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【書籍化】ちび神獣たちのお世話係始めました ~世界樹の森でもふもふスローライフ!~  作者: カナデ
4章 ユーラの成長と世界との繋がり

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83 二年目のかまくら作り

 翌日の朝は、久しぶりに晴天となったが前日の吹雪の影響で外の竈のある台所と広場の段差が全て埋まり、更に柱の下の方も雪に埋もれている状態だった。


「うわぁーー。昨日はずっと降ってたもんなぁ。今年は去年より更に寒さが厳しくなるかもなー。さすがのクオンも夕方前に帰ったくらいだったし。今日は皆休みかもなぁ」


 神獣や幻獣たちの守護地は世界中に点在しているが、ここ、アーシュの守護する岩山がある地は比較的聖地に近いそうで、聖地の天候とそれ程ズレがない。なので聖地の雪具合を見て、子供達を連れて来るか冬は判断しているそうだ。


 前にロトムのお父さんのオルトロスにこの世界について教えて貰った時に聞いたところによると、東西南北や高地低地の差はあれど、あまり四季の変化はないらしい。


 そのことを聞いた時にこの世界は地球みたいに惑星じゃないのか?とか思ったけど、まあ、地球の常識を異世界でどうこう言ったところで無駄だよな。とりあえずそんなもんだ、と自分を納得させるのにももう慣れて来たぞ。


 ただ北の果ての大陸は一年中雪に覆われており、そこがハーツ、フェンリルの守護地だ。逆に南の果ての大陸は南極のように雪が、ではなく、一年中雪が降ることはなく雨が多い土地だそうだ。


 今のところ南の方の守護地から来ているのは、ライくらいなんだよな。でもライの守護地はかなり高い山の上みたいで、雪も降るって言っていたけどな。世界樹がある聖地は世界のほぼ中心にあり、その中央の大陸にこのアーシュの守護地もあるらしいけど、一度もここから出ていない俺は何も実感もないしなぁ。


 ただ、これだけ雪が降っているとなると、他の守護地でも降っている可能性は高く、ほとんどの子供達は冬の間は去年と同じように休みになるだろう。




 雪の様子や竈の様子を見て家の土間で食事を作るか迷ったが、竈の周辺はギリギリまだ雪が吹き込んでいなかったので、厚着をした上に毛皮のマントを羽織って外に出た。


『ウォンッ!イツキ、おは、よう!』

「おお、ハーツ、おはよう!雪、すごく積もったな。なあ、ハーツ。今日は日課終わったらここに去年みたいにかまくら作るか?」

『ワンワンウォオオーーーンッ!!つ、つくる!かま、くら!かまくら、楽しい!』


 もうあちこち走り回っていたのか駆け寄って来たハーツに、この積雪ならもうかまくら作れるな、と思い提案してみると、尻尾を扇風機のようにブンブン振り回しつつ興奮してワフワフ吠えながら台所の周囲をもの凄い勢いで駆けまわった。


「おーーい、ハーツ!ここで走られると、台所の中に雪が入るからちょっと離れた場所にしてくれ。かまくら作りは日課が終わった後だぞーー!」

『ワウォンッ!!わ、わかったーーー!』


 ウォオオーーーンッ!と遠吠えしながら広場の外周をぐるぐる回りだしたハーツを見て、やっぱりハーツは元気だな、と思いつつ朝食の準備を始めた。

 ハーツが雪を巻き上げつつ掛け回る広場の片隅で、白い何かがぴょこん、と盛り上がったが、ハーツもイツキもその時は気づかなかったのだった。




 聖地までの広場の道は、どうせ駆け回っているなら、とハーツに雪かき?を頼んで往復して貰って道が出来たが、聖地へ入ると花畑も銀世界だった。

 見渡す限りの雪原から白い花々が顔を出し、幻想的な風景を作り出している。


「……去年見た時も思ったけど、雪原に花畑、ありえないけど目の前にある、不思議だけど幻想的なんだよなぁ」


 雪の中を歩こうとして、何度も転んで雪に埋まりかけ、それでも歩くと嫌がるユーラをなんとか抱っこしながら歩く。

 そんな幻想的な景色もハーツやシュウの前では何の意味もないのか、着々と親切に足跡が刻まれて行く。


 今朝来たのは、クオンにシュウ、それにロトムだけだった。セランも去年に比べれば体は一回り近く大きくはなったが、積雪五十センチを越えたのでもうこの冬は来ないだろう。フェイには積雪は関係ないが、フェイもこの時期は守護地での修行に充てると言っていた。


『……もう、使いこなしてる。私、慣れるのに、結構かかったのに』

「ララ、シュウは風を司る神獣だしな。あとシュウは風は本能で使っているから、訓練とか修行とかでしか身に付かない能力は全然成長していない、って親御さんも頭抱えていただろ」


 広場ではハーツも雪を蹴散らしながら駆け回っていたが、聖地では雪原となった花畑の上を駆け回っていた。

 どうやら足に風を纏わせて地面には足先だけつけるようにほとんど浮いているらしい。


 そういえば去年もハーツは興奮すると雪を巻き上げて走っていたが、半分は雪の上を走っていたかもな。この聖地でも雪の下の花を一緒に巻き上げたりはしていなかったもんな。


 予想した通りシュウは雪が降っても吹雪いていても皆勤賞で、朝、少し申し訳なさそうな白虎が連れて来ている。シュウの成長が少しずつでもみられるようになってからは、早朝から夕方遅くまでほとんど丸一日いる時もあるくらいだ。風以外はまだまだみたいだが、それでも来たばかりの頃を思えば最近では強く興味を持ったこと以外では、少しずつ周りの言っていることをきいてくれるようになっているしな。


