時期からちょうど、女性だけの町にてJF党が台頭し始めた時期のだ。




