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ジョージは魔法の使い方を間違っていた!? 〜ダンジョン調査から始まる波瀾万丈の人生〜【文庫本発売中】  作者: 葉暮銀
新しい時代

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断じて母性は女性だけの専売特許ではない

 朝食の後はスミレは親衛隊の隊員を引き連れて修練のダンジョンに、そしてオリビアとポーラは茜師匠と一緒に白亜のダンジョンに出掛けていった。

 残った隊員は今日の俺の専任侍女の第二分隊の3人だ。


 スミレが屋敷を出てから少し経つとエヴィーの魔力が近づいてきた。


 リビングルームでお茶を飲んでいた俺を見かけると嬉々として俺に駆け寄ってくるエヴィー。


「ご主人様! 寂しかったぞ! おぉ、ご主人様の香りだ!」


 椅子に座っていた俺の膝の上に跨り、俺の胸あたりに顔を埋め深呼吸をしているエヴィー。

 一瞬、お前は犬か!と突っ込みたくなったが自重した。


「エヴィーはまだスミレが怖いのか?」


 スミレと言う単語に反応するエヴィー。


「あの魔力は破壊神の化身じゃよ……。どうしても心から怯えてしまうんじゃ……」


 身体が震えているエヴィー。完全に心の傷(トラウマ)になっているな……。

 スミレは躾と言っていたけどどうなんだろ?

 エヴィーの情操教育の為に俺がやる事はなんだ?


 エヴィーを子供と考えれば、俺とスミレが保護者である親か。

 やっぱり一般的に言われている父性と母性が必要だよな。

 今のスミレとエヴィーの関係性でスミレに母性を求めるのは無理がある。スミレに父性を求めるのは適任過ぎるけど……。


 それならば俺は俺なりに母性をエヴィーに与える事を考えよう。

 どんなエヴィーだろうと大きな愛情を持って受け止める。たぶんこんな感じかな? まともな家庭で育っていない俺には難問だよな。まぁその都度修正だよね。


「破壊神かどうかはおいといて、エヴィーがスミレに酷い事を言ったんだろ。きちんと謝ったのか?」


「我を破壊神の前に引きずり出すつもりか! ご主人様は我に死ねと言うのか! それならば一思(ひとおも)いに今殺してたもれ!」


「全く、たもれじゃないよ。相手にひどい事を言ったのならしっかりと謝らないと駄目だぞ。このままずっとスミレから逃げ回るのか?」


「……」


 頑なに口を閉ざしたエヴィー。


「大丈夫。スミレは既に怒ってないよ。さっぱりした性格だから根に持たないしね。それに俺がその場に一緒にいてやるからさ」


「……」


 押しても駄目なら引いてみよか。しょうがない。エヴィーに取っての飴を与えるか。


「そういえば、これから毎週、週末の【白の日】に俺が親衛隊に魔力操作を直接指導をするんだ」


「……。我には必要ない……」


「そうかもしれないけど、俺が基本を直接(・・)指導するんだ」


「?」


「いろんな説があるけど、魔力は心臓で作られるよね」


「厳密にいえば違うがそれ程間違いではないな」


 エヴィーとの会話が成立してきたな。


「まぁいいや、それで体内の魔力はどこに溜まる? 臍の下あたりのだよね」


「お主らが下丹田と言っているところじゃな。確かに臍の少し下じゃ」


「魔力ソナーを展開する時は、その魔力を胸の中心に上昇させるでしょ」


「確かに下丹田から中丹田に移動させるな。中丹田は両乳首の真ん中じゃ」


「そしてその魔力を噴水のように周囲に広げる。胸の中心を魔力の噴水の頂点にしてね」


「そんなイメージで魔力ソナーをやっておるのか。でも合理的じゃな。さすがはご主人様じゃ。でも我は息をするようにそんな事はできるわ」


 そりゃそうだ。

 魔力ソナーの展開はそれほど難しい技術ではない。ハイエルフのエヴィーには造作もないわ。

 しかしエヴィーはわかっていないな。


「今、ポーラが魔力ソナーの鍛錬を始めててね。なかなかコツが掴めてなかったんだ。だから俺が手助けをしてみた」


「手助け?」


「ハイエルフのエヴィーにはわからないかもしれないけど、人間には初心者に行う魔力の認識法があるんだ。魔力が溜まっている臍の下に他人に手を置いてもらうんだ。それだけで魔力は意識しやすくなる」


「人は本当に難儀な事よのう。魔力なぞ物心付いた頃には勝手に認識できるじゃろうて」


 エヴィーは馬鹿にしたように鼻で笑う。

 しかし


「俺は座禅を組んでいるポーラの背後からお腹に手を回し、魔力を感じやすいように手のひらをポーラの肌に置いてみた。そうしたらポーラが格段に魔力を感じられるような感じだったよ。ここまでが初心者に初めに実施する方法だ。しかし今回は魔力ソナーのコツを掴む指導だからね」


「魔力ソナーのコツ?」


「その後は魔力を胸の中心に上げる作業だ。当然、ポーラには俺の手のひらの感触から魔力を意識してもらう」


 想像が付いたようで頬が紅潮してきたエヴィー。


「そして胸の中心から噴水のように周囲に魔力を伸ばす。胸の中心から魔力が(ほとば)しるようにね。当然、その魔力の流れも俺の手のひらが(いざな)う。そう、何度も、何度もね……」


「なんという指導法を考えるんじゃ……。思考が常識を簡単にぶち破っている……。確かにそれはポーラには最適な指導法かもしれん。しかし(はた)から見たらご主人様が背後から脇の下から手を伸ばして胸を揉みしだいているだけじゃないか……」


「エヴィーは息をするように魔力ソナーが展開できるって言っていたよね。でも無意識下で行なっている事を一度しっかりと意識する事も大切かもね。どうする? 俺の直接(・・)的指導受けたい?」


「ジョージ様の筆頭下婢として受けないわけがなかろう!」


「それならまずはスミレにきちんと謝るんだ。瞑想の鍛錬にはスミレも参加しているからね」


「……」


 やっぱり口を閉ざすか。まぁ自分で考えさせよう。


「まぁゆっくり考えなよ。最初の直接的指導まであと3日あるからさ。あ、そういえばエヴィーに聞きたい事があったんだ。ポーラの事なんだけど、何かした?」


「何かとは何じゃ?」


「ポーラの身体が間違いなく若返っているんだ。どう考えてもおかしい。そんな事ができるとしたらエヴィー以外いないでしょ?」


 自慢げな顔をするエヴィー。何故か頬をつねりたくなるわ。


「ふふん。そうじゃ。我の秘術の魔法じゃ。生命属性魔法の一つじゃな。ポーラには内緒で毎晩じっくりと時間をかけて魔法を施しておるわ」


「えっと、それでポーラには悪い影響はないの?」


「馬鹿にするな! そんなもんがあるわけが無いわ! ただ単に我が相当疲れるだけじゃ!」


「まぁそれなら良いけど。でもどうしてそんな事をしているのさ?」


 エヴィーは首を少しだけ傾け考える。


「わからん。ただそうしたかっただけじゃ。ポーラは毎晩、添い寝もしてくれるしな」


 人間を虫ケラ扱いしていたエヴィーが少しは変わってきたのか?

 きっとこれは良い傾向なんだろうな。

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