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第三話 暴虐の親子

早いもので、私が金髪ドリルパーマ少女になってから1週間が経った。


この金髪ドリル少女、名前はエマというらしい。

エマはクラーク家というそれなりにいいお宅の娘らしく、それはそれはお姫様のように育てられているようだった。


部屋の内装も服も誰の趣味だか知らないがゴテゴテのフリフリで、ベッドには天蓋までついている。服に至ってはピンクや白のフリフリレース服が多く、ロリータそのものだが、エマの眼光の鋭さとはまるでミスマッチで、見ているこっちが恥ずかしくなる光景だ。(まあ今は着ているのも私なのだけれど)

部屋には生意気にも豪華なドレッサーまであり、ドレッサーの上にはルビーにエメラルドにサファイアに真珠に…とにかくオモチャみたいなバカでかい宝石をあしらったネックレスが置かれてある。たかだか4~5歳児にやりすぎだと思う。どう考えても。


メイド達の反応を何日か見ていたけれど、皆一様にエマを恐がっているようだった。エマはかなり自由気ままにわがまま放題してきたらしい。

両親は多忙らしく家にいることはほとんどなかった。その代わりといっては変だけれど、エマのわがままをほとんど許しているようで、エマが罰を願えばその使用人はすぐどこかへ姿を消す…らしい。

どんだけ物騒だよ。…でもきっと、メイドさん達のあの怯えようを見るに、実際にそういうことがあったのだと思う。なんて末恐ろしい幼女だ。この子。

もはや災厄じゃん。


まあそんなことで、周りの様子を見ながら過ごしたこの一週間は、本当に色んなことがあった。


まず、最初に出会ってすぐ泣き出したメイドさんが、また私の前に現れて泣きながら土下座しはじめた。…もちろん速攻でとめて頭をあげてもらった。その時はよく分かっていなかったが、今なら分かる。エマの怒りを買ってクビになったり罰を受けるのが恐かったんだと思う。ごめんね、本当に。こんな子の下で働くのはまあ大変でしょうに。


その後、珍しく母と呼ぶべき?人が帰ってきて、例のメイドさんは玄関ロビーで晒し者にさせられたうえ、クビにされかけてしまった。ああ、はい。こういう事でしたのね、って感じ。もちろん、止めた。いやもう全力で止めた。なけなしの演技力をフル動員させて、小首を傾げながら「お母様!せっかく帰っていらしたのに、エマよりそのメイドを構うなんて酷いわ!」とか戯言をほざいたりした。


はあー!自分でやっててなんだけど、喉の奥からなんか出そう。猫の毛玉みたいなものが喉の奥に絡んでいるように、もぞもぞする。

わがまま放題だったエマがいきなりメイドの助命を乞うのは変だろうと出した苦肉の策だったが、そもそも私自身がそんなキャラじゃないので、メンタル的なダメージがひどい。まさか我儘ぶりっ子ロリっ子を演じる日がくるとは。思いもしなかったよ、はい。


私の苦肉の策は運良く上手くいったようで、母上様は私に付きっきりになり、メイドさんのクビは免れることとなった。元はと言えばエマのせいなのだから、メイドさんが助かるなら私のメンタルという犠牲など取るに足らないものだ。…なんで、私がエマの尻拭いをさせられているのか、少し疑問は残るけれども。


その後の数日は、母上様の着せ替え人形となった。

母上様は王都から買い付けて来たというフリフリにレースにリボンがこれでもかと付いた服を山ほど積み上げて、鏡の前に私を立たせ、あれも似合うこれも似合うわと目をキラキラさせて喜んでいた。


私がこの時思っていたことは、読者のあなたと同じようなことだ。………この部屋中の無駄な豪勢さとフリフリの原因、お前か!と。

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