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ダンの事務能力

1月2日〜1月3日

 

 1月4日が仕事始め。2日、3日はスミレと2人で寝室に引き篭もる事にした。

 レベルアップに伴い、体力が尽きる事が無い……。

 グラコート伯爵邸の寝室はまさに酒池肉林の様相を呈した。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


1月4日【黒の日】


 エクス城にてベルク宰相にて仕事始めの挨拶をしに行く。ついでにアリス皇女の件も話さないとな。


 ベルク宰相の執務室にて面会となった。


「今日から修練のダンジョンにてエクス帝国軍の能力の底上げを始めます。今年もよろしくお願い致します」


「ジョージ伯爵はエクス帝国の心臓であり背骨です。帝位を継がれるアリス皇女をどうぞよろしくお願いします」


 心臓と背骨か。この間は日の出の太陽だったし、俺はいろんなものに喩えられるなぁ。


「微力ながら精一杯頑張らせていただきます。あの……。一つお願いがあるのですが」


「お願いですか? なんでしょうか? 少し怖いですね」


「週一でアリス皇女が自室から出られるように協力しておりますが、それを辞退したいと思いまして……」


 考え込むベルク宰相。無言の執務室の空気が重い。

 確かに帝位を継ぐアリス皇女が自室から出られるようになる事はエクス帝国にとってとても重要だろう。しかし俺には俺が浮気する可能性を上げる行為だからな。自分でコントロールできないジョージ君(・・・・・)対策は必要だ。


「なるほど。ジョージさんの意志は固そうですね。了解致しました。明日を最後にしましょうか。それからあとの事は私が責任を持って対応致します」


 あら、お願いが通った。駄目って言われると思ったのにな。


「ありがとうございます。許可されないと思っていましたよ」


「今のジョージさんはエクス帝国軍に所属しておりませんから。あくまでもエクス帝国の一貴族です。もともとジョージさんの好意に甘えているだけですから。それにしてもジョージさんはスミレさんがそれ程大事なんですね。スミレさんは幸せ者だ」


 ベルク宰相はこういう機微をしっかりと理解してくれるよな。人間としての大きさを感じてしまう。俺が女性だったら股を濡らすわ。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


 グラコート伯爵邸に戻るとダンが仕事をしていた。今日からダンは正式にグラコート伯爵の家臣になる。これからはグラコート伯爵邸に住み込む。独身だから身軽だよね。


「本日からグラコート伯爵家でお世話になります。粉骨砕身(ふんこつさいしん)の努力で頑張らせていただきます」


 あらビシッとした美男子は(さま)になるね。爆ぜろ!


「こちらこそよろしく。ダンには家臣団の筆頭になってもらうからね。まだ1人しかいないけど」


「了解致しました。まずはグラコート伯爵家の予定をまとめました。ジョージ様には確認をしていただき必要な指示をお願いいたします」


 そう言ってダンは俺に書類を渡してきた。わかりやすくまとまった資料だ。顔が良くて、仕事もできる……。禿げろ!


 まぁ資料を見るか。


◉エクス帝国軍の実力の底上げ

 ・今月の末である程度終了


◉今後の修練のダンジョンの運用

 ・ドラゴンの魔石の納品が中心

 ・地下4階から下を目指すか?


◉グラコート伯爵家臣団

 ・優秀な人材を勧誘していくか?

 ・家臣団に修練のダンジョンでレベル上げの実施


◉新グラコート伯爵邸建築

 ・門の横のドラゴンの彫刻作成

 ・自家発電部屋に飾る絵の作成


◉グラコート伯爵家誕生祭の開催

 ・ジョージ伯爵主催の競技会の実施

 ・競技内容の選定


◉エルフの里の訪問

 ・2〜3月に訪問予定

 ・世界樹の状態

 ・不妊に効果があるのか?


◉北と東の国の平定

 ・4月に派兵予定

 ・カイト・ハイドース侯爵の領軍長のゾロン元騎士団長が総大将。帝国騎士団と魔導団は志願制。

 ・グラコート伯爵家としてどのように関わるか?


◉エルバト共和国

 ・相手の出方次第。重要度は意外と高い。


◉ロード王国

 ・ロード王国の西側の辺境の地の反乱

 ・ジョージ伯爵がロード王国の守護者になる


◉バラス公爵関係

 ・オリビア・バラスの処分

 ・オリビアの母親であるポーラの処遇

 ・バラス公爵家の攻撃を排除する


 なんかいっぱいあるなぁ。

 今まで適当にこなしていたから、こうやってまとめられるとわかりやすいわ。

 ダンって素敵。でも禿げて爆ぜろ!


「取り敢えず、2月からエルフの里に向かうから、1月中にやらないといけない事を考えようか」


「それならグラコート伯爵家臣団と新グラコート伯爵邸の件ですね。まずはグラコート伯爵家臣団についてです。家臣団のレベルアップはするべきでしょうね。それがグラコート伯爵家臣団のウリ(・・)になりますから。あとは優秀な人材に声をかけていきますか」


「それでお願いするよ。家臣をどの程度までレベルを上げるかはスミレと考えておくよ。じゃ、まずはダンのレベル上げだね。来週の頭に行こうか」


「ありがとうございます。ドラゴンを観れると思うと今から興奮しますね。次に新グラコート伯爵邸についてです。ドラゴンの彫刻とスミレさんがモデルの絵画の作成ですね。ドラゴンの彫刻は屋敷の完成に合わせたいのでグラコート伯爵家誕生祭での競技会を待たない方が良いと思います。有名な彫刻家数名に依頼してみます。その数名に競ってもらいましょう。依頼を受けた彫刻家にドラゴンを実際に見てもらい、模型を作成していただきます。その模型の優劣で誰に作成してもらうか決めましょう」


 うーん。完璧な段取りだな。こちらの発想を具現化する力が圧倒的だよ。もう爆ぜなくて良いよ……。

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