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650話

 狼の魔物に襲われてからというものローランまでの馬車旅の最中も何度か他の魔物達の襲撃も受けることとなった。


 とはいえ、襲ってきたの低ランクの魔物ばかりであり、特に問題はなく対処することが出来たため、馬車には何も影響はなかったりする。


 ただ何度も何度も低ランクの魔物からの襲撃を受けていると、魔物が増えているというのを新ためて実感してしまう。


 それにしてもその魔物達が増えているという原因は一体何なのだろうか?


「間も無くローランに到着するっすよ!」


 そんなことを考えながら窓の外から見える夕陽に照らされた移り変わる景色を眺めていると、少し離れた場所に久方ぶりのローランの街並みが視界に入ってきたと同時に御者席へ座って馬車を操作しているダリアが小窓から間も無くローランに到着するという旨も伝えられることとなった。


 そしてコウ達を乗せた馬車は街に入るための門まで進む形となったのだが、街に入るための門には並んでいる人がぱっと見いつもよりも多いような気がしないでもない。


「よく見てみると冒険者の方ばかりですね〜」


「やっぱ魔物が増えたからなんだろうな」


 ライラの言う通り、よく見てみると、列を成しているのは大体が冒険者だと思われる格好をした者ばかりであった。


 まぁ時間帯も夕方ということで、依頼をこなしてきた冒険者が並んでいるのだろうし、他にも魔物が増えてきたから様々な場所から集まってきたというのも関係しているのかもしれない。


 とりあえずそんな冒険者達が作り出している長蛇の列を横目にコウ達を乗せた馬車は街道を走り抜け、特に問題なくローランの中へすんなりと入っていく。

 

「あっ...このまま泊まる宿までお送りするっすよ。泊まる宿はどこっすか?」


「悪いな。じゃあ小鳥の止まり木まで頼む」


「ありがとうございます〜」


「キュ!」


 そのままローランに入ると、馬車は広場で停止すると思ったのだが、どうやらコウ達の泊まる宿までダリアは有り難いことに送ってくれるようで、宿の場所は何処だと聞かれた。


 まぁ街中を無駄に歩いて冒険者ギルド側の人間に出会ってしまってはどうなってしまうのか分かったものではないので、ここはダリアの優しさに有り難く甘えることにした方が良いだろうか。


 そのため、ダリアにお礼を伝えながら泊まる予定の宿である小鳥の止まり木まで送ってもらうようにコウはお願いしていく。


 そして多くの人達が歩き回る街中のため、馬車は速度を落としつつ走り、今日泊まる予定の宿までコウは案内することとした。


「到着っす!」


「あぁここまで送ってくれてありがとな」


「ありがとうございました〜」


「キュイ〜」


 ということで、ゆっくりと馬車は街中を走ったのだが、目的地であった小鳥の止まり木はそこまで遠くないということで、すぐに到着することとなり、ダリアから到着した旨を伝えられたため、コウ達はお礼を伝えながら馬車から降りた。


 そんな乗っていたダリアの馬車からコウ達は降り終わると、再び馬車は動き出し、そのままローランの街中へと消えていってしまう。


「とりあえず中に入るか」


「早くゆっくりしたいですもんね〜」


「キュウ〜」


 とりあえずダリアの馬車を見送ったし、長かった馬車旅の疲れを早く癒したいので、部屋を借りるためにコウ達は宿の中へ入っていくと、受付には椅子に座って黙々と記帳しているミランダの姿があった。


 そしてミランダはコウ達が中に入ってきたことに気付いたようで、にこやかな表情をしながらこちらに向かってぺこりと頭を軽く下げてくる。


「久しぶりだな」


「お久しぶりです〜」


「キュ!」


「皆様お久しぶりですね。お泊まりでしょうか?」


「あぁ。部屋は空いてるか?」


 そのまま受付に座っているミランダに近づいていき、軽く挨拶を交わしながらまずは部屋は空いているかの確認をしてみることにした。


「勿論空いていますよ。何日ほどお泊まりになられますか?」


「そうだなぁ...7日くらい泊まろうかな」


 するとミランダからまだ部屋は幾つか空いているとのことであり、今度は何日泊まるのかの確認が来たので、コウは7日と答えながら必要な分の代金を収納の指輪の中から取り出しつつ、机の上に置いていく。


 そして7日分の代金の支払いを終えると、今度はミランダから部屋の鍵を手渡されたため、長旅で疲れた身体を癒すべく、借りた部屋へ早歩きで向かうのであった...。

いつも見てくださってありがとうございます!


次回の更新予定日は多分1月13日or14日になりますのでよろしくお願いします。

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