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【書籍化】ちび神獣たちのお世話係始めました ~世界樹の森でもふもふスローライフ!~  作者: カナデ
3章 世界樹と新たな出会い

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68 雨期明けと不思議な植物 2

「うわわわっ!な、なんか今、ニョキッ!って生えて来たんだけど!シェロ、これがニキニキ草なのか?」

『はい、そうです。昔はそのまま生で食べていたようですが、湯がいて塩を掛けて食べたらとても美味しかったですよ。これはこの時期だけいくらでも生えるそうなので、どんどん引っこ抜いて平気だそうです』


 シェロと連れだって、子供達を連れて一緒に森をクー・シーの集落の方向へと歩き始めて少し行った処で、いかにもファンタジー現象を目撃した。

 そう、目の前で地面からスギナのような草が当然ニョキッと生えたのだ。

 芽がピョコッと地面から顔を出したと思ったら、本当にあっという間に約二十センチ程まで成長したのだ。しかも、一本生えると、その周囲に次々と生えて来てあっという間に群生地の出来上がりだ。


『うわぁ、おもしろーい!次々出てくるの!これ、採っていいの?じゃあたっくさん集めるね!』

『……ああ、確か父様が土地に精霊の力が満ちると生える草もある、って言ってた内の一つか』

『そういえば言ってたな。まあ、イツキが食べられるなら集めるか』


 次々生えて来る草に面白がってまず一番最初にクオンが飛びつくと、それに釣られたケットシー達が続き、恐らく集落で大人と一緒に採っていたのだろうクー・シーの子供達がやれやれ、という感じに続いていた。

 そしてロトムが目の前にニョキッと生えてきたニキニキをしみじみと観察した後に、ヒョイッと前脚で採取し出した。


 その隣ではセランとフェイが顔を出したニキニキをパクッと口にしていた。あんがい口にあったのか、伸び切ったニキニキと伸び途中のニキニキを食べ比べて、十センチくらいに成長したところで次々と食べだしたから、そのくらいがちょうど口にあったのだろう。


 こうなると俺はしゃがんで皆が採ってくれたニキニキを集めてマジックバッグへ入れて行く係になるのだが。そうなる前にスギナに似ているその姿が気になって、ユーラをおんぶしたままドワーフ達が作ってくれたスコップ片手に自分で一本掘ってみた。すると予想よりもはるかに早く、それ程掘ることなくすぐに根っこの先端に行き当たった。


 おおっ、スギナよりも茎?葉?がプクッとしているし、やっぱり同じじゃなかったか。確かスギナは根が凄く長くて、掘っても掘っても根が途中で切れてしまうことが多くて、またすぐに出て来る!って母親が良くぐちぐち言ってたもんな。ちょっとだけスギナならつくしもあるかな?って思ったけど、さすがにそれは無かったか。


 子供の頃に母親がつくしを煮びたしにしたりして春になると食卓に並んでいたのを思い出し、ちょっとだけ懐かしくもの悲しいような心地になってしまった。


 まあ、こんなファンタジー感たっぷりな草なんだし、その内つくしみたいなのも見つかるかもしれないな。ユーラのお陰で土地に精霊の力がどんどん満ちて来るだろうから、これからどんどん森に不思議植物が生えて来るよな!さて、俺も今の内に少しは採っておくか。色々料理で試してみたいしな!


 それから一時間もしない内に、小山のようなニキニキが集まった。今の時期にしか生えないそうだから、とりあえず全てマジックバッグへ入れておいた。どこまでこのマジックバッグの容量があるのかはまだ分かっていないけど、本当に助かるよな!




 ニキニキをひとしきり採った後も子供達のお迎えの時間までまだ少し時間があったから、シェロに教えて貰いながら様々な植物を採取をした。

 そうしてとうとう見つけたのだ。こんな近くにあったというのに、今まで気づかなかったのか!と脱力してしまったんだけどな!


『……本当にそれを食べるのですか?とっても刺激が強くて、一粒口に入れただけで涙が出るんですよ。集落でも確か若い頃に一度は度胸試しや罰に口にして、二度と食べたくないという物なのですが……?』

「そう、これをずっと探していたんだよ!なんとなく葉っぱも粒も違うような気もするけど、恐らく向こうの世界と同じように香辛料になると思うんだ!やったー!本当にありがとう、シェロ!」


 俺が一人で夢中で摘んでいるのは、そう、胡椒の粒の果実だ。

 胡椒はテレビで見たとおりに、木に絡んだ蔓性の植物に緑から赤、赤から黒へと変色途中の粒々な果実が下がっていた。

 なんとなく葉っぱの大きさが小さくて細いような気はするし、一つ一つの粒も大きいような気もするが、匂いを嗅いでみると胡椒のような芳香がしているから、乾燥させてから砕いて使ってみるつもりだ。


『えーー……。イツキ、そんなの食べるの?それ、すっごくツンとした匂いがするよ?そんなの私、食べられないよ』

『……私も食べませんね。口にするにはいい大きさですが、流石にこの匂いでは……。口にする鳥はいないのではないでしょうか?』


 ロトムやセランとフェイ、それにケットシーとクー・シーの子供達も遠く離れた場所から近づかず、クオンとライも絶対そんなの食べない!と少し離れた処で俺がウキウキと採取している姿を見て目を顰めていたが、そんなの今は気にしていられないのだ。


 やった!これで塩コショウが作れるぞーーーーっ!塩スープとはおさらばだな!


 ヒャッホーーー!と叫ばなかっただけでも俺を褒めて欲しいが、おんぶしていたユーラでさえも迷惑そうに手足をバタバタとしながら蹴られたので、まあ、無理な話なのだろうな。

 神獣や幻獣は味付きでも別に身体を壊すことはないが、やはり本能なのか刺激的なのは好まないようだ。アーシュは香辛料で味付けした焼き肉も美味しそうに食べていたから、身体の大きさで感じ方は違うのかもしれないけどな!



 ひとしきり胡椒を集め終え、家へ戻る途中でシェロがもう一つ不思議植物を見つけてくれた。

 それはファーナの木のような木で、ただ五日しか生えない訳ではなく、今の時期に芽を出して一季節かけて大きくなり、果実をつけると土へと還る木だそうで、夏の楽しみが一つ増えることになったのだった。






今日もすんなり書けました!(復調してきてますかね)

ただ土曜がやっと一度目の予防接種なので、また少し更新をお休みするかもしれません。

どうぞよろしくお願いします<(_ _)>


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