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681話

「なんか汚いな...」


「聞こえてますよ~!女の子にそんなこと言わないで下さい~!しかも私頑張ったんですよ~!」


 さて...無事に蟹の魔物を倒すことが出来た訳なのだが、功労者であるライラを見てみると、体液と肉片などで身に纏う修道服が汚れており、そんなコウはつい余計な一言を小さく呟く。


 するとそのコウの小さく呟いた余計な一言がしっかりと聞こえていたのか、ライラはこちらへ不満気な表情と共にコウが作り出した凍った水面の上を歩き、急ぎ足で近寄ってくるではないか。


「悪い悪い。とりあえず汚れを落としてやるから」


「まったくも~...」


 そのため、こちらに戻ってきたライラにコウは謝罪しながら、水魔法を駆使して汚れを落とすために楕円形の形をした水の膜のようなものを作り出していくことにした。


 それにしてもライラのことをよく見てみると、汚れで気付いていなかったが、蟹の魔物の体液によって修道服が肌に張り付き、体型などが目に見えて分かるため、何と言うか目のやり場に困ってしまう。


「どうしましたか~?」


「いや...なんでもない。早く汚れを落としたほうが良いぞ」


「それもそうですね~」


 ということで、コウは目を逸らしながら遠くの水平線を眺めながら、汚れを落とすための水の膜のようなものを作り出し終えると、ライラへ汚れを落とすようにと促すことにした。


 するとライラはそのままコウが作り出した水の膜を通り過ぎ、修道服に付いていた蟹の魔物の肉片や体液などの汚れを取り払っていく。


「ふぅ~...さっぱりしました~ありがとうございます~」


「ん?あぁ終わったんだな。フェニもお帰り」


「キュイ!」


 そしてコウは目を逸らしながら遠くの水平線を眺めていると、汚れなどを綺麗さっぱり落とし終えたのか、ライラから声を掛けられたので、指を鳴らして汚れを吸い取った水の膜を消すことにした。


 ただ蟹の魔物の汚れが取れたとはいえ、ライラの修道服は水分を含んでいるのか、まだ肌に張り付いているようで、漁村に変える前に何処かで着替えをするなり、乾かしたりをするなどをした方が良いだろうか。


「やっぱりコウさんの魔法は便利ですね~」


「まぁ俺もそう思う...ってなんでライラは赤いオーラを出し始めたんだ?」


「あ~これは服を乾かすためですね~」


「なんか俺の魔法よりも便利そうだな...」


 それにしてもライラは蟹の魔物の汚れが取れたというのに赤いオーラを再び出し始めたので、何故かと理由を聞いてみると、どうやら身体や衣服を強化するだけではなく、熱を持っているため、衣服を乾かしたりすることも出来るようだ。


 それを聞く限り、自身の扱う魔法よりも便利なのでは?と思ってしまうが、隣の芝生は青く見えてしまうというのはこういうことなのだろう。


「とりあえずあの蟹を回収してくるから乾かしててくれ。フェニも大人しく待ってろよ?」


「わかりました~フェニちゃんは私と一緒にいましょうね~」


「キュ!」


 ということで、とりあえず倒した蟹の魔物を回収しないといけないため、コウは2人に待つようにと伝えると、凍った水面の上を歩きながスプラッターな状態となってしまった蟹の魔物の下へと向かうことにした。


 そんな蟹の魔物の下へと辿り着くと、汚れていない甲殻部分に手を置き、コウは収納の指輪の中へと収納していく。


 とりあえず脅威となっていた蟹の魔物を無事に倒し、回収することが出来たので、これからハートシーリングという海産物を漁師達が安全にこの入り江で獲ることが出来るようになったと言えるだろうか。


 とはいえ、今のところ蟹の魔物の脅威を取り払ったという情報についてはコウ達しか知り得ない情報なので、ここは漁師達に伝えなければならない。


「どうだ?服は乾いたか?」


「勿論乾きましたよ~」


 そして蟹の魔物を回収し、待たせていたライラ達の下へ戻ると、服は意外にも早く乾かし終えているようで、いつでも漁村に戻ることは出来るとのこと。


「じゃあ漁村に戻るか」


「そうですね~」


「キュ!」


 ということで、ハートシーリングを獲ることが出来ていなかった漁師達へ入り江付近に居座っていた蟹の魔物を倒したことを伝えるために一度、コウ達は漁村へと帰ることにするのであった...。

いつも見てくださってありがとうございます!


次回の更新予定日は多分4月17日になりますのでよろしくお願いします。

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