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【書籍化】ちび神獣たちのお世話係始めました ~世界樹の森でもふもふスローライフ!~  作者: カナデ
3章 世界樹と新たな出会い

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70 ユーラの成長と新しい子供

 雨期の終わりだけに現れる不思議な植物、ニキニキは結局丸二日畑と広場を占領していたが、三日目の朝にはきれいさっぱり消えていた。


 初日も聖地から戻るとせっかく子供達が採取してくれたのに、それは気のせいだった、とばかりに朝と同様にまた畑と広場一面にニキニキが群生していた。

 その様子に啞然と立ち尽くしている間に、俺の横をすり抜けて子供達がニキニキへと飛び込み、走り回っては生えるニキニキをとる、というもぐら叩きが再度開催されることになったのだった。

 それは子供達がお腹がすきすぎてへたれるまで続き、昼寝から目が覚めた後もまた走り回ってニキニキとの闘いで一日が終わったのだった。


 その間ユーラは俺のおんぶとだっこを嫌り、ニキニキの上に座って走り回る子供達を見ながら自分も動こうとして子供達の真似をしてとうとうハイハイをし出したのだ!


 まあ、その感動の瞬間もあまりにしっちゃかめっちゃかな状況で見逃したんだけどな!気が付いた時にはケットシーのナナと一緒にクオンに上半身のしかかって中腰で足だけでハイハイしてたしな!


 その姿を見た時は、本当に驚いたのだ。もう、啞然としていたのに、更に茫然としてしばらくその場で半分気絶していたからなぁ。俺の周囲をスプライトたちが踊って懸命になだめてくれて気を取り直してユーラを見たら、今度は何故かロトムの背中に乗ってご機嫌だった。もう、その後は正直どうやって夜寝たかまで覚えていない。



 その翌日も朝起きても畑と広場はニキニキに占領されていたけど、もう気にすることなく踏んで台所まで行って朝食を作ったぞ。

 さすがに子供達も二日目となるとニキニキを全て収穫しよう!とはせずに、ただ追いかけっこのように部分殲滅できるかでニキニキと競争をしていた。

 聖地でたっぷりカーバンクルにニキニキを渡して戻って来てからは、ニキニキの上を一歩一歩踏みしめるようにハイハイするユーラをつきっきりでしみじみと観察してしまった。その時涙が出そうになっていたのは秘密なのだ。


 ただ家の床でハイハイするにはちょっと固いかも、と思っていたら、即効ドワーフ達から丈夫な繊維で編んだ絨毯が届いてありがたいけどビックリした。

 あるのかどうかしらないが、精霊界に世界樹の守り人ユーラ、ハイハイをし出す!というニュースが駆け巡ったのだろう、と自分に言い聞かせて納得したぞ。キキリのお父さんドラゴンまでもが見に来たのには驚いたがな!



 そうしてニキニキが消えた後は、荒らされた畑の手入れをし、種蒔きをした。

 今年から植える種の一つに、赤い実がなる野菜の種、と渡された物があった。もしかしたらトマトか!とちょっとだけ期待している。


 種蒔きは雨期明けで、それまでのうっぷんを晴らすかのように活発なノーム達の協力で、あっという前に終わり、毎日俺が成長の魔法を掛け、三日で無事に芽が出たのにほっとした日。

 ハイハイするようになっておんぶしても降りるとジタバタと暴れるユーラを宥めすかしながらいつものように聖地へと向かった。


 どんどん赤ちゃんのように動くようになって来たユーラに安心したが、ただ表情は相変わらず基本が無表情のままで、いつか満面の笑みをみたいとは思うものの全く想像できなかった。


