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8話

「武器も選び終わったことだしコウの魔力が回復するまで何も出来ないね。とりあえずは3日間ほど出掛けるからゆっくりしてるといいよ。帰ってきたら模擬戦と武器の鑑定をしようか」


 男は黒い外套を被りながらコウに言う。


 この安全な家から出掛けると言っているので死の森を安全に抜け出す方法がどうやらあるらしい。


「分かってるって。家の中にいれば良いんだよな?そういえば何処に行くんだ?」


 コウは家に入るドアノブに手を掛けながら男へと何処へ行くのかと聞く。


「そうだね。家の中に居てくれると私としては安心かな。そろそろ食料が少ないから買い出しに行こうかなって」


 森から抜け出すには最低でも1日掛るようでコウとしてはその間は無防備状態になる。


 男にしてみればコウが間違って檻の外に出るよりかは、家の中に居て大人しくして貰っていたほうが安全であり、間違いないので家の中にいてほしいのは当然だろう。


「ご飯とかどうすれば良いんだ?お風呂は?トイレは?」


 男のいない間、コウは一人暮らしのような生活をしないといけない。


 高校生だった頃は親がいたので生活に関係してくれることは大体してくれたが、ここにはもう前のように頼れる親は居ない。


 現状この世界で唯一頼れるのはこの男のみであり、1人でいることに多少の不安を覚える。


「生活面は申し訳ないが頑張ってくれ。食事はパンやらを出した棚があるだろう?そこから出して調理して欲しい。トイレもお風呂も別の部屋にあるからまた確認しておいてくれ」


 全てを早口で言いながら男は黒い檻の前に立つと空間がぐにゃりと曲がり、いなくなってしまう。


 1人取り残されたコウは溜息を付きながら「もういいや」と一言呟くと、家の中の確認をするのであった...。


「さて...家の確認をするか」


 男が家に帰ってくるまで3日は時間がある。


 コウはその間一人暮らしのような生活をするようになるのだ。


 高校生だったためか実際一人暮らしというものをしたことのないが、ご飯についてはまだ親が作っている料理を手伝いしていたこともあり、餓死することはないだろう。


「とりあえず風呂場とトイレを探さないとな」


 どこに風呂場やトイレがあるのだろうか?


 近くにある1個目の部屋のドアを開けると棚があり、そこの上には服やタオルが置いてあるのが分かる。


「ここは脱衣所か...とすれば風呂はこの奥だな」


 脱衣所の奥には扉があったのでそこを開けると湯気がムワッと出てきたため予想通りお風呂になっており、そこそこの快適に入れるような広さもあった。


 シャンプーボトルなどは無いが石鹸みたいな白い固形の様な物もあり、中世の様な世界なので衛生面を心配したがとりあえず風呂があるなら大丈夫だと安心する。


「風呂はとりあえずは安心だな。次は肝心なトイレだ」


 先程も言ったように、この世界は中世に近しい世界だ。


 もしかしたら溜めて捨てる感じのトイレなのかもしれないと予想する。


 そして今まで使っていたペーパーじゃなくて布でお尻を拭いたり、最悪の場合は藁で拭いたりしているかもしれない。


 そんなトイレは御免こうむるのだがしょうがないのだろうと思い、次のドアを開けるとそこには想像と違うものがあった。


「なんだこのトイレは...というかトイレなのか?」


 見た目は今まで使ってきたトイレに近い見た目をしてるのだが、水を普段溜めている部分には水色の青い玉みたいなものが便座からはみ出ていたのである。


 水色の青い玉の部分を触ってみるとプヨプヨとしていて感覚としては弾力のあるゼリーの様な感じだ。


 周りを見ても布や藁などは無く、ただトイレの水の部分から青いプヨプヨとした玉が出ているだけでありトイレの使い方が全くわからない。


「...座ってみるか?」


 男にもう少し詳しくトイレや生活面の話を聞いておけば良かったと後悔するコウだが、時既に遅し男は出掛けてしまった。


 しょうがないと思いつつ青い玉の部分に座ってみると腰が半分程沈みこむ。


 暖かくも冷たくなく感覚としては常温の大きなゼリーに入った様な感覚だった。


「なんだこれ...ここでしても良いのか?」


 疑問に思いつつ用を足すと排泄した物が青い玉の下に吸い込まれていく。


 そして腰を浮かせ青い玉から出ると自身から出た排泄物の匂いがしない。


 しかも拭く必要も無くさっぱりとした状態で用を足すことができた。


「おぉ...なんだこの便利なトイレは」


 コウは初めての異世界で前の世界より、こんな便利なものがあると感心するのであった...。

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