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729話

 ということで、コウ達や他の冒険者達は死の森へ調査をするために足を踏み入れた訳なのだが、各々は自身達がやりやすいように散らばっており、既に周囲には誰もいなかった。


 それにしても帰省をした時ぶりに死の森へ足を踏み入れたのだが、どんよりとした重苦しい空気のようなものが漂っており、不気味さがいつにも増しているような気がしないでもない。


 さて...ではまずこれからどうするべきかだろうか?


 いやまぁこれからどうするのかといっても、まずは死の森の調査をしなければならないと頭の中で理解はしているのだが、そんなことよりも個人的にはまずはハイドと生活していた生家へ向かい、他の冒険者達に荒らさないよう監視しておきたい気持ちもあったりする。


「早速調査をしますか〜?」


「そうだな。とりあえずサボっててもあれだしやるか」


 とはいえ、今回訪れた目的は死の森の調査であり、ライラから早速調査をするのかと聞かれたということなので、ここは普段から周囲の地形の変化や魔物が群れたりしていないかを知るためによく扱う氷の鳥を作り出していくべきだろうか。


 ただ死の森は前層、中層、深層と広く分かれており、奥に進めば進むほど高ランクの魔物が彷徨いているせいで、調査に向かわせた氷の鳥もすぐに壊されてしまうため、個人で全てを把握するにはだいぶ難しいといったところ。


 まぁ期間は2週間とたっぷりとあり、他の冒険者達も調査を行うので、深層までとは言わないが、それなりに死の森の内部を調査は出来る筈。


 ということで、手始めに軽く死の森の内部を調査するためにコウは氷の鳥を作り出していくことにし、魔力を足元に込めると、周囲の木々に氷の鳥達が姿を現し出す。


「キュイ!」


 傍から見れば魔物に囲われているようにも見れなくはないだろうし、キラキラと光が反射して幻想的な景色にも見えなくもない。


 またフェニは自身と同じ姿をした氷の鳥達が作り出されていく光景に仲間が増えていくように見えているためか、嬉しそうに氷の鳥達の周りを飛び回っていたりした。


「よし...こんなもんでいいだろ。後は頼んだぞ」


 そしてある程度作り出し、コウは氷の鳥達に対して大雑把に指示を出すと、氷の鳥達は止まっていた木の枝から一斉に飛び立っていき、キラキラとした軌跡を空中に残しながら死の森の中へと散っていく。


 まぁこれでとりあえずはここら一帯を氷の鳥達が飛び回ることによって、何かしら特殊な地形の変化や魔物の群れなどに近寄れば、コウの下へ情報が伝わる筈である。


「暫くは待ちですか〜?」


「そんな感じだな」


「どうします~?自分達で歩いて調査もしますか~?」


 ふむ...とりあえずこれで調査は自動的に行われるが、確かにこの場で足踏みしたところで何の意味も無いと言えるだろうか。


(ここから家に行くにしても時間は掛かるだろうし歩くのも悪くないか...)


 そうえいば、ここからハイドと共に生活していた生家に向かうとしても約2日間ほど時間が掛かるため、調査と称して死の森の中を歩くのも悪くないかもしれない。


 とはいえ、ハイドと共に生活をしていた生家にいきなり到着したとしても事情も何も知らないライラからしてみれば怪しい建物に見えてしまう筈である。


 そのため、どこかしらのタイミングで自身のことについてなどをそろそろ打ち明けたりしないといけないだろうか。


「とりあえず魔物に気を付けながら見落としがないか見て回るか」


「そうしましょ~」


「キュ!」


 そんなことを思いつつ、コウはライラに見て回ると返事を返し、収納の指輪の中からハイドと共に生活していた生家に向けて方向を示すことが出来る簡易的な方位磁針の魔道具をこっそりと取り出すと、魔力を込めて確認しながら歩き出すこととするのであった...。

いつも見てくださってありがとうございます!


次回の更新予定日は多分9月19日or20日になりますのでよろしくお願いします。

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