 そのシュウが今朝もやはり早朝からやって来てハーツと一緒に朝食を食べ終えるまで走り回っていたのだが、いつの間にかハーツに教わったのか雪の上を駆け回れるようになっていたのだ。

 その姿を見て固まっていたララが気の毒になってしまったのだった。


 その後は慰めながらララとのんびり歩いて日課をすませ、広場に戻って来た。



「よーーーし!今日はかまくら作るぞーーー!疲れたら休憩な。ちゃんと昼ご飯食べたら少し昼寝だからな!」

『ワンワンワンッ!は、はやく、かまくら!』

『かまくら』『冷たいのに温かい部屋か』

『今年はもっと頑張って作るのっ!!』


 日課から戻り、ユーラをオズの部屋へ連れて行きオズに水とスープを飲ませた後は、子供達にかまくら作りを宣言した。

 テンションの高い子供達に思わずおーーーーっ!と腕を突き上げてしまった。


『かま、くら?かまくらって?』

「あ、ララは初めてだもんな。ええと、なんていうか、雪を積み上げて固めた後に中をくりぬいて作る雪で作った氷の部屋、みたいなものかな?」

『雪?氷?部屋を、作る、の?』


 きょとんとした顔で小首を傾げるララの頭を思わず撫で、一緒に作ろう、と誘う。

 キキリとユーラはオズに寄り添っているので、ララはこの中では一番小柄だ。なのでかまくらの穴を掘る時にはいい戦力になってくれるだろう。


「さあ皆ー!雪を集めるぞーーー!」

『『『『『おーーーっ!!(みぎゃうっ!)』』』』』『お、おー?』


 皆俺のテンションに乗りよく着いて来てくれて、去年も作ったことのあるハーツにロトム、それにクオンは周囲に散って雪かきをし始めた。

 シュウは最初そんな皆を小首を傾げてみていたが、あちこちで舞い上がる雪に楽しくなったのか、その雪に向かって走り出した。


「お、おい、シュウ!せっかくだから、皆が巻き上げた雪を風で集めてこっちに運んでくれないか?」

『ミュッ?』


 最初は分かっていなかったシュウも、俺がそよ風で見本を見せると理解したのか、それからは皆が後ろ足で巻き上げた雪を楽しそうにはしゃぎながら風で集めて来てくれた。

 俺も去年よりは少しずつ魔法の精度は上がってはいるものの、畑の水やりで水魔法は少しは前よりは規模を大きく発動することには成功したが、風は今でもそよ風レベルだ。それでもドライヤー変わりには使っているんだけどな!


『ウォフッ?……ワフゥ……ウォンッ!!で、できた!』

「おお、ハーツ凄いな!出来たら遠いところの雪をそれで集めてみてくれな!」

『が、頑張る!ウォンッ!!』


 シュウがシルフに頼んで舞い上がった雪を集めるのを見て考えていたハーツが、雪に干渉してブロック状に固め、それを押して運びだした。


『あ、あれ……。あの練習、このため、だったの?』

「お、ララ。もしかしてハーツはここから戻ってから雪を移動する練習をしていたのか?」

『え、ええ。遊びに行った時、なんか、色々試していたわ。……ハーツもシュウまでも、すごいわ』


 風を使うシュウや張り切って雪を移動しだしたハーツを見て最初は驚いていたララが、今度はどんどん沈みだした。

 ララの親御さんに会ったことはないから成獣のグーロの大きさは分からないが、言葉を話せるララがメインクーンサイズよりも家猫サイズに近いことを考えると、あまり大きな種族ではないのだろう。


「グーラは何をメインにしている種族なんだ?」

『メインとしては水と土、なの。だからか、あまり、大きな力、使えないわ』


 しょぼん、とするララの頭を撫で、ララの役割を教えた。


「水と土なんて凄いじゃないか!畑に最適だし、それにかまくら作りには最適じゃないか!」

『え?さ、最適?』

「そうだよ。集めた雪を水で少し濡らして凍らせながら積んで行くんだ。それに倒れないように、土を凍らせて固めた上に積んだ方が土台がしっかりするだろう?皆が雪を集めてくれているから、ララは俺と一緒に土台を作ろう!」


 目を真ん丸に、たれ気味の耳を立てて尻尾を膨らませたララは、おどおど気味なのは変わりなかったがそれでも嬉しそうに俺の手伝いをしてくれた。


 一度作る予定の場所の雪をどかし、土をしっかり固めてからそこに雪を水を撒きつつ固めながら積む作業はアインス達が昼食に戻って来るまで続いた。

 昼食を食べて少し昼寝をしてからもアインス達も一緒に進めたが、結局調子に乗ったアインスが俺たちも入りたい!と言って大型化が決定したことからその日の内には完成まではこぎ着けなかったのだった。






終わらなかった……のでかまくらも次回、雪エピソードも続きます。

シリアス風味はちょいちょいくらいで休憩です(笑)


あとグーラとか神獣、幻獣の属性設定などは独自路線です(幻獣名もそろそろ独自の種族が出ると思います)


ちょっと夏バテ気味で作業効率がかなり落ちているので(バタバタしているのもあって)

次回は水曜日に間に合わなければ木曜日になるかもです。

どうぞよろしくお願いします!

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