57 降りそそぐ祝福
「いい天気」
良く晴れ渡り青々とした空を仰ぎ、目を細める。
「「ティアーナさま、きれい!!」」
双子の元気な声に振り返る。
「ふふ。ありがとうございます。」
そう。今日は私の結婚式の日。
今世では恋はしないと誓っていたのに、こんな純白のドレスを着ることになるとは。
人生どう転ぶかわからない。
「「今日はおめでとうございます!!」」
「おとうさまも、準備できているようですよ。」
「一緒にいきましょう?」
「そうですか。では、行ってみましょうね。」
連れ添ってリュシアスの元へと向かう。
いや。普通、花嫁のところに花婿さんが来るのでは……?
ま、いいか。
「「おとうさまー!」」
「失礼します。」
部屋に入ると、そこには麗しい人がいた。
う、うつくしい……!!
白い衣装に身を包んだリュシアスは、それはそれは素敵な仕上がりです。
花嫁が霞むほどの美貌に、こちらの腰が引けてしまいます。
「ティアーナ。それに、ラファ、マルティも来たんだね。」
「「はい」」
「準備できました。お待たせしました。」
「あぁ。本当に綺麗だよ、ティアーナ。」
恍惚とした表情でそういうリュシアス。
いえ。でも、やっぱりあなたの方が素敵すぎです。
「いえ。リュシアス様の方が麗しいです。」
「またそんなことを言っている。
ティアーナの美しさと比較しようもないだろう。
さあ、行くよ。」
冗談だと受け取ったようですが、めちゃくちゃ本気ですよ?
手を差し出してくれるリュシアスに、自身の手を重ねる。
温かさに、嬉しさがこみ上げて、どうしようもなく口元が緩む。
「ふふ。うれしい。」
「そうか。私もとても嬉しいよ。ティアーナとやっとこうしてともに歩けるのだから。」
会場へと進んでいく。
ドキドキと高鳴る鼓動が、今日はむしろ心地いい気がする。
前世の記憶があるため、これが2回目の結婚式。
でもこの人生では初めての結婚式。
新たな門出を祝福してくれる人が多くいることに、また幸せを噛みしめる。
「これからも末永くよろしくお願いします。旦那様。」
「こちらこそ、奥様。」
パチンとリュシアスが指をならす。
すると、会場中に無数の薔薇の花びらが舞い散り始める。
ふわりふわりと舞い散る花びら。
様々な色が空間を埋め尽くし、芳醇な香りを周り中に広げていく。
そう、それは以前と同じような。
だがあの時とは少し違うそれ。
舞い散る花に、光が差し込み、きらきらと宙を舞っていく。
全てが祝福の空気に満ち溢れている。
リュシアスがにやりとこちらをみて笑う。
思わず笑みをこぼして、私もその瞳を見つめ返す。
そっと顔を寄せ合い、口づけをかわす。
幸せな時をいつまでもともに過ごせますように。
そう祈りながら、リュシアスの腕に包まれる。
温かな日差しが降りそそぐ。
嬉しいことも、悲しいことも、この先には色んな体験が待っているだろう。
でもこれからも、必ずこの腕があるのを確信している。
「リュシアス様、愛しています。」
「私も。ティアーナを愛しているよ。」
笑い合える人がいる日常。
幸福感に包まれる。
――――いつでも幸せはすぐそこに。




