ジョージ様? 強いよね。近距離、中距離、遠距離、隙が無いと思うよ
「全くジョージ様は自分を低く見積り過ぎています。いったい何をやっているんですか……」
オーロラからアーサー帝国に仕官しないかと勧誘された話をダンに報告にきたら呆れられてしまった。
「いやでも、アーサー帝国軍って強いんでしょ?」
「確かに世界最大の大陸であるバルボー大陸のほとんどを征服してますから精強な軍隊ですよ。それでもジョージ様の敵ではありませんよ」
「でもオーロラは俺の魔法を見ても全く自信が揺らいでいなかったよ」
「自分より力量が上の人の実力は正確に測れないんですよ。オーロラはジョージ様の実力を過小評価し過ぎです」
ダンは俺に心酔しているからなぁ。
それでもバルボー大陸をほぼ制覇している軍隊が相手だと厳しいと思うんだけど……。
「でも数の暴力って言うじゃん」
「ジョージ様からそのような言葉を聞くとは思いませんでしたよ。確かにそれは真理ですが、例外があります」
「例外?」
「ジョージ様、貴方ですよ。貴方のレベルは今いくつです? 貴方の魔力は尽きますか? 一発の魔法で何本の氷の矢を放てます? 中距離、遠距離だけでなく、近接戦闘にも隙が無くなっていますよね? もういい加減気付いてください。貴方がその気になれば全世界の人間を難なく殺せます」
俺は大量殺人鬼として歴史に名を残すつもり断じてない。
「いやその気にはならないけど……」
「いいですか、良く聞いてください。ジョージ様が単独で軍隊と戦う場合、大事なのが継戦能力です。オーロラはジョージ様のアイシクルアローとストームブレードを見て、これだけの魔法は何発も打てるわけが無いと推測したのでしょう。それなら犠牲をそれなりに払えばジョージ様に勝てると考えたのだと思います。ところでジョージ様はストームブレードを何発撃てます?」
これは世界樹を切り倒す時に経験済みだな。
「何発撃っても魔力は尽きなかったよ。喉が枯れるまでかな」
「それがどれだけ異常か理解してますか? 基本四属性の発展系である颯属性は上級魔法ですよ。歴史上の英雄の記録では15発が最高です」
「そんなもんなの?」
頷くダン。
そして諭すように話を続ける。
「遠距離、中距離、近距離に隙が無く、尽きる事の無い魔力。高威力の魔法の連発。そして魔力ソナーによりジョージ様から隠れる事もできない。もしジョージ様と戦場で出会ったら悪魔以外の何者でもありませんね。いや降り注ぐジョージ様の魔法に神の怒りと思うでしょうよ」
「そうなのかな? どうなんだろう?」
「ジョージ様が自分を信じられないのなら、私を信じてください。間違い無く貴方は神に等しい力を持つ英雄です。これは疑いようの無い事実なんです。そしてスミレ様とエヴィーと親衛隊がいるんですよ。負けようと思っても負けないほどです」
オーロラは確信した発言だったが、ダンは確信ではなく事実として語っている。
これは完全にダンの言葉の方が信じられるな。
「それじゃペンダントはオーロラに返した方が良い? このペンダントを受け取ったままだとアーサー帝国に頭を下げて仕官する可能性を残すって事だよね。グラコート侯爵家としては舐められた形になるよね? スミレに後から怒られそうだよ」
「いやせっかくですから預かっておきましょう。オーロラ皇女にそのペンダントを返す場はしっかりと整えます。間違いなくジョージ様の英雄譚を彩るでしょう。そして今回は舐められた形にはならないようにします」
「それって無理じゃない?」
「いや簡単ですよ」
まぁダンが言うなら簡単なんだろうな。
続きを読みたい方、面白かった方は下の星評価とブックマークをお願いいたします。星をいただけると励みになります。





