表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

139/282

伝説の魔導師とエルフの救世主

11月6日【無の日】

 今週も午前中はダンスレッスン。

 昨晩、ダンスを披露した話をする。もう中級者レベルだとリースさんにお墨付きをもらった。

 このままいけば上級者になれるかも。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


 午後からはライドさんの実験に付き合う事になった。

 何回か断っていたので、今日のライドさんは実験に相当前のめりになっている。


「まずはジョージ君の魔力ソナーの有効距離を測りたいんだ。今から馬車で私は帝都の外まで行ってくる。念のためここからは20kmは離れて見るつもりだ。私の魔力が感じられなくなった時間をしっかりと記録しておいてくれ」


 ライドさんは俺に懐中時計を渡す。


「私は時間を見ながら距離を換算するから。よろしく頼むよ」


 そう言って、すぐに馬車に飛び乗るライドさん。馭者をしてくれるマリウスの息子のザインには申し訳なく思う。

 馬車はライドさんの掛け声で出発して行った。


 俺は自室に入りゆったりする事にした。

 最近は集中しなくても魔力ソナーはおこなえる。

 あ、昼だけどスミレとイチャつくか。でも魔力ソナーが疎かにならないかな。でも性欲はしょうがないよね。明るい日差しの下のスミレが魅力的過ぎるのが悪いんだ。

 結局、俺はスミレを誘って寝室に篭った。


 いつもスミレと肌を合わせている時は、スミレの魔力に集中するのだが、今回はライドさんの魔力も感じていなければならない。

 どうしても行為に没入できないのが歯痒い。


 あ、これは趣きを変えよう。俺は自分の天才的な閃きに神に感謝した。


 スミレの綺麗な裸を鑑賞する事に集中する事にした。

 昼の日差しがレースのカーテン越しに入ってくる寝室。

 スミレの真っ白な肌がとても綺麗だ。

 なだらかな曲線、艶やかな髪、吸い込まれるような唇。

 最高だぁ!!


 行為に及ばなくても、触れ合っているだけで幸せになる。

 あぁこんな楽しみ方も乙なもんだ。

 結局、魔力ソナーの有効距離を測る実験中は、ずっとスミレとベッドで戯れあっていた。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


 夕方にライドさんが帰ってきた。


「どうだった? 何時まで魔力ソナーで私の魔力を感じられた!」


「ずっと感じていましたよ。途切れる事は無かったですね」


 俺の返事に唖然とするライドさん。


「本当なのか? 本当に途切れてないのかい?」


 こっちだってライドさんの魔力が途切れれば、すぐにスミレと行為に及ぶ予定だったのに……。


「ずっとライドさんの魔力を感じていました。本当ですよ。邪魔だったんだから」


「邪魔ってどういう事? 集中して魔力ソナーを使っていたんじゃないのか?」


「あ、今は片手間で魔力ソナーを使えます。そんなに集中はしてないですね」


「片手間……」


 あ、アホ面のライドさんだ! 美形のアホ面は本当に面白い! 駄目だ、笑ってしまう。

 俺は軽く咳払いをして笑いを誤魔化す。

 俺の両肩を掴むライドさん。とても真剣な表情だ。


「ジョージ君! いやジョージ様! 貴方はやはり伝説の魔導師、エルフの救世主だ! それ以外に考えられない!」


 あぁ、ライドさん、興奮して鼻息が荒くなっている。

 こ、怖いや。


「あ、あの、伝説の魔導師とエルフの救世主ってなんなんですか? サイファ団長との会話でも言ってましたけど……」


「800年ほど昔に世界樹が枯れかけた時があったんだよ。どんなに手を尽くしてもそれが止められなかった。もう駄目だと諦めかけていた。その時、旅人の魔導師が現れて(たちま)ち世界樹を甦らせたんだ。お礼をしようとしたが、その旅の魔導師はすぐにエルフの里を去っていったんだ。エルフはその感謝を忘れずにいるんだよ。伝説の魔導師、エルフの救世主として語り継がれている。まぁ今は御伽噺になっている感じだけどね」


 ふ〜ん。そうなんだ。

 世界樹が甦った記録があるなら、あながち無理じゃないのかもしれないな。エルフの里に行ってみればわかるか。


「やはりジョージ様は伝説の魔導師、エルフの救世主だよ。今日の実験で確信したね。実験が落ち着いたら、一回エルフの里に帰ってエルフの救世主がいた事を報告してこないといけないな」


 うんうんと悩み出すライドさん。まぁいくらでも悩んでくれ。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


 その夜は、昼間に溜め込んだ欲望を、思う存分ベッドで吐き出してスッキリした。

 結婚って本当に良いもんだな。

続きを読みたい方、面白かった方は下の星評価とブックマークをお願いいたします。星をいただけると励みになります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
集英社ダッシュエックス文庫より
第1巻が発売中
▼▼▼クリック▼▼▼
ジョージは魔法の使い方を間違っていた!? ~ダンジョン調査から始まる波乱万丈の人生~
html>



▼▼▼葉暮銀その他の作品▼▼▼
蒼炎の魔術師〜冒険への飛翔〜
― 新着の感想 ―
[良い点] これ後の世で歴史の教科書にに伝説として出てくるけど、そんなこと出来るはずないって考えられる奴だ。 [一言] いや、不老だと生き証人として居続けるのか。
[一言] お前がスミレさんとヤリまくってんのはもうわかったよ。 あほなのか?なんでいちいち報告してくるんだ?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