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ジョージは魔法の使い方を間違っていた!? 〜ダンジョン調査から始まる波瀾万丈の人生〜【文庫本発売中】  作者: 葉暮銀
地位に求められるモノ

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数字が大きくなると全て一緒

 帰宅後真っ先にダンに修練のダンジョンの事を報告をする。

 報連相は大切だね。すでにどっちが上司かわからん状態だけど。


「明日の午前中にエルバト共和国外交使節団代表のラバル・スウィットとの約束が入りました。それにしてもジョージ様はやはり英雄です。このタイミングでドラゴンの魔石の獲得量が激増する形になるなんて……。運にも恵まれるのが英雄たる所以(ゆえん)という事ですか」


 ダンに賞賛されるのはいつもの事だが、どうしても慣れない。背中が少しむず痒くなってしまう。


「エルバト共和国はかなり正確に我がグラコート伯爵家のドラゴンの魔石の獲得量を把握しているでしょう。現在、4時間で最大9個です。1日8時間として18個。1年360日で6,480個。週6日のうち4日ドラゴン討伐するとして4,320個。この数値を元に考えて最小で3,800個、最大で4,200個くらいを予想しているでしょう。おそらくエルバト共和国は年間4,000個と予想して交渉をしてきます」


「えっと今日の結果からドラゴンの魔石の獲得量はどうなるかな?」


「今日得たドラゴンの魔石は1時間半で28個でしたね。運搬の時間を考えると4時間で56個。8時間で112個ですね。同じように1年360日に換算すると40,320個、週6日のうち4日討伐するとして26,880個です」


「そんなになるんだ……。これじゃドラゴンの魔石の価格は暴落しちゃうね」


「暴落はしませんよ。こちらは供給側ですから。供給量を調節すれば良いだけです。そして先程の計算ですが、スミレさんも一緒にドラゴン討伐をすると確実にもっと増えますね」


 確かに俺とスミレが別々にドラゴン討伐をすれば効率はもっと上がるな。エルフ達のレベルが上がれば運搬も俺が警護する必要も無くなるよな。そうすればずっとドラゴン討伐が続けられる。


「どうしてエルバト共和国は量では無く割り合いで契約を申し出たかわかりますか?」


「皆目見当がつかないよ。そこに何か意味があったの?」


「ドラゴンの魔石量の獲得量の予測に自信が無いんです」


「あれ? 先程エルバト共和国はかなり正確に把握しているって言ってなかった?」


「把握はしていますね。今までのドラゴンの魔石の納品実績を調べればすぐにわかります。でもエルバト共和国側からすれば、その数値はあくまでも最低数なんですよ。もしかしたらもっと多いのかもしれない。そしてその数値が予想以上に多かった場合は量の契約だと取り返しの付かない事になってしまうんです」


 魔石獲得能力の最小の量はわかるが、それ以上の能力がグラコート伯爵家にあるかもしれないのね。


「たとえば年間800個の契約をした場合、年間獲得量が4,000個だったら二割の量になりますが、もし8,000個だと一割の量になってしまいます」


「別に良くない? 確実に800個を得られるんだから」


「良くはないんですよ。二割が最低ラインとエルバト共和国の議会で決まったのでしょう。実際に二割未満の契約になったとしたら政府が持ちません」


「そんなもんなんだ」


「エルバト共和国は三割での契約が現実的な落とし所と考えているでしょう。そして例えグラコート伯爵家の能力が高かったとしても年間8,000個までが限界と推測しているでしょう」


 まぁそれくらいが妥当な推測になるんだろうな。


「それでエルバト共和国との交渉はどうすれば良いかな?」


「エルバト共和国側としても五割は無理だとわかっていて希望しております。上手く交渉が運べば四割。そうすると1個当たり800万バルト、最大値年間8,000個と想定して640億バルトの契約です。この辺のラインがエルバト共和国の予算の最大値でしょうね」


 640億バルトって……。数字がデカ過ぎてピンとこないわ。


「エルバト共和国には量の契約を持ち掛けましょう。年間8,000個で1個当たり1,000万バルト。総額では800億バルトになります。交渉次第で1,000億バルトですかね」


 既に違いを感じられない金額だね……。


「年間8,000個ってエルバト共和国側が想定しているドラゴンの魔石の最大獲得量じゃん。8,000個にした理由があるんだよね?」


「想定した量の最大値で契約した場合、エルバト共和国側はどう思うでしょうね。グラコート伯爵家は完全にエルバト共和国に軸を移すと考えるでしょう。それならば年間1,000億バルトをグラコート伯爵家に払っても大丈夫と思うはずです」


「払っても大丈夫って?」


「エクス帝国とエルバト共和国では貨幣が違います。その為この取り引きにはエクス帝国の貨幣であるバルト換算での(きん)で取り引きされます。長い目で見るとエルバト共和国から金が流出していくのが頭が痛いところでしょう。エルバト共和国は海の向こうの国々とも交易をしているのです。その交易では金の取り引きが基本ですから」


 あ、わかってきた。


「グラコート伯爵家がエルバト共和国側に軸を移すのなら問題が無くなります。我々に金をエルバト共和国で使ってもらえば良い。そうすれば金がエルバト共和国から流出しないわけです。またジョージ様が味方になるのならば将来的にはエクス帝国の制圧も考えるでしょう」


「……。そうなるの? 俺にはエクス帝国に反逆するつもりは微塵も無いんだけど?」


「なりますね。ジョージ様の戦闘力は桁違いですから。しかしエルバト共和国に勝手に思わせれば良いのです。こちらは数年間ドラゴンの魔石で金を荒稼ぎをします。貨幣を溜め込んでもジョージ様にはあまり意味がありませんから。金はいつの時代でも価値があります。この機会に未来永劫ジョージ様がお金に困らないようにしておきましょう」


 【なるほど】の4文字しか浮かばないよ。ダンとは視点が違い過ぎるわ。

 大所高所の言葉がダンには似合うよ。

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