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677話

 漁村にある宿へ泊まってからというもの翌日の少しだけ早い朝。


 宿の一角にある酒場にて朝食を済ませたコウ達は早速、新鮮な魚介類を手に入れるため、漁村にある市場へと繰り出していた。


「それにしても意外と良い部屋でしたね〜」


「結構過ごしやすかったし、あれで銀貨5枚なら悪くないかもな」


「キュイ!」


 そんな市場へ向かう途中では泊まった宿について話していたのだが、料金の割には置かれているベッドなどが上質な物だったということで過ごしやすく、かなり満足度の高い宿ではあった。


 しかも昨日の夜に食べた夕食やそれこそ先程食べた朝食についてもそれなりに美味しく、そんな良い宿を紹介してくれたあの御者には感謝の念でも送るべきだろうか。


「そういえば新鮮な海産物って何を買うんでしたっけ~?」


「確か種類は指定されてたよな。依頼書に書いてあった筈...」


 そしてライラから何の海産物を購入をする予定だったのかと確認されたため、コウは収納の指輪から指定された海産物が書かれている依頼書を取り出し、じっくりと目を通していく。


「ハートシーリングって名前の海産物っぽいぞ。ありったけ買って欲しいって書いてあるけどどれだけ買えば良いんだろうな」


「確認してくれてありがとうございます~聞いたことのない海産物ですね~」


 その依頼書に書かれていたのはハートシーリングという名の海産物であり、名前が異国風ということもあってどのようなものなのかさっぱり想像つかないが、それはライラも同じようで首を傾げていたりする。


 まぁどんなものか想像つかないのであれば、そこは海産物を取り扱っている市場の人間にでも聞けば良い筈なので、きっとすぐに見つかるだろうか。


 ということで、コウ達は様々な海産物がザッと並べられた市場へ到着した訳なのだが、そこでは漁師達が自身の採ってきた海産物を売り込むために大きな声で客引きをしていたりする。


 そんな市場では色々と海産物が並べられているため、あちらこちらに目移りしてしまうが、とりあえず目的の海産物を手に入れないといけないので、コウ達は市場の一角にある店頭へ近づき、店番をしている漁師へ目的の海産物がここに置いていないかどうかを聞いていくことにした。


「ちょっといいか?ここにハートシーリングって名前の海産物を取り扱っていたりしないか?」


「ん?そいつは取り扱ってないな」


 そして漁師にハートシーリングという名の海産物は取り扱っていたりはしないかどうかについて聞いてみると、残念なことにコウ達の目的としている海産物を取り扱っていないとのこと。


「そうなのか...じゃあ他で取り扱ってる店は知らないか?」


「坊っちゃんには悪いけどそいつを誰も取り扱ってないと思うぞ」


「え?どういうことなんだ?」


 そんな漁師に詳しい話を聞いたのだが、掻い摘んで話をすると、どうやらそのハートシーリングという海産物を採れる場所につい最近、とある魔物が住み着いてしまい、今では誰も近づくことが出来ないため、採ることが難しく、今のところ誰も取り扱っていないらしい。


「それは困るな」


「依頼がこれではこなせないですね~...」


「まぁ俺等も困ってんだけどなぁ」


 それにしても簡単なおつかいだと思っていたのだが、まさかこんなところで躓くと思ってもいなかった。


 とはいえ、その住み着いた魔物を追い払う若しくは討伐さえしてしまえば、自身達でもハートシーリングを採ることが出来る筈である。


 ただハートシーリングを自身達で採るにしても漁師達の間で何かしらのルールはあると思われるため、ここはなるべく漁師達に採ってきて貰いたいところ。


「ちなみにその魔物が住み着いた場所って何処なんだ?」


「ん?あぁ海外沿いを西側に歩いて向かった先にある入り江だな。あんまり立ち寄らないようにな」


 ともかく、魔物の居場所を知らなければどうすることも出来ないので、コウは魔物が住み着いた場所は何処なのか漁師に聞いてみると、どうやらその魔物は海外沿いを西側歩き、向かった先にある入り江に住み着いているという情報を注意と共に教えてくれた。


 そしてその魔物の居場所が分かったということで、コウ達はそのハートシーリングという海産物が採れる場所にどんな魔物が住み着いてしまったのかを確認するため、市場から移動するのであった...。

いつも見てくださってありがとうございます!


次回の更新予定日は多分4月5日になりますのでよろしくお願いします。

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