side:リュシアス
リュシアス視点で書いてしまった前話の部分です。変更してます。内容も少し変えました。
「ティアーナ?」
リュシアスは約束通り、子どもたちの様子を見に来た。
子どもたちはまだきゃっきゃっと楽しそうに声を上げながら、遊具を遊びまわっているようだ。
だが、ティアーナの姿はそこにはない。
休憩スペースに目をやると、そこにテーブルに突っ伏して眠るティアーナを見つける。
「ここにいたんだね。」
リュシアスにふっと笑みが零れる。
綺麗で大人しそうな見た目とは違い、明るくはつらつとして時折大胆な行動をする少女。
15歳という年齢を感じさせない、包み込むような大らかさもある。
自分のほうがかなり年上だというのに、穏やかな笑みを見ると年上の余裕さを感じることすらあった。
子どもたちのように寄りかかって、包み込んでもらいたくなる。
かと思えば、子どもと一緒に遊びまわっていたり、こんな風にあどけない顔で寝て、子供っぽい一面も持っている。
今朝のそわそわとしている様子も、この寝顔も可愛くて仕方がない。
見た目だけで惚れたのだと彼女は言うけど、確実にそれだけではないと言える。
魔法道具をつくりたいと言い出したこともそうだ。
長年、様々な魔法道具を作り出してきた私も全く考えもしなかった分野。
こどもの遊び道具に魔法をくみこむとは。
様々な考えが飛び出してくる彼女に本当に驚くばかりだった。
思いもしなかった発想に触発されて、いつも以上に魔法道具づくりに熱がはいった。
楽しくてわくわくしてたまらなかった。
ただでさえいつでも一緒にいたいと思うのに、彼女と一緒に過ごす時間が一層恋しくなった。
リュシアスはそっとティアーナの髪をひと房掴む。
何物にも代えがたい、愛おしい存在。
こんなに短期間で、こんなにも思いが深くなっていくのは、自分でも不思議でならない。
けれどもとても自然なことのようにも感じる。
彼女とは前世でも強いつながりがあったのだろうか、と感じるほどに。
深くなる思いとともに、彼女の表情や感情もだんだんと分かるようになってきた。
楽しそうにしていても、どことなく満たされない目をしていることがよくあることに気づいた。
どこか遠くを見ているような、寂しそうな表情。
もっと親密になれば、その理由がわかってくるのだろうか。
無理にでも聞き出してしまいたい衝動をいつも抑えながら、彼女を見守る。
お願いだから、どうか一人で悲しまないで。
必ず私が君のそばにいるから。
いつか私が君の思いを変えてみせるから。
リュシアスはそっと掴んだ髪に口づけながら、また固い誓いをした。




