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ベルク宰相への報告

 午後からはベルク宰相と面会する事にする。

 ベルク宰相はエクス城の執務室で仕事をしていた。

 ベルク宰相もサイファ団長も仕事人間だな。


 俺とスミレが来客用ソファに座るとベルク宰相は穏やかに話し始める。


「ジョージさん。皇位継承権をもった方々にどのような印象を持ちましたか?」


「そうですね。アリス皇女にとても好感を持ちました。ダマス皇子は最悪でしたね。スイフト皇子は判断は保留です。ただ周囲の人々の影響を受けると良くないと思いました。カイト皇太子とは考え方が合わないようです」


 俺は率直に話した。ベルク宰相が少し難しい顔をしている。


「やっぱりそうなりますか。それではカイト皇太子とダマス皇子は候補から外れますね。アリス皇女とスイフト皇子ですか。どちらも皇帝になるには問題がありますね」


 確かにアリス皇女は引きこもり、スイフト皇子は幼過ぎる。


「わかりました。アリス皇女で調整をしていきます。ダマス皇子を帝都から追放できればアリス皇女の引きこもりも治る可能性があるでしょう。それでも引きこもりが治らないならば婚姻してもらって、皇配に実務をやってもらいましょう」


 そんな簡単に婚姻なんてできるのか? 皇配になるなんて、相当な家柄が必要じゃん。


「既に皇配になり得る男性はいるのですか? なかなか難しそうですけど……」


「政治的なバランスを考えるとマズいんだが、そうも言ってられない。私の兄の息子に打診してみようと思っている」


 あ、そうか。ベルク宰相の家はエバンビーク公爵家だ。そこの御子息なら皇配になる充分な格がある。


 それにしても政治的なバランスか。皇配と宰相がエバンビーク公爵家って問題なんだろうな。まぁこの辺はベルク宰相やサイファ団長に任せるしかないか。

 あ、ロード王国の話もしないとな。


「ベルク宰相。ロード王国の公爵になるのは辞退しようと思います。ただ、ロード王国の民も守る方法ってありませんか?」


「なるほど。それがジョージさんとスミレさんの話し合った結論ですか。それもあると思っていました。ロード王国のパトリシア王女と結婚はしないという事で良いですか?」


「はい! そのつもりです」


「そしてロード王国の民も守りたいと言うわけですね」


「はい! それが俺とスミレの願いです」


「それならばロード王国の侯爵か伯爵になるのが良いでしょうね。ジョージさんがエクス帝国だけじゃなく、ロード王国の貴族になる事で両国の架け橋になる事でしょう。ただ公爵と違って侯爵や伯爵だとロード王国の西側の辺境の人達の反乱を起こす可能性がそれほど下がらないかもしれませんね。ロード王国の守護者にもなるというのなら、ジョージさんが一度ロード王国の辺境の地に出向くのが良いかもしれません」


 ロード王国の辺境の地まで行くのに何日かかるんだ……。それでも必要なら行ってみるか。


「わかりました。エクス帝国が落ち着いたらロード王国の辺境の地まで行こうと思います」


「ああ、それとパトリシア王女に結婚のお断りをするのはジョージさんですからね。私は関与しませんので」


 まぁそうだよね。パトリシア王女の気持ちを汲んで、俺がキチンと断らないとね。


「来週の10月13日に臨時貴族会議を開催します。ジョージさんも出席するようにお願いいたします。こちらはそれまでに根回しをしておきますから」


「わかりました。出席させていただきます」


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


 パトリシア王女はロード王国の出先機関の外交部が所有している屋敷に滞在している。

 早速、パトリシア王女に面会の約束を取りつけた。10月12日の午後にパトリシアの滞在している屋敷に出向く事になった。

 少しだけ気が重いな。

 俺がスミレを見ると、スミレは微笑んでくれた。


 この笑顔を強張らせてはいけない。

 この笑顔を守る事が俺の存在意義だ。

 この気持ちは忘れてはいけない。

 何があろうと守ってみせる。

 周りの状況がドンドン変わっていくが、この考えだけはブレずにいこう。

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