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57話

 とある森の中...そこはいつの間にか戦場になっていた。


 人と魔物が殺し合い怒号が響く――。


 その戦場の周囲一帯の地面は赤く染まり、まるでレッドカーペットのようでオークの集落は冒険者が扱っていた火魔法によって包まれていた。

 

「はぁっ!」


「ブヒィィィィィ!」


 そんな地獄のような戦場の中、コウはサンクチュアリをオークへと縦に振ると木の棍棒ごとオークは切られ大きな声で断末魔をあげながら死んでいく。


 罪悪感を感じている暇はなく、次々とコウはオーク達をサンクチュアリで切り魔法で処理していきフェニもコウや味方の冒険者達を支援するように雷魔法を使っていた。


「ぐあっ!」


 コウが別のオークを切ろうとした瞬間に別の方向から男の冒険者が吹き飛んでくるがコウは受け止めず避けると飛んできた冒険者は岩にぶつかり気絶する。


 吹き飛んできた方向を見るとそこには中央にどっしりと構え座っていたオークが立っていた。


 大きさからして普通のオークが2mぐらいだとするとそのオークは4mほどであり、手には黒光りする鉄の棍棒を持っており、仲間を殺されていく姿を見て怒り心頭のようだ。


「あれがオークの上位種か」


 コウは氷槍を作り出し上位種のオークへと飛ばすとオークは氷槍を叩き落とし飛ばした本人のコウを見て睨んでくるのでコウは少し後退りするが気を引き締め目の前の上位種のオークへと睨み返す。


「ブモォォォォォォォォォォ!!!」


 オークはコウの目が気に食わなかったのか声を上げこちらに向かってどしんどしんと大地を揺らしながら走ってくる。


 黒光りする鉄の棍棒をコウに向かって横に振られサンクチュアリで受け止めようとするがコウは上位種のオークの力を受け止められず吹き飛ばされ岩に激突してしまった。


「っはぁ!」


 今まで力では負け知らずだったため油断し上位種のオークの一撃を受け止めてしまいコウは吹き飛ばされ岩に背中から激突して肺から空気を押し出されてしまう。


 そのまま上位種のオークがこちらに走り、追撃を行おうとするがコウも流石に不味いと思い息を深呼吸をして転がりながら避けると先程あった位置の岩は砕け散る。


「くそっ!どんな力してんだ!」


 口から少しだけ血が流れるが腕で拭き上位種のオークへと走り出し、サンクチュアリを上位種のオークの腕に振り下ろすが分厚い肉のお陰で半分ぐらいまでしか切れず振り払われてしまった。


 オークもまさかサンクチュアリがここまで切れ味があると思っていなかったため偶々コウの一発を受けてしまったようだ。


 空中でコウは反転し体勢を立て直すが上位種のオークが再びこちらに走り、横薙に黒光りする混紡を振られる。


 流石のコウも2度は受け止める気にもならずギリギリを躱しサンクチュアリ上位種のオークの首元へ突き出すが黒光りする鉄の棍棒をすぐに首元まで戻されガードし弾かれてしまう。


「前回のゴブリンより強いな!」


 上位種のオークは前回のゴブリンより圧倒的に強くコウは苦戦するが何度も打ち合い相手の攻撃を避けるたびに少しづつ上位種のオークが棍棒を振るうタイミングなどを掴んでいく。


「おらっ!」


 そして遂にコウのサンクチュアリが上位種のオークが棍棒でガードするタイミングより早く打ち出されオークの足へと傷をつける。


「ブ...ブモォォォォォォォ!」


 コウの攻撃が届き上位種のオークも危機感を覚えたのか後退りするが上位種としてのプライドがあるのか自身を奮い立たせコウへと黒光りする鉄の棍棒を振るう。


「ふっ!」


 先程まで鋭く早かった上位種のオークの棍棒の振りが衰えているのが分かり、コウは避けサンクチュアリをもう一度突き出す。


「プギィィィィィィ!」


 上位種のオークの腕をスパッと切れるが分厚い肉の壁に邪魔され完全には切れない。


「クソ!肉が分厚すぎるだろ!」


 上位種のオークも一撃でやられるとは思ってはいないがこれ以上ちまちまと攻撃され身体が傷つくのは良い訳もなく、いずれ出血などで死んでしまうだろうと理解していた。

 

 すると突然、上位種のオークは突然反転しコウとは真逆の方向へと走り出す。


「...は?」


 まさか上位種のオークが逃げ出すなんて思ってもいなかったため呆気にとられるがコウは急いで追いかけるが中々オークの逃げ足は以外にも速く追いつけずにいた。


「くそっ!待て!」


 わざわざ待てと言われ待つ馬鹿はおらずオークは逃げていくがその先には巨大な大剣を手に持った男が立っているのが見える。


 その男は最初に号令を発したライオンのような髪型をした筋骨隆々な男であり、上位種のオークは邪魔だと言わんばかりに黒光りする鉄の棍棒を横薙ぎに振るがガキィン!と大きな音を鳴らし男は受け止めた。


 周囲の空気はビリビリと震えまるで巨大な太鼓を打ったのか如く心臓まで響いてくる。


「えっ?」


 コウも流石に上位種のオークから振られた棍棒を受け止めるとは思っていなかったため足を止め口が開いてしまう。


「俺に向かってくるとはいい度胸だ!」


「ブヒィ!?」


 男は軽々と黒光りする鉄の棍棒を弾き飛ばし体勢が悪くなった上位種のオークに向かって手に持っている大剣を首に一刀両断すると首と胴体は離れズシン!と大きな音を立て地面を揺らし上位種のオークは倒れる。


「嘘だろ...?」


 コウ自身が攻撃しても腕一本すら一刀両断出来なかったのに目の前の男は平然と上位種のオークの首を一刀両断したことを成し遂げたので目を疑う。


「おめぇら!残りのオークを掃討するぞ!」


 上位種のオークが倒され討伐隊の冒険者達の指揮は更に上昇し、対してオーク側は自身のリーダーが倒されてしまい戦意喪失状態だ。


 残りのオーク達を多くの冒険者達がどんどん倒し遂に最後の1体を倒すと大きな歓声が上がり朝日が照らす。


 こうして遂にオーク討伐の戦いは終わりを告げたのであった...。

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― 新着の感想 ―
[一言] 村人レベルの素人ならともかく、そうでない者が戦場でボウっとするって自殺志願者?
2021/09/27 21:06 退会済み
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