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ジョージは魔法の使い方を間違っていた!? 〜ダンジョン調査から始まる波瀾万丈の人生〜【文庫本発売中】  作者: 葉暮銀
新しい時代

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オーロラ皇女

 さてどうするかと思っているとダンが現れた。

 これで俺の脳みそは使う必要が無くなったな。


 俺はダンに説明して指示を待った。


「それではアーサー帝国からの客人を持て成しましょう。遠路はるばるジョージ様を調べに来たのですから」


「えっとお持て成しをするの?」


「えぇ、そうですよ。別にアーサー帝国とはまだ(・・)敵対関係にはなっていませんからね。お持て成しをしてエクス帝国を満喫していただきます」


「そうなの? でもこそこそとグラコート侯爵邸を探っていたって……」


「そうですね。確かに不躾な行為です。まぁそれでこうなったと思っていただけるんじゃないですか」


 ダンはフルチン男(ヤクス)を冷たい目で眺める。

 カチンときたのかヤクスがいらない言葉を発してしまった。


「今更我らのご機嫌を取ろうと無駄だ。オーロラ様はイース皇帝陛下の一人娘で、陛下は目に入れても痛く無いほどに溺愛している。こんな田舎大陸のエクス帝国などイース皇帝陛下が率いるアーサー帝国軍が蹂躙してくれるわ。そこにいるジョージと女には生き地獄を見せてやる。その時まで怯えて暮らすんだな」


 無表情のままヤクスの顔を踏み付けるダン。


「敵対はまだ(・・)していないと言ったのが聞こえませんでしたか? アーサー帝国がジョージ様と敵対するのであれば、それはそれで何も問題はありません」


 ダンは踏み付けた足をグリグリとする。


「ぐぁ……」


「貴方はアーサー帝国軍に所属しています。今のジョージ様を愚弄する言葉はアーサー帝国の総意と思ってよろしいか?」


「す、すいませんでした。撤回、撤回させていただきます!」


「撤回だけで済むと思っているのですか?」


「いや、謝罪、謝罪させていただきます!」


「私に謝罪をしてどうするのですか?」


 俺はその後、ヤクスの全裸緊縛土下座を見る事になる……。

 誰得だよ、本当に。


 俺は芸術作品であるシーファの猫耳全裸土下座を思い出していた。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


 眠れる森の隊員が、眠っていたオーロラ皇女とエイミーに服を着せてから起こす。

 困惑していたオーロラ皇女とエイミーの前に、顔面が腫れ上がっているヤクスが現れて困惑の度合いが増してしまった。


 俺はグラコート侯爵家当主として先に屋敷に戻ってお持て成しの準備を開始する。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


「それでオーロラ殿下の目的は私の情報収集でよろしいですか?」


「それとドラゴンの魔石についてですわ。ドラゴンが低層で生息するダンジョンと、どれくらいの収獲量があるのかの調査ですの」


 優雅にフォークとナイフで肉を切り分け口に運ぶオーロラ。

 調査対象者に武装解除をされているのに、なかなか太々(ふてぶて)しい態度だ。

 命令する事に慣れている女性と感じる。さすが皇女だけはあるわ。


「エクス帝国軍の調査は必要ないのですか?」


「エクス帝国軍については数年に一度調査をしております。2年前に調査をしてますので今回はしなくて大丈夫ですわ。どうせそれほど変わっていないでしょう」


 去年の年末から今年にかけて、エクス帝国軍の実力の底上げをしたんだけど。

 まぁこちらから教える必要もないよな。


「それなら私の情報収集とドラゴンの魔石関係の調査ですね。それなら好きなように調査をなさって良いですよ。それと部屋をこの屋敷に用意しましょう。12人分でよろしいですか?」


「あら、英雄と称されているのは伊達じゃ無いって事ね」


「できれば武力衝突したくありませんので、誰か使いに出してもらえますか? あと9人分の食事もご用意しております。ウチの料理人が悲しみますので冷える前にお願いしますよ」


「ふふふ、ジョージ侯爵に元々興味がありましたが、もっと深く知りたくなりましたわ」


 意味深な顔をしたオーロラだった。


「まぁ調査対象ですしね」


「ヤクス、エイミー、皆に武装解除してグラコート侯爵邸に来るように伝えて」


 簡潔な指示をするオーロラからは皇女ではなく、軍の隊長を感じられた。

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