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721話

 家から出たコウはローランの街中を目的もなく歩き回っている際、何となく深呼吸してみると、肺の中を朝の澄み切った空気が満たした。


「やっぱ店も何も開いてないな」


 また街中を暫く歩くと、太陽がようやく顔を出し始めたのだが、やはりまだ朝の時間帯が早いということもあってか、そこらに構えているお店や路上に並んでいる屋台は開いておらず、閑静な街中となっていた。


 そんな閑静な街中をぶらぶらと歩いていると、特に目的地として予定してもいなかった真っ白な外壁を持つ教会が目の前に現れたではないか。


「教会ねぇ...」


 コウとしては神という存在を信じていないのだが、ここは悩みがあれば訪れる人も多い場所であり、そんな自身も今は頭を悩ませている人達と同じということで、今のところぴったりな場所と言えるだろうか。


 ということで、時間もまだまだ余っているため、自身の気まぐれではあるが、教会の中へ入ることとし、そのまま目の前にある真っ白な外壁を持つ教会に向けて足を運ばせてみることにした。


 そんな教会へ辿り着くと、扉を開けてそのまま屋内にへ入ったのだが、そこは人の手で建てられた建物とはいえ、荘厳な光景広がっており、天井に取り付けられた大きなステンドグラスからは朝日がキラキラと乱反射しながら差し込み、3つ像を照らしているではないか。


 そしてそんな教会内には朝早くというのに意外にも訪れている人達が多くおり、きっと彼らは気まぐれで教会内に入った自身と違って信仰心が深いのかもしれない。


 それにしても彼らが祈っているこの世界の神はどの様な存在なのだろうか?


 まぁそのようなことを知る機会はこの世界で生きていく過程であまり無かったので、もしかすると知るには今が丁度良い機会といえる。


 そんなことを考えながら教会に入ってすぐの場所で荘厳な光景を眺めていると、この教会の神父と思われる白髪の男性が近づいてくることとなった。


「おやおや?子供だというのに偉いですね。お祈りでもしにきたのかな?」


 どうやら神父から見てみればコウは信仰心のある熱心な子供だと見えるらしいのだが、残念ながら気まぐれで訪れただけで、信仰心は全くもってないため、そう思われるのは何だか申し訳ない気持ちになってしまう。


「いや偶々朝早く起きて何となく歩いてたら着いただけだ」


「おや?そうでしたか。でしたらこれは神の御導きかもしれませんよ?」


 一応、信仰心がありますなどと、しょうもない嘘を付く気は更々ないので、ここは素直な気持ちで偶々訪れただけと答えると、神父からはもしかすると神の導きかもしれないと言われた。


 そう言われてみると、確かにそう捉えられなくもないような気がしないでもない。


「じゃあ知る機会が無かったし神様について教えてもらってもいいか?」


「勿論ですとも。信仰者が増えるのは喜ばしいことですからね」


 ということで、コウは信仰されている神について詳しいであろう神父に聞いてみると、和かな表情をしながら色々と教えてくれることとなった。


 さて...神父から教えてもらったこの世界で信仰されている神は3人いるらしい。


 武の神ガウアー。


 知恵の神セレズ。


 そして最後に王神のストレーム計3人のようだ。


 そしてそんな3人の神が基本的に信仰されている訳なのだが、人族の間で最も信仰されているのは王神ストレームとのこと。


「じゃあ悩み事があるならそのストレームって神様に祈るのが正解なのか?」


「そうですねぇ...悩み事でしたら知恵の神であるセレズ様でしょうか?」


 そしてそんな4人の神の内、悩み事があるのであれば、人族の間で1番信仰されている王神ストレームに祈れば良いのかと聞いてみると、どうやら知恵の神のセレズに祈った方が良いという答えが神父から返ってきた。


「ふぅん...色々教えたくれてありがとな」


 ということで、教えてくれた神父にお礼を伝えつつ、コウは知恵の神セレズに対して悩み事を解決する道を示して欲しいと思いながら両膝をその場で付くと、左右の掌を合わせて目を閉じ、祈りを捧げてみることにするのであった...。

いつも見てくださってありがとうございます!


次回の更新予定日は多分8月21日になりますのでよろしくお願いします。

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