表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

179/282

忘年会

12月20日〜12月25日


 賊の正体は結局わからなかった。ダン曰く自害した事から専門家の仕事だろうって。そういう荒事をする組織があるそうだ。そしてそういう組織に仕事を頼めるのは相当な権力者みたい。

 まぁ犯罪組織なら一見(いちげん)さんお断りだよね。


 またダンをグラコート伯爵家で直接雇用することになった。ダンにこの話を持っていったら狂喜乱舞したよ。

 なんでもダンは竿と玉を本当に切り落とすか悩んでいたみたい。

 仕事の引き継ぎがあるから来月の頭からグラコート伯爵家の家臣になる予定だ。


 オリビアについては粛々と進んでいる。しかしバラス公爵家がオリビアを離籍していないみたいだ。

 このまま離籍しなければバラス公爵家の傷になる。どうするつもりなんだろ?


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


12月26【緑の日】


 今日の夜は男だけの忘年会だ。

 今年もあと5日。あまり働き過ぎるのも良くないので今日を仕事納めにしたよ。

 今年最後のスミレとの修練のダンジョン。つい気合いが入る。しっかりとビキニアーマーの呪いにかかってしまった。


 午後は挨拶周りだ。

 エクス城にいるアリス皇女殿下、ベルク宰相、魔導団本部にいるサイファ魔導団長に挨拶しておいた。

 これで今年の仕事は終了だ。あとは男で忘年会だ!

 スミレは屋敷に俺の妹のエルを呼んで食事をするみたい。まぁ楽しくやってくれ。俺も楽しんでくる。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


「それでは今年はお疲れ様でした! 来年もよろしく! 乾杯!」


 一番の年長者のエロエロさんの乾杯の挨拶で幕を開けた忘年会。

 場所は個室が完備されている【(すみれ)】だ。

 カタスさんが高級店だったため少し気後れしていた。


 酔っ払ってくると段々と会話の内容がお下劣(げれつ)になってくる。

 今の話題は浮気の線引きについてだ。

 カタスさんとライバーさんが熱く議論している。


「それはやはり女性と2人だけで食事とかに行ったら浮気じゃないですか?」


「何言ってんだ、カタス。そんなの仕事関係で食事ぐらい行くだろ? そんなの浮気のわけがないぞ」


「私はエルに誠実でありたいと思っているんです。ライバーさんとは違いますから」


「何言ってるんだ。俺ほど奥さんに誠実な男はいないぞ。俺は誠実が服を着て歩いているようなもんだ。誠実と書いてライバーって読むんだぞ。誠実と言えばライバー、ライバーと言えば誠実! これが帝都の常識だ」


 ライバーさんの言葉にダンが冷めた口調で返す。


「ライバーさん、不が抜けていますよ。不誠実と書いてライバーですね。官僚試験に出ますから良く覚えています」


「出るわけないだろ、そんな問題。じゃダンはどこから浮気なんだよ」


「肉体関係を結んだところからですね。ただ男爵以上の貴族にはこれは当たらないです。子爵と男爵は正室のほかに1人の側室が認められていますから。既に正室と側室が1人ずついる場合は浮気に該当ですね」


「そんな法律の事なんか知った事か。大事なのは心だよ。いいか、浮気は浮気と思った時から浮気だ。浮気じゃないと思ったら、どこまでも浮気じゃないさ。奥さんに後ろめたい気持ちを持つ行為が浮気だよ」


 何かそれっぽい事言ってるなぁ。でもそんなもんかも。俺はどうなんだろ? やっぱり女性と隠れて2人で会うのは後ろめたいな。


「ジョージ、それで()()()()()()はどうする? 浮気にならないお店が希望だろ?」


 うーん。やっぱり……。


「そうですね。おさわりの無いお店が良いです。それなら後ろめたくないですから」


「そっか。まずは夜の街の遊びを覚えるのが良いな。任せておけ。年明けに遊びに行くぞ!」


 今から楽しみだなぁ。


 結局、【(すみれ)】の閉店時間までバカ話をして解散した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
集英社ダッシュエックス文庫より
第1巻が発売中
▼▼▼クリック▼▼▼
ジョージは魔法の使い方を間違っていた!? ~ダンジョン調査から始まる波乱万丈の人生~
html>



▼▼▼葉暮銀その他の作品▼▼▼
蒼炎の魔術師〜冒険への飛翔〜
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