631話
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次回の更新予定日は多分11月24日になりますのでよろしくお願いします。
魔道具職人であるロジーのお店に寄ってからその後。
食事を誘われたということで、メークタリアにあるおすすめの料理屋に案内してもらったのだが、そこの支払いは有り難いことにベンが持ってくれた。
ちなみにどんな料理が出てきたのかというとメークタリア独自の郷土料理であり、どれもこれも量が多く、とても美味しい料理であった。
しかも魔道具で人を楽しませるような演出などもあってか、しっかりと堪能させてもらったといえるだろうか。
「さて...支払いありがとな。じゃあそろそろ帰るか」
「キュ!」
「お腹いっぱいです~ベンさんありがとうございました~」
「ベンさご馳走様でした。」
「お粗末様さ。あぁ宿へ帰る前にちょっと待ってくれないかい?」
「ん?なんだ?」
とりあえず夕食も食べ終えたということで、料理屋の外に出たコウ達はそろそろ自身達が泊まっている宿へ帰ろうとすると、ベンから引き止められることとなる。
そしてベンから引き止められた理由はこれからメークタリアで少し大きめの催し物があるとのことであり、一緒にその催し物を見ていかないか?というお誘いであった。
まぁ止まっている宿に帰ろうと思っていたのだが、寝るにしても少し早い時間帯ではあるため、ここはベンからのお誘いに乗っても良さそうではある。
「そこまで言うなら行ってもいいかな。その催し物ってどんなものなんだ?」
「ん~それは見てからのお楽しみかな?じゃあ魔塔にある僕の部屋へまず行こうか」
一応、その催し物は一体何なのか?と聞いてみるも、ベンからは見てからのお楽しみという言葉が返ってきた。
ちなみにその催し物については魔塔にあるベンの部屋から見たほうが楽しめるらしいとのことであり、コウ達は食後の運動ついでとして魔塔へ移動することにした。
「さぁ入って入って」
そんな魔塔へ到着したコウ達は18階層にあるベンの部屋へ向かうこととなり、部屋の前に立つと、中へ入るようにと促されたので、昼頃に来た時よりも少しだけ掃除がされた部屋の中に入っていく。
そしてベンは壁側に立つと、壁に向かって扉をノックするかの様にコンコンと叩くと、その衝撃を与えた一部分が透明に透け始める。
何故、壁が透けるのかというと、オーレメロンという魔物の素材で作られているからであり、過去にコウ達がドワーフ国を訪れ、ダルガレフのお願いを聞いて鉱石を取りに行った際に出会った魔物でもある。
とりあえずコウ達も壁際に近寄って、自身達もコンコンと壁を叩くと、メークタリアの街並みが目の前に広がり、灯りの魔道具があちらこちらに設置されているため、夜だというのに煌々と輝いて見えた。
「さぁそろそろ始まるかな?城壁の方を見てると良いと思いよ」
そんな街並みを見ていると、ベンから城壁の方を見ていたほうが良いと言われたため、コウ達はこのメークタリアを守る城壁へ視線を向けると、そこから幾つもの小さな光の玉が夜空に向かってゆっくりと飛んでいくではないか。
そしてある程度の高さまで、その小さな光の玉が飛んで到達すると、何かが破裂したかのような轟音と共に夜空に様々な光の色が彩られては消えていく。
「これは...」
「キュー!」
「わぁ~!凄いですね~!」
「凄い...とても綺麗ですね」
「ふふ~ん驚いたかい?最近作り出した魔道具のやつなんだけど...」
それはコウの記憶にもある花火と似ているものであり、今現在は夏ではないにしろ、久しぶりにそのようなものを見たということで、何だか懐かしさを感じてしまう。
そんな次々と夜空を彩る光の点滅をコウはライラ達と共に見ながら暫くの間、ゆっくりと過ごすのであった...。




