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【完結】男やもめに花が咲く~恋でお腹はふくれませんよ?~  作者: 蒼空苺


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24/68

21 悪役令嬢登場?!

リュシアス様にエスコートされながら馬車に乗った。

伯爵家へ初めて来たときもそうだったが、イケメンとの密室は息が詰まりそうです。

ただでさえ、ドキドキが止まらないままなのに。

追い打ちをかけてくるこの空気に、気を失ってしまうのではないかと心配になってくる。


……お願いです。そんなに見つめないでください。

穴が開きそうです。いや、もうどこか開いているかもしれません。

どこかから、私が漏れ出ているのではないか。

幽体離脱~!


違うからっ!!


こちらをずっと凝視しているのはわかっているが、目線を合わせる勇気がない。

窓の外の移ろう景色を眺めてやり過ごす。

……やり過ごせてないから、こんなに荒れているのだけど。


ちらりと目線をやれば、すぐにリュシアスの笑みが深まる。

そんなことを繰り返していれば、固まってしまうのは仕方がないのだ。

え。リュシアス様ってメドゥーサの目だったの?


……そんなわけない。


いや。まさしく素晴らしい魔法使い様ではあるので、もしかしたらそういう術をかけるのは容易いのかもしれないが。

魔法が使える者でなければ、魔法についての知識を得ることはできない。

どんなことができるのかは、一般ピーポーな私には未知数すぎる。

そう。前世同様に、魔法についてはwktk(ワクテカ)物件なのである。


はぁ。現実逃避もここまでか。

どうしても、目がリュシアス様に吸い寄せられてしまうもの。

また、ちらりと目線を向けてしまう。


本当にかっこいい。

正装した姿は一段と男前な仕上がりだ。

ロング丈の上衣は紫烏色(しうしょく)で、一見黒に見えるがほんのり紫色が混じっている不思議な色合い。金で縁取りされ、襟には金糸で蔦模様が描かれている。

白のシャツに、濃紫(こむらさき)色のベスト。そして、首もとには私のドレスと同じような藤色のスカーフが巻かれている。

彼と私の色を合わせてまとったよう。


……ドレスに合わせてくれただけよ。そうよ。


もうイケメンなのは、鉄板なのでいいです。

のーさんきゅーです。

早く着いて~! 早く終わって~!!



間もなく到着したが、永遠に着かないかと心配するくらい長く感じられた。

一気に老け込んだような心持ちだ。

いや、私まだ15なんだけど……。


リュシアスが先に馬車を降り、手を伸ばしてくる。


「さぁ、お手をどうぞ。お姫様。」


王子様きたーーー!!


いや。我が国には王政で、王も姫も存在しますから、不敬極まりないですよ。

お願いだから、控えてください。


「ふふ。姫なんて畏れ多いですわ。エスコートありがとうございます。」


「ティアーナは私の姫だから、間違いではないよ。では、いきましょうか。」


白い手袋をしたリュシアスの手をとり、ゆっくりと馬車を降りる。

伯爵様ではありますが、あなたは紛れもなく王子様です。


エスコートを受けながら、会場へと進む。

中からガヤガヤと話声が聞こえ、もう大勢の人が会場に訪れているようだ。


はぁ。やっぱり緊張するな。

こっそりうつむきながら、一度ゆっくりと深呼吸をする。


「緊張している?」


ささいな動きだったが、リュシアスにはその緊張が伝わってしまったようだ。


「わかりましたか?

そうですね。社交界に出て間もないですし、慣れていないものですから。

それにあなたが隣にいるので、余計に緊張してしまいますわ。」


「そうか。だが心配することはないよ。そんなに大規模な会ではないし。

隣に私がいるから、いつでも頼ってくれればいい。今夜はティアーナから離れないと誓ったからね。」


いや。聞いていますか、人の話。

あなたがいるから不安なんですよ。

確実に他の女性に睨まれるんだから。


「……そうですか。では頼りにしていますわ。リュシアス様の側を離れませんから。」


「ふふ。そうしてくれ。では、中へ行こう。」


嬉しそうに微笑まないで。

今から戦闘態勢に突入しなければならないのですから。

気を引き締めていきますよっ!



会場に足を踏み入れた瞬間、周りの音が一瞬静まった。

大衆の目が一様にこちらを見つめている。


うぅ……っ! 予想はしていたけど、思ってた以上よっ!!

胃が痛くなってきた……。

来たばかりなのに、もう回れ右して帰りたい衝動に駆られる。


皆からの注目を浴びながら、リュシアスにエスコートされてなんとか歩を進める。


「まずは、招待を受けた伯爵に挨拶に伺おうと思う。」


「……はい。」


頑張れ私。

自分を鼓舞して、何とか視線をやり過ごす。


「リュシアス様っ!!」


突然声がして、そちらを向くと一人の女性が近づいてきた。

真っ赤なドレスを身に纏った、妖艶な美女だ。

大きな緑色の目はやや吊り上がりぎみで、目力に迫力がある。

胸元が大きく広がったデザインのため、たわわな胸が協調されて視線が釘付け。

それを支える腰はきゅっと引き締まって、ほっそりとしている。

だが綺麗な赤髪は、まさかのツインの縦ロール。


この出で立ちは、まさしく悪役令嬢ではないかっ!!

わぁ~! まさか生で見られる日が来るなんてっ!

てかドリルすごいっ!!

攻撃性高そうな髪だわぁ。


ん? まって。もしかして攻撃されるの……私?


いやだーーーーっ!!

逃げてもいいですかー?!!



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