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686話

「全くもう...これからは悪戯をしないで下さいね!」


「...分かった分かった。次から気を付けるって」


 さて...サーラへの悪戯が成功してからというもの、しっかりと説教をされた訳なのだが、即座に謝罪を行ったということもあり、今回はすんなりと許してもらえることとなった。


 そしてサーラに次からはしないようにと釘を刺され、コウは次から気を付けると口にするも、まぁ数日もすればそんな約束もきっと忘れてしまうだろうか。


「で...コウさんは何しに来たんですか?ただ悪戯をしにきたわけではないんですよね?」


「あぁそうだ。この間話してたダンジョンのがどうなったのかを聞きに来たんだ」


「あー...その件ですかー...」


 そんなやり取りがひと段落すると、今度はサーラから今日は一体何しに来たのかと聞かれたため、コウは今回、冒険者ギルドへ訪れた目的を一通り話すことにした。


 するとサーラは神妙そうな面持ちで何やら言い淀んでいた様子だったため、何かしら追加で問題が起こったりしたのではないだろうかとコウは思ってしまう。


「何かあったのか?」


「うーん...調査に向かった冒険者の方々がまだ戻ってないので何とも言えないんですよねー」


 そのため、コウは何かあったのかと詳しく聞いてみると、どうやら多くの冒険者に調査の依頼をしているのだが、未だに帰ってこないということで、何の情報も得られていないらしい。


 まぁまだそのダンジョンが消えてしまったという情報が冒険者ギルドへ通達されてから日が経ってないからというのもあるのだろう。


「どれくらいでその冒険者達は帰ってくるんだ?」


「それも分かりませんねー何か分かったら戻ってくるとは思うんですけども」


 ともかく、調査に向かった冒険者達は当分戻ってこないようなので、暫くは消えてしまったダンジョンの情報は得られないだろうと思われる。


「あっ...そういえばコウさんにお渡しする物があるのを思い出しました」


「渡す物?」


「少しだけ待ってて下さいね」


 そしてそんなことを話していると、そういえばサーラは何かをコウに対して渡す物があるといったことを思い出したようで、座っていた席を立つと、そのまま後ろの部屋へ行ってしまった。


 そのため、何を渡されるんだろうと思いつつ、暫くの間待っていると、後ろの部屋からすぐに戻ってきたのだが、カチャカチャと金属が擦れるような音を立てる茶色の小袋も一緒であった。


「あぁもしかして素材を買い取ってくれた時の代金か?」


「よく分かりましたね。これが冒険者ギルドで買い取った代金となります」


 最初は何の小袋なのか?と思ったのだが、そういえばここ最近、解体倉庫から冒険者ギルドへ解体した蟹の魔物の素材を流してもらったことをコウは思い出し、買い取ってもらった時の代金のことだとすぐに理解した。


 ということで、コウはサーラからお金が入った小袋を手渡されると、そのまま収納の指輪の中へ仕舞い込んでいき、これで今回冒険者ギルドへ訪れた目的は全て果たすことが出来たと言えるだろうか。


「さてと...じゃあお腹も空いたしもう行こうかな」


「お昼をまだ食べていなかったんですか?」


「まぁずっと家でゴロゴロしてただけだったからな」


「もー...コウさんはもっとちゃんとした生活をした方が良いですよー」


「うぐっ...分かってるって...じゃあな」


「また依頼を受けたい時は来て下さいねー」


 そしてお昼前ということもあって昼食はまだ食べておらず、丁度お腹も空いてきたため、そろそろ冒険者ギルドから出ていく旨を伝えると、サーラからきちんとした生活を送ったほうが良いといったことをまるで実家の母のようにチクリと言われてしまう。


 そんな正論を言われてしまったコウはサーラに対して言い返すことは出来ず、尻尾を巻いて逃げるように別れの言葉を告げて冒険者ギルドから外に向かって出ていくことにするのであった...。

いつも見てくださってありがとうございます!


次回の更新予定日は多分5月2日になりますのでよろしくお願いします。

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