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ステゴミア家の仁義なき闘い

 ピピエンスとの通信を終え、アルボは満足気に少し背伸びをする。

「これでアルボはパレンスをはじめとしたピピエンス家から、生気を融通することはできないね」

 そして上着のポケットに隠していた、細い三日月のネックレスを着ける。

「続いて、本来の私がパレンスに連絡して…」

「で、まんまと自分だけ生気を融通してもらうつもり? アエデス・ステゴミア・フラボ」

 突然背後から自分と良く似た声が聞こえ、ぎこちなく振り替えると、鏡かと見紛う瓜二つの人物がいた。

 首のネックレスが鱗型なのが、唯一の相違点と言っても良いくらいである。

「あ……アルボ」

「当主の屋敷に来たと思ったら、勝手に私の部屋に入って、何しているのかな?」

 こみかめに青筋たてつつ本物のアルボが、アルボに扮してパレンスに通信していたフレボに詰め寄る。

「当主のあなたの代わりに、クレックス・ピピエンスの現当主、パレンスに生気の譲渡要請を…」

「私に扮して、相手の機嫌を損ねるような態度をする必要はないでょうが!」

「チッ…聞いてたのか」

「パレンスから私個人宛に苦情が入って知った。全く何て事をしてくれた!」

 そう言い頭を抱えるアルボを、フレボはニヤつきながら一瞥する。

 ここ数年の間に、フレボの眷族の分布域は、アルボの眷族の分布域に押しやられる一方で、フレボはなんとか奪回したいと虎視眈々と機会をうかがっていたのだ。

「フフ…これでアルボに奪われた領域を一気に奪還して…」

「……それは無理ね」

「強がりを言って。私はピピエンス家から生気を譲渡してもらって、一気に…」

「それが無理だって」

 そこで言葉を切り、怪訝な表情を浮かべるフレボに視線を向けるアルボ。

「パレンスから、少なくとも今期は、ピピエンス家からステゴミア家への生気の譲渡は一切しないと、通告があったの」

「……まさか、ステゴミア家全員が対象?」

「そう」

「それって、私も含む?」

「そう!」

 しばらく思考を停止するフレボ。

「私の計画があああ! 何故そうなった!」

「全部あなたのせいでしょうが! 短気なパレンスに、必要以上に煽りすぎなのよ!!」

「どうすんの! どうすんだよ!」

「こっちが聞きたいわ!」

「解決策ならありますよ」

 ヒートアップしつつあるアルボとフレボの会話に、二人に良く似た女性の声が聞こえた。

「エジプティ」

「どうしてここに?」

 名を呼ばれたエジプティは、4筋の銀髪が目立つ黒髪を手で鋤きあげ、優雅に背へと流す。

「私たち三位一体の究極魔法、『エターナル・プラム・レイン』を発動すれば良いのですわ」

 そう言い、アエデス・ステゴミア・エジプティは妖艶な笑みを浮かべた。

○Aedes (Stegomyia) flavopictus

 和名:ヤマダシマカ

 東アジアの温帯~亜寒帯に分布

 日本でヒトスジシマの居ない北海道にも分布

 近年、ヒトスジシマに分布域を侵食されている

 主に卵で越冬する

 昼間吸血性の白黒の縞の蚊

 ヒトスジシマと形態が酷似している

 人を好むが色々な動物を吸血する

 媒介する主な感染症:

  感染実験でヒトスジシマと同様のウイルスを

  媒介できるとされる

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