674話
拠点となる家の生活環境が何とか整い、小鳥の止まり木から引き払ってから数日後。
財布も少しだけ軽くなってしまったということで、コウ達は何かしらの依頼を受けるために新たな拠点となる家から朝とは言えない少し遅い時間帯に冒険者ギルドへと向かった。
そして冒険者ギルドへ到着した訳なのだが、朝っぱらではないということで、やはりというか冒険者達は出払ってしまっており、職員達はそんな冒険者達を捌き切った後処理で忙しなく働いていたりする。
普通であれば、朝早くから冒険者ギルドに訪れて報酬の美味しい依頼を選び、受けるのが当たり前なのだが、コウ達が遅れてこの時間帯から訪れたとしても問題ないのにも理由があった。
その理由とはBランク冒険者は数自体が多くないため、高ランクの依頼を受ける者が少なく、掲示板に依頼書が余っていたり、冒険者ギルド側から依頼を直接斡旋してもらうことが多いからである。
ということで、コウ達は後処理で忙しくしている職員達を横目に見慣れた顔の人物がいる受付に向かい、何かしらの良さげな依頼は無いかを聞くことにした。
「元気そうだな」
「サーラさんおはようございます〜」
「キュ!」
「コウさんライラさんそしてフェニちゃんもおはようございます」
そんな見慣れた顔の人物がいる受付に挨拶をしながら近づいていくと、そこには居たのは専属のように受付を行ってくれるサーラであり、コウ達のことに気付いたのか、にこやかな表情で挨拶を返してくれた。
「何か依頼は無いか?」
「依頼でしょうか?確か色々とあったと思いますから見てみますね」
ということで、今回の目的であった何かしらの依頼はないかどうかをさっそく聞いてみると、どうやらコウ達が受けても良さそうな依頼は色々と溜まっているようだ。
そのため、良さげな依頼を探してもらうこととし、サーラは高ランク向けの依頼書が溜まっていると思われる机の引き出しを開けると、ガサガサと書類同士が擦れるような音を立てながらコウ達向けの依頼書を探し出す。
「あっ...そういえばアルクで起きたことってどうなってるんですかねー」
「ん?なんだそれ?」
「何のお話ですか~?」
「キュ?」
そしてサーラが依頼書を探している最中、思い出したかのようにアルクで起こった出来事についてコウ達も知っているような口振りで話し始めたのだが、それは寝耳に水といったような感じである。
「あぁご存知ではなかったんですね。実はアルクにあるダンジョンの第4階層へ行く階段が無くなってしまったみたいなんですよー」
そんな反応を見たサーラが教えてくれたのだが、どうやらアルクの地下深くに存在するダンジョンにて第4階層へ向かう階段がどういう訳なのか分からないが、謎の地響きと揺れが起きた以降、無くなってしまったようで、今ではそれが騒ぎになっているとのこと。
「それって本当の話なのか?」
「ギルドマスターから教えてもらったので間違いはないと思います」
またその情報元は何処からなのかについて聞いてみると、ギルドマスターであるジールからということで、アルクで起こった出来事自体は間違いないみたいである。
「でもそれってなんか問題でもあるのか?」
「例えばですねー...」
それにしても3階層以降のダンジョンが無くなったことで、何か問題があるのか?と思いサーラへ更に聞いてみると、どうやら貴重な魔道具や魔物素材の入手が減るため、街の収益自体が減少したり、ダンジョンへ冒険者やポーターなどが立ち寄らなくなってしまったりする可能性があるため、色々と深刻な問題のようだ。
「まぁ私達ではどうしようもないんですけどねー...っと...この依頼とかどうでしょうか?」
「それはそうだけども...えーっとなになに...」
「私にも見せてください~」
「キュ~」
そんなことを話していると、サーラは幾つかの依頼書を見つけたようで目の前に出してきたため、コウ達はその出された依頼がどんなものなのか手に取って確認していくことにするのであった...。
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