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ジョージは魔法の使い方を間違っていた!? 〜ダンジョン調査から始まる波瀾万丈の人生〜【文庫本発売中】  作者: 葉暮銀
新しい時代

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違和感?

6月3日【赤の日】


 朝早くにベルク宰相がエクス城から帰ってきた。

 茜師匠との剣術の鍛錬中だったが切り上げてベルク宰相から話を聞く事にした。


 徹夜をしたようでベルク宰相は少し疲れ顔をしている。

 メイド長のサラがお茶を用意してくれた。


 あれ? サラのベルク宰相を見る目がなんか違和感が……。


「それではジョージ様、アリス陛下の状況を報告します」


 ベルク宰相の声に違和感が吹っ飛んでしまった。


「アリス陛下は私室に篭ってしまわれました。取り敢えずまた引きこもりに逆戻りですね。あの状態では当分政務は無理でしょう」


 まぁそうだろうな。謁見の間で泣き崩れるなんて皇帝陛下としては最悪の醜態だ。


「そして謹慎を言い渡されたバラフィーですが、相当難儀しましたが即日謹慎を解かせました。バラフィーまでいなくなると政務が滞りますから」


 まぁしょうがないよね。


「そしてタイル・バラス前公爵が宰相になる事が正式に決定いたしました。この件についてはバラフィーよりグラコート侯爵家に対して謝罪の言葉をいただいております」


 まぁそんなもんだ。バラス公爵家と結んだ協定書はベルク宰相の計らいでアリス陛下の前で結んだものだ。その2人が表舞台から去っている状況じゃ、誰も守らんわな。


「以上です。それと今後なのですが、アリス陛下の状況を確認する為に、毎日エクス城に登城する予定です。このグラコート侯爵家の家宰としての務めは疎かにしませんのでお許しください」


「別に問題ないよ。本当にお疲れ様でした。それとダンと話したんだけど、内戦になる可能性が高いって言われたよ」


「……。それは避けられないかもしれませんね。できればそうならないようにしたいのですが」


「いや、ダンが簡単に内戦が回避できるって言うからお願いしたよ」


 目を(みは)るベルク宰相。

 やはり内戦が簡単に回避できるってダンの言葉に驚いているな。


「本気ですか?」


「本気も何も内戦なんて良い事ないでしょ」


「そうですか……。でもそれも致し方ないでしょうね。それで確認ですが、ジョージ様はできれば苦労はしたくない方ですよね?」


「そりゃそうだよ。若い時の苦労は買ってでもせよって言うけど、俺は苦労はいくらでも売りたいかな」


「かしこまりました。それではそのように致します。少しばかり忙しくなりそうですね」


 ベルク宰相はグラコート侯爵家の家宰の仕事以外にアリス陛下を状況を確認する為に頻繁にエクス城に登城するなら忙しいよね。


「あんまり無理しないでね」


 俺はベルク宰相を言葉で体調を気遣った。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


 その日の午後に【眠れる森】の隊員は俺の縛鎖荊を受け入れた。

 そして当たり前のように俺の専任侍女になり、ジョージ郷を普通に歩くようになってしまった。


 【眠れる森】も親衛隊と同じように3人ずつの分隊を組み、諜報活動と専任侍女業務を交代制で行う予定だ。

 また基礎的な能力を上げるため、修練のダンジョンでのドラゴン討伐にも参加をする事になった。


 もうドラゴンの魔石も8,000個超えたから、そんなに頑張って修練のダンジョンに行く必要ないよな。

 【眠れる森】の隊員のレベルアップが一段落ついたら少しペースを緩めよう。

 生き急いじゃいけないよね。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


6月4日【黒の日】


 親衛隊の第二分隊から第九分隊とオリビアの総勢25名がエルバト共和国の馬車を迎えに南の国境に向けて出発をした。

 エルバト共和国からは1,200人の軍隊が帯同する。

 1,000億バルト換算の(きん)を運ぶのだから護衛が必要なのは当たり前だ。

 他国の軍隊がエクス帝国領土に進入する事にエクス帝国政府が少し難色をしめしたが、ダンがしっかりと調整をしたようだ。

 どのようにやったかは知らないけれど……。世の中には知らない方が幸せな事もある。

 そしてこれは間違いなくその部類だ。


 国境までは帝都から半月ほどだから少し早めの出発となる。

 オリビアの騎士団の時にエルバト共和国との国境警備に配属されていたから適任なんだろうな。

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