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魔力制御優秀=長寿!? 魔力ソナー修練=魔力制御上達!?

9月5日【白の日】

 昨晩もみっちりとスミレと夜の格闘をした。

 そして今朝はスミレと庭でみっちり鍛錬をする。

 本当に鍛錬である。


 明後日には仕事が始まるからね。またドラゴン退治かな? サイファ団長に何を言われるのか、少し不安だ。


 【黒月】を使って剣術の型を丁寧に始める。

 少しサボっていたからか、スミレの修正が良く入る。

 だいぶ鈍っているな。これからは毎日欠かさずやろうっと。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


 朝食を食べた後に俺は自室に篭った。

 そろそろ向かい合う時が来ている。

 サイファ団長は言っていた。魔力制御が上達すれば長生きできると。

 でもそれは本当なのか? 本当ならば、俺はスミレと一分一秒でも長く一緒にいたい。


 発表はしないけれど、自分の経験を書き残しておこうと思った。

 題名は【魔力ソナーの修練と魔力制御向上の関連性について】。

 小さい頃から魔力ソナーの修練を実施すれば、魔力制御が向上し、不老に近づくのではないか。

 これを発表したら世間が騒ぎそうだ。


 実際に魔力ソナーの有効範囲を上げるためには、精微な魔力制御が必要になる。

 体外に出す魔力を、広く、広く。薄く、薄くだ。

 俺の場合は元々魔力の総量が少なかったから、魔力ソナーの有効範囲を伸ばすためには、精密な魔力制御が必要だったと思われる。


 もしかしたら、魔力総量が少ないほうが魔力制御が伸びやすい?

 あり得るな。

 今、スミレは魔力ソナーの有効範囲が頭打ちだ。スミレはレベルアップによって魔力総量が飛び抜けている。しかし魔力ソナーは魔力量よりも魔力制御が重要な魔法である。

 広く、広く。薄く、薄くが基本になる。

 魔力総量が多いと魔力ソナーはやりにくいのかも。


 でも誰かで試すわけにはいかない内容だよな。

 あ、サイファ団長が以前言っていたエルフの里の研究者に会ってみたいな。

 魔力制御について何か新しい発見があるかも。今度、サイファ団長に頼んでみるか。


 もし俺が不老になっているのなら、少しでもスミレの魔力制御が上達すれば長く一緒にいられる……。

 俺は悪あがきでもなんでもやってやるよ。それにはスミレの協力が必要だ。

 俺はキリの良いところでスミレの部屋を訪ねた。


 スミレの部屋をノックしても反応が無いため扉を開いた。

 スミレは部屋の真ん中で眼を閉じて瞑想しているようだ。

 邪魔だったかな?

 そう思ったらスミレがゆっくり眼を開けた。


「どうしたの?ジョージ?」


「ごめん、邪魔したみたいだね。ちょっと話があってね」


「何かしら? 問題ないわよ」


「今の状況を再確認して、今後の対策を一緒に考えてみようと思ってね」


「今の状況?」


「俺は本当に不老になっているのかな? 確かに俺は魔力制御がエルフを超えるレベルだ。どうして俺がそれだけの魔力制御ができるようになったのか。おそらく子供の時から魔力ソナーの有効範囲を伸ばす事をしていたからだと思う」


「暴力を振るうお父さんをなるべく早く察知するためだったわね」


 まぁ学生時代はスミレの魔力を感じる為に頑張っていたが……。


「サイファ団長が前に言っていたんだ。エルフが長寿の理由を。エルフは人と比べて魔法に優れているからだって。言い換えると魔力制御に秀でているからだって」


「ジョージが魔力制御に優れているのは分かっているわ。だから私も魔力制御が上達するように魔力ソナーの修練しているんですもの」


「魔力ソナーの修練が魔力制御の上達に寄与していると思っているのは俺だけだ。また、それを教えたのはスミレしかいない」


「どういう事かしら?」


「皆んなは俺が魔力制御に優れているから魔力ソナーの有効範囲が広いと思っている。でも魔力ソナーの修練によって魔力制御が上がるとは思っていないって事。それに魔力制御が秀でているとエルフのように長生きができるとは知られていないよね」


「私もエルフの長寿の話は知らなかったわ。ジョージに聞いて、そうなのかなって思ったくらい。まだ半信半疑なんだけど……」


「俺もサイファ団長に聞いただけなんだよね。あと、ベルク宰相も言っていたけど、たぶんサイファ団長からの情報でしょ。今、一般に知られていない事は魔力制御が秀でていると不老に近づく事と、魔力ソナーの修練で魔力制御が上達するって事だ。不老についてはサイファ団長の話だけだし、魔力ソナーの修練と魔力制御の関係性は俺の仮定の話だけどね」


「でもそれを発表したらとんでもない事になりそうね」


「そうだね。誰も彼もが魔力ソナーを修練し始めるかもしれない。社会にどのような影響を与えるのか想像ができないよ」


「ジョージはどうするつもり?」


「サイファ団長の話に出てきたエルフの研究者と会ってみたくてね。俺が本当に不老になっているのかの根拠が知りたくてね」


「そうね。それまでは秘匿しとくのが良いかも。私も誰にも話さないようにするわ」


 まずは自分が本当に不老かどうかを確認する。その後、不老になっているようならスミレの魔力制御をできる限り上げるように努力しよう。


 やっぱり不老については、無意識のうちに考えないようにしてたんだろうな。しかしいつまでも逃げているわけにはいかない。

 俺は今後の方針が決まって少し安心した。

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― 新着の感想 ―
[一言] それにしても、駆け落ちまでした貴族出身の嫁と子どもたちに暴力を振るうとは、父親に一体なにがあったんだろうか… 単に性根が腐ってたようには思えないんだけどなぁ…
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