 なんとか自分で動きたくて暴れるユーラをなだめながら世界樹を目指して進んでいると。


『むう?なんか聖地にいる気がするの』

『うむ。神獣か幻獣か』

『気配が小さくてまだ判別できないが、どこかにいるぞ』


 クオンとロトムの言葉に驚いて思わずフェイの方を見ると。


『……恐らくまだ小さな、生まれてそれ程経っていない子供のようですね。どこにいるかまでは……ちょっと分かりませんが』

『僕、ちょっと空から見て来る!』

「あっ、ライ、気を付けてな!……なあ、感じたのは子供の気配だけ、だよな?親と一緒じゃないってどういうことだ?」


 俺に子供を見せに来たのだとしたら、親と一緒に来る筈だ。それに子供だけでこの聖地へ来るのは、あまり考えられないのだ。


 ……今日休んでいる神獣、幻獣の子はいないからな。カーバンクルの気配は皆知っているけど、もしかしてカーバンクルみたいなこの聖地が守護地の神獣か幻獣がまだいたのか?アーシュはあんまりそういうこと教えてくれないもんな。


 ここで考え込んでいても仕方がないので、確認に飛んでくれたライに期待してゆっくりと歩いていると、フェイがライが戻って来た気配を感じて教えてくれた。


『どうだった、ライ。赤ちゃん、いたか?』

『……空からだったから、ハッキリ確認できなかったけど、白い小さい子がいたよ。一人だった』

「おおっ、やっぱりいたのか。でも、親がいないなんで、どうしてだろうな?……親がいないのに、小さな子供に接触したら危ないかな?」


 子育て中の野生動物なんて、本来なら絶対子供に他人を接触させないもんな。神獣や幻獣はただの動物とは違うけど、それでもそこは気になるよな?


『ええーー、いかないの?もしかしたら迷っちゃって、一人で不安でいるのかもしれないよ?』

「ああ、そうだな、セラン。よし、ちょっと行ってみるか。ライ、場所はここから遠いかな?」

『ここから泉の近くを左の方にまっすぐ行った処だよ。歩くとちょっとかかるかも』

「じゃあ、子供達に泉で遊んで貰って、俺達はそっちに行ってみようか」

『うん!新しい子、楽しみだね!』


 うれしそうにピョンピョン飛び跳ねながら他の子供達を追いかけて行ったクオンに続き、少しだけ急ぎ足で泉へ向かう。

 そして泉が見えて来た処で一番年上のクー・シーのテテに皆のことを頼み、クオンとロトム、セランとフェイと一緒にライに道案内して貰いながら進んで行くと。


「おお、ユーラ。また急にバタバタし出して、どうしたんだ?」


 神獣か幻獣の子供の気配を感じてから大人しくしていたユーラが、ここに来ていきなりまたバタバタと手足をし出したのだ。

 慌てておんぶしているユーラをあやすようにゆすり、振り返って顔を覗いてみても、表情はいつものように口を結んだ無表情だったが、その瞳はどこかわくわくしているような色があるように見えた。


『あっ、あそこ!さっきはあそこらへんにいたよ。ちょっと見て来るね!』


 着いたのは聖地の端近くで、花畑と森との境に近い場所だった。

 花畑の背丈も俺の膝よりも高いから、小さな赤ちゃんなら、この花畑でも隠れてしまうからか、ライが飛んでいった方を見回してもまったく何も見えなかった。


『んーー?近い、けど、ちょっと違う?』

『そうだな。動いてしまっているか?』

『だな。ここから右……の方か?』

『そうですね。そちらの奥の方な気がします』

『じゃあ、行こうよ!早く新しい子に会いたいな』


 お、おお!近くまで来たからか、皆も大体の場所が分かるみたいだな。


 ライもロトムが示した方の上空を、クルクル回って位置を確認しているようだった。

 そちらの方へドキドキしながら向かって行くと。


『フギャーーーッ!!』


 上空を飛んでいたライが下降した時に、辺りに響き渡る程の鳴き声が上がったのだった。






遅くなりましたがなんとか今日も更新できました!

とりあえず今回新しい子の姿形が出なかったので、明日も更新できるように頑張ってみます!


どうぞよろしくお願いします<(_ _)>

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