695話
交流会のお誘いの手紙が届いてからというもの参加する旨の手紙をコウ側から送り返すと、後日には日程が記載された手紙と交流会の招待状が届いた。
そのため、日程が記載された手紙に向けて旅の準備しつつ、馬車の手配も終えると、コウ達は予定に合わせて王都へ向かうこととなった。
ちなみに王都に向かう道中ではウルフ系の魔物などに襲われたりしたが、コウ達にとっては特に問題にすらならず、予定通り王都へ到着すると、時間帯も丁度良かったということもあって、招待されたディルの屋敷へと向かった。
そしてディルの屋敷付近へ到着すると、そこには他の参加者と思われる人々が見たことあるような魔物や見たこともない魔物を引き連れながら招待状を片手に手続きを済ませ、敷地内へ入っていくのが見えた。
ということで、他の参加者と同様に招待状を入口の門番に見せてコウ達も敷地内へ入っていくと、そこはイザベルと屋敷にある庭と同じくらいには広々とした庭が広がっており、その中心部には多くの参加者や従魔などが集まって今回この場所へ招待をしてくれたディルを囲んでいたりする。
それにしても普段生活していても周りで従魔を引き連れているような人は見かけないというのに、一体何処で生活していたのかと思うくらいには集まっているため、コウとしては少しだけ驚きを感じていた。
「多くの人に囲まれてますね〜」
「キュ!」
「みたいだな」
「それにしても私には従魔がいないので少し羨ましいです〜」
そんな多くの従魔を引き連れている人達を見たライラは自身に相棒となるような従魔がいないということもあってか、少しだけ羨ましそうにしていたりする。
そのため、ライラにも相棒となるような従魔を見つけてやりたいと感じてしまうが、そう簡単に見つかるようなものではないので、そこはいつか目の前に現れることを祈ることしか出来ないと言えるだろうか。
そして少し離れた位置でコウ達は立っていると、多くの参加者や従魔に囲まれていたディルがこちらの存在に気付いたようで、人混みを掻き分け、こちらに向かって手を振りながら近づいてきた。
「久しぶりだね。皆んなが来てくれて嬉しいよ」
「お久しぶりです〜」
「キュイ!」
「久しぶりだな。招待してくれてありがとな」
ということで、お互いに軽く挨拶を済ませると、今度は何処からともなく、ディルの相棒であるルーがこちらに向かって飛んできたのだが、コウの肩に乗っていたフェニも気付いたようで、嬉しそうに青空広がる空へ飛び立っていく。
そして空高くまで一緒に飛んでいってしまったので、きっと久々の再開ということもあり、お互いに積もる話などがあるのかもしれないので、呼び戻すのではなく、暫くの間は自由にさせておいた方が良さそうである。
「そういえば交流会って何をするんだ?」
「んー...招待した人が集まり次第王都の外に出てお互いの従魔同士を遊ばせたりしようかなって」
そんな楽しそうに空を飛ぶフェニとルーを見ていたコウはそういえば今回の交流会は一体何をするために従魔のいる人達を集めたのか?とディルに聞いてみると、どうやら王都の外に出て従魔同士を遊ばせたり、他の参加者と交流を図るのが今回の目的だったようだ。
まぁフェニにとっても息抜きになりそうだし、コウも自身以外の従魔を持つ人々に興味があるかないかと聞かれればなくはないので、有り難い企画と言えるだろうか。
ということで、今回の交流会に招待された参加者が全員集まるまで、コウ達は他の参加者などと少しだけ交流を深めつつ、王都の外へ出発する時間まで待つことにするのであった...。
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