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664話

 そして目の前に立った男は舐めきった態度で、口元をにやりと笑みを浮かべると、拳をギュッと固く握り、大きく振りかぶってコウの顔面目掛けて拳を放ってきた。


 とはいえ、そんな憂さ晴らしのような拳を受ける気はさらさらないし、そもそも悪いのは目の前の男だったため、ここは躾も兼ねて力の関係図をはっきりさせた方が良さそうである。


「危ないっ!」


 そんなことを考えていると、ヴィーが大きな声で叫ぶが、放ってきた拳をコウはサッと避けながら男の懐は入り込んでいき、カウンターとして膝を屈め、今度は自身の拳をギュッと握り、ロバーツのアッパーカットを真似するかのよう一気にその場から立ち上がる。


 するとコウの拳は男の顎に直撃し、以前ロバーツがアッパーカットをした時と同じ光景のようにその場から吹き飛んでいってしまう。


「むぅ...手応えが悪いな」


「痛ってぇ!」


 しかしロバーツのアッパーカットほどの威力が出ていなかったからか?それとも当たりどころが悪かったのか?吹き飛んだ先で思いのほか男は元気そうにバッ!と立ち上がり、自身の顎を片手で(さす)りながら痛みに耐えつつも、こちらに向かって敵意むき出しの視線を向けてくる。


「てめぇ!俺にこんなことをしてタダで済むと思ってんのか!」


 そしてある程度、顎から痛みが引いたのか男は怒りの形相で文句を言い放ってくるが、カウンターとしてアッパーカットを入れられたため、警戒しているのか?それともトラウマを思い出したのか?あまりこちらに近づいてくるような様子はない。


「じゃあどうするんだ?」


「兄貴助けてくれぇ!」


 そのため、どうするのかとコウは聞いてみると、男は大きな声で情けなく誰かに助けを求めるよう叫びだした。


 すると男が出てきた家からもう1人出てきたのだが、その出てきた人物の姿は酒瓶を片手に持った見知らぬ男であり、左右の腰には直剣のようなものを2本ぶら下げているので、珍しくも二刀流の使い手なのかもしれない。


「あ〜...五月蝿ぇな〜...頭に響くから大きな声で呼ぶなよ...」


 どうやら家の中から出てきた酒瓶を片手に持っている男は二日酔いということもあってあまり動きたくはない様子。


 そして酒瓶を片手に持った男は面倒事をサクッと終わらせるためなのか、こちらに視線を向けてくるが、すぐに目をふいっと逸らし、ため息を付きながら嫌そうな表情をその場で浮かべた。


「はぁ...勝てねぇ勝負はしたくねぇなぁ」


「何言ってんすか!ただのガキじゃねぇすか!」


「そのガキにのされてんのは何処の誰だよ」


「うぐっ...」


 しかし自身が助けを求めた男がコウの相手は嫌だと拒否すると、不満を抱いたのか何とか説得しようとするも、反論として痛いところを突かれてしまったようで、何も言い返すことが出来なかったのかすぐに口を(つぐ)んでしまうこととなる。


「まぁ手を出した相手が悪かったな。あのガキはBランク冒険者だ」


「はぁ!?あんなガキが!?」


 そんな黙ってしまった男に対して諭すようにコウがBランク冒険者だと伝えると、自身が喧嘩を売った相手がまさかそんな人物だとは思ってもいなかったようで驚きの表情を浮かべる。


 それにしても何と言うかチンピラとはいえ、そこらの人々に認知をされ始めるというのは、少しだけ鼻が高くなってしまうような気がしないでもない。


「で...一応話は聞くがどっちが最初に手を出してきたんだ?」


「過去のことで難癖を付けてきたそいつだ」


 そして酒瓶を片手に持った男からどちらが最初に手を出してきたのかと一応、話を聞いてきたのでコウとライラそしてヴィーの3人は過去の難癖を付けてきた男に対して一斉に指をさす。


「はぁ...じゃあお前が悪いんじゃん...」


「だってあいつらが...!「五月蝿ぇぞ。非を認めろ」


 そのため、一斉に指をさされた男は何とか言い訳しようと口を開くも、一喝されてしまい、再び口を閉じて何も言えなくなってしまったのだが、それは自業自得なので、同情出来る余地もない。


「俺の教育が悪かった。詫びとして何すりゃ良い?」


「いやまぁ被害が無かったから良いんだけど...じゃあまたそいつを教育しておいてれ」


「あぁ分かった。しっかりと教育しておく」


 ということで、コウ達に対して酒瓶を片手に持った男は申し訳無さそうに謝罪と共に詫びとして何かしら穴埋めをすると言い出したのだが、正直なところ別にそこまで大きな被害があったわけでもない。


 とはいえ、先程の男の態度は気に食わないので、教育をしておいてくれと提案してみると、快くコウの願いを聞き入れてくれた。


「じゃあ俺は悪いがすぐにこいつを再教育してくるわ」


「ひぃぃぃぃ!」


 そして酒瓶を片手に持った男はすぐに再教育をすると言い残しつつ、刃物の傷跡が幾つか顔に付いた男の襟首を掴むと、ずるずると地面を引き摺りながら、出てきた家の中に入っていってしまう。


「じゃあ俺達も家の中を見るか」


「そうですね~」


「何事も無かったかのようにおっしゃられますが...まぁ良いでしょう。ではご案内させて頂きます」


 こうして多少なりとも急なトラブルはあったものの、何事もなく無事に解決できたということで、ようやくコウ達は内見しに来た家の中へ入っていくことにするのであった...。

いつも見てくださってありがとうございます!


次回の更新予定日は多分2月24日or2月25日になりますのでよろしくお願いします。

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