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731話

 野営が出来るような場所を見つけ、夕食も終えたコウやライラは黙々と片付けをしながらゆったりと身体を休めており、フェニも腹を満たすことが出来たということで、既にすやすやと寝息を立てつつ、身体が大きく膨らんだり小さく縮んだりしていたりする。


 そして流石にそろそろ自身の目的や生まれについてなどを打ち明けるべきだと思い、コウは話しておきたいことが少しあると、重い口開きながらライラに伝えていくことにした。


「話ってなんですか〜?」


「いやまぁ俺が何でこの死の森の調査に参加したのか一応言っとこうかなって」


「確かに理由は聞かなかったんですけど調査とかに参加するのはコウさんにしては珍しいですよね〜」


 どうやらライラはコウがこのような調査に参加するのは珍しいとは感じていたようなのだが、きっと何かしら理由があると思い、そのことについて自身からは何も聞かないようにしてくれていたみたいである。


「実はここは俺の生活してた土地でもあるんだ」


「どういうことですか~?ここは死の森ですよね~?」


 それはそうだ。普段高ランクの冒険者達でもあまり立ち寄ることのない場所と言われている死の森が生活していた土地といきなり言われても疑問に思うのは当たり前といったところだろうか。


「ここの前層のある場所に俺の実家みたいなのがあってそこで父さんと生活してたんだよ」


「もしかして以前別行動をした際に向かった場所って~...」


「この死の森だな。あと今向かってるのは俺の住んでた家ってことだ」


「あ~だからコウさんは調査を受けたんですか~。他の冒険者達に実家を荒らされたくはないですもんね~」


 そんな話を聞いたライラは察しが良いのか、コウが何故生活していた家に向かうのかについても理解しているようで、答える必要もなさそうであった。


「でもなんでこんなところでコウさんは生活していたんですか~?」


「それは俺の生まれも関わってからかな。俺の生まれについては...」


 すると今度は何故、こんなところで生活していたのか?について聞かれることとなったため、コウは自身の生まれについてビビから聞いた内容をライラに話していくこととした。


 まぁここまで話したのだから自身の父方が帝国の元貴族であり、母方が魔族であることを伝えたとしてもライラであれば、全てを受け止めてくれるような気がするため、問題はないだろうか。


「コウさんが半分魔族ってことなら何となく分かってましたよ~?」


「え?」


「ビビさんとの会話を聞かないようにはしてたんですけど少し耳に入っちゃって~ずっと言ってくれるのを待ってたんですよ~」


 そして全てを話し終えると、どうやらライラはコウが半分ほど魔族の血が流れていることを元から知っていたようであり、どうして知っているのかと不思議そうな顔を浮かべると、ビビとの会話内容を聞いたという答えが返ってきた。


 そのため、コウがちゃんと話してくれるまで待ってくれていたようで、ようやく全てのことについて話してくれたことが少しだけ嬉しい様子であり、自身としてもずっと胸のうちに秘めて黙っていたことだったため、何だかスッキリとしたような感じがした。


 それにしても聞かないようにしてくれたとはいえ、近くに居たのだからビビとの会話内容が耳に入ってしまうのは当たり前であり、今まで自身が黙っていたことが何と言うか間抜けなものだと思ってしまう。


「それにしてもその話は他の人にしたこととかありますか~?」


「いや今のところはライラだけだな」


「むふ~そうですか~では今は2人だけの秘密ですね~」


「何なんだよ...」


 そんなことを思っていると、今度はライラから誰かに自身の出生について話したりはあるかと確認されたので、誰にも話していないと首を横に振りながら伝えると、何が嬉しいのか分からないが口元を歪ませてニヤニヤしだすではないか。


 何と言うか女心というのは全く持って分からないものである。


 とりあえず夕食後の片付けや話すべきことについて全て終えたということで、コウ達は翌日から再びハイドと共に生活していた家に向かいつつ、死の森の調査を行うことに備えて早めの就寝をすることとするのであった...。

いつも見てくださってありがとうございます!


次回の更新予定日は多分9月27日or28日になりますのでよろしくお願いします。

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