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628話

「その首に付いている奴にゃ」


「あーこれか...」


 身に付けている魔道具は沢山あるため、どれを見せれば良いのかロジーに聞いてみると、コウの首元に付けている魔道具に向かって綺麗に磨がれた爪で指されることとなる。


 そんなコウの首元に付いていたのはこの世界に訪れた際、ハイドからもらった真っ黒なチョーカーであり、これは一体何の魔道具なのかというと、自身が喋る時に共通言語というものへ変換してくれるとても便利なダンジョン産の魔道具である。


 普通であれば、この大陸に住む人々は共通言語を話すことが出来るので、こういった魔道具は必要がないのだが、他所の大陸から訪れた場合は言語が違うことが多々あったりするため、このような魔道具が存在するのだろう。


 そしてコウはこの魔道具がなければ、発する言葉が共通言語に変換されず、ライラ達と会話することが出来なくなってしまうため、あまり外したくはないといったところ。


「代わりにこれを貸すから大丈夫にゃ」


 ということで、首元に付いている真っ黒なチョーカーの魔道具を外して手渡すかどうか少し頭を悩ませていると、何かを察したのか、ロジーは様々な魔道具が置かれている棚から似たような白のチョーカーを手に取ると、そのまま手渡されることとなる。


「これは?」


「身に付けてる魔道具と似てる物にゃ」


 そんなロジーが手渡してくれた白のチョーカーは今身に付けている魔道具と同じように共通言語へ変換してくれるものとのこと。


「そうなのか。ありがとな」


 そのため、コウはお礼を伝えつつ、首元に付けていた真っ黒なチョーカーの魔道具を取り去り、新たにロジーから貸してもらった白のチョーカーを首元に取り付けていく。


「どうだ?」


「特に問題はにゃいにゃ」


 とりあえず首元にあった黒のチョーカーから白のチョーカーに取り替え終えたコウは魔力を込めて魔道具を作動させ、喋ってみるも、特に問題はないと言われ、使用感に関してもあまり変わらない。


 それにしてもよくもまぁコウが身に付けていた魔道具と同じような性能を持つ魔道具を持っていたものだと思ってしまう。


「というか何で俺の魔道具を見たかったんだ?」


「この魔道具もう少しで壊れそうだったからにゃ」


 そしてどうして自身の魔道具を見てみたかったのかロジーに話を聞いてみると、どうやらコウが身に付けていた魔道具は壊れかけだったらしく、このまま放置していると、何処かしらのタイミングで完全に壊れてしまうとのこと。


「壊れそうって...じゃあどうすればいいんだ?」


「そんにゃの(にゃお)せば良いに決まってるにゃ」


 とはいえ、コウが身に付けていた魔道具はダンジョンで手に入れた物と聞いていたため、直せば良いと簡単に言われるが、普通であればどうしようもない筈である。


「直せばって...ダンジョンの魔道具ってそんな簡単に直せるものなのか?」


「いえ...普通は直すことが出来ないと思いますが...」


 そのため、ダンジョンの魔道具であることを伝えつつ、簡単に直せるのかイザベルに聞いてみると、普通は直すことは出来ないという答えが返ってきたが、そんな会話を聞いていたロジーはにやりと口の端を上げた。


「まぁ僕に任せるにゃ」


 どうやらダンジョンの魔道具であったとしても直せる自信があるようで、何処からともなく魔法陣が描かれたランチョンマットに似た物を取り出すとカウンターの上に敷き、その上に手渡したコウの魔道具を置いていく。


 そしてロジーは魔法陣が描かれたランチョンマットへ綺麗に磨かれた爪先でちょんちょんと軽く突くと、魔法陣がぼんやりと白く光り出すのであった...。

いつも見てくださってありがとうございます!


次回の更新予定日は多分11月16日になりましたのでよろしくお願いします。

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