side:リュシアス
前話の内容をやや変更しています。
リュシアスぽつーんは憐れすぎかなと……いや。結局はかわいそうなんですが。
投稿直後にのみ読んでる方は再読お願いします。お手数おかけします^^;
何を間違えたのだろう。
ダンスの途中から、ティアーナは表情を失くした。
いや、微笑みはしていたのだ。
だがいつもの笑顔ではなく、仮面のような笑顔をはり付けて。
お互い魅了されたように見つめ合っていたのに、あれから目を合わすことさえもしなくなった。
ティアーナに灯りつつあった熱は、影も形もなく、無くなってしまったように思えた。
体の奥でくすぶる熱が静まらないのに、いきなり冷や水をかけられたような気分だった。
きゅっと締め付けられる心臓。
もがいてももがいても一向に回復をみせず、苦しさにどうにかなりそうだ。
ティアーナの言葉を反芻する。
『私をあなたの色で染めないで。』
ティアーナは本気でそう思っていたのか。
あんなに求め合う瞳をしていたのに?
私の色を纏って、嬉しそうに微笑んでいたのに?
だから、いつまでも待つと告げた。
自分が死んだあとでもティアーナが思ってくれるならばうれしいと思って、するりと口から出ていた。
私にはティアーナ以外いない。
だから私は死ぬまで彼女を思い続けるというのは、もう決まっていることだ。
彼女を思うだけで、幸せな気分でいられる。
でも絡まりあう視線や、触れると火照る頬を見ていると、彼女に思いを返して欲しくなってしまう。
その強欲さがいけなかったのだろうか。
待つと告げた直後にティアーナの表情がなくなった。
彼女を縛るような呪いの言葉に聞こえたのだろうか。
私の思いの深さが、ティアーナには重過ぎたのだろうか。
……それとも、違う誰かのことを考えていたのか。
私以外の誰かに思いを寄せているのだろうか。
わからない。
けれども、思いを伝えずにただじっとしているつもりもない。
他の誰かに思いを寄せていても、私の思いを知ってほしい。
私の方を振り向いて欲しい。
もう君を手放せないんだ。




