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574話

 てっきりジールはギルドマスター室に籠もって仕事をしているのではないかと思っていたのだが、どうやら先程まで出掛けていた様子。


「おっ...コウか。帰ってきてるじゃねぇか」


「ジールさん久しぶ...」


 そして冒険者ギルドに入ってきたジールはコウを見るや否やニコニコと笑顔の状態で此方に向かって近づいてきたため、同じ様に挨拶を返そうと思ったのだが、ふと既視感を覚えるような光景に一歩立ち止まる。


 その既視感とはあの強面のジールがニコニコとした表情で此方に向かって近づいてくるということだ。

 

 記憶を掘り返してみると、これまでにも何度かあったがジールが笑顔で近づいてきた際に起こったのは大体が面倒事を頼まれる時である。


「あぁジールさん久しぶりだな。じゃあ俺はこれで...ぐぇっ...」


 そのため、何度も同じ轍は踏むわけにもいかないということで、コウは軽く挨拶を交わし、ジールとすれ違うかのように歩き出すことにした。


 すると歩き出したのは良いのだが、途中でコウは何故か前に進むことが出来ず、喉元に何か圧迫感を感じ、服の上に羽織っている外套が引っ張られるような違和感も感じてしまう。


 ということで首だけを捻り、何とか後ろを振り向いてみると、どうやらジールがコウのことを逃さないようにフードの部分を掴まれていることに気づく。


「離して欲しいんだけど...」


「ここに1人でいるなら暇ってことだろう?ゆっくりしてけ。俺の部屋でお茶でもご馳走してやるから」


 とりあえず首根っこを離してくれないかとお願いしてみるも、どうやらコウには拒否権が無いらしく、話を逸らされながら引き摺られるようにギルドマスター室へ連行されることとなってしまった。


 そんなこんなでギルドマスター室に到着し、部屋の中へ一緒に入ると、そのまま柔らかなソファーの上に座らされ、ジールは約束通りにお茶の準備をし始める。


 そしてお茶を淹れ終わると、お菓子とともに目の前へ差し出されたので、コウは少しだけため息を付きながら、ティーカップになみなみと入っているお茶を飲みつつ、お菓子をつまんでいく。


「で...ジールさん今度は何の面倒事なんだ?」


「話が早えじゃねぇか。お前さんに頼み事があってな」


 ということでコウは諦めながらもジールに何の話があるのかと聞いてみると、やはりというか頼み事があるらしく、とりあえずその頼み事を受けるかどうかについては話をまずは聞きいてから判断することにした。


 まずコウへの頼み事というのはどうやら人探しであり、もし見つけたらこの冒険者ギルドまで連れてきて欲しいということであった。


「それだけ?」


「あぁそんだけだ。俺もさっき聞いた話だからよ」


「まぁいいけど...どんな人なんだ?」


 話を聞く限り、そこまで面倒事ではなかったし、暇ということもあるため、人探しくらいであればコウは引き受けることにし、続いてその探して欲しいという人物の特徴について聞いてみることにした。


 するとジールの口から出た人物の特徴については、装飾された綺麗な白い鎧を身に纏い、腰には白銀の鞘をぶら下げた金髪の青年というものであり、コウは先程、冒険者ギルドでぶらぶらとしている時に見た人物と合致することを思い出す。


「あー...その人ならさっき冒険者ギルドに来てたぞ」


「なんというか噛み合わんなぁ...」


「じゃあまだ近くにいるかもしれないしとりあえず探してくる」


「おう。悪いが頼んだぞ」


 ということで、コウはお菓子をある程度つまみ、出されたお茶を飲み干し終わると、座っていたソファーから立ち上がり、まだ近くにいるかもしれない金髪の青年を探しにいくことにするのであった...。

いつも見てくださってありがとうございます!


次回の更新は7月20日になりますのでよろしくお願いします。

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