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52話

「この度は村の者たちを救っていただき誠にありがとうございます」


「いや...色々とついでみたいなものだったし気にしなくても...」


 コウは村の中に入り散策していると救った女子供に連れられ一番大きな家へと案内される。


 そこには村長が住んでおり事情を女子供が既に事情を話しており、推定年齢60歳ぐらいのお爺さんに深く頭を下げられていた。


「そのお礼なのですが...この村は正直蓄えがなくお金や豪華な食事を出すことができないのです...」


 どうやら蓄えが少なくお礼をできないようで申し訳無さそうにしている。


 女子供にお金を託し買い出しを頼んだのも村に食料が不足してきたせいなのだがそれも盗賊達が既に使い果たしていた。


 別にコウとしてはお礼などは正直どうでもいいというのが本音なのだが、村長や村人達は助けてもらった事にお礼をしないと言うのに関して負い目を感じるのだろう。


「それにしても蓄えがないってどうしたんだ?」


 コウは蓄えがないと言っている村長に話を聞く。


「最近ですが畑を荒らす魔物が出まして...名をワイルドボアと言って私共の力じゃ何もできず...」


 ワイルドボアという魔物は簡単に言えば猪だ。


 猪と言っても身体は大きく毛皮は鉄のように硬い。


 しかし直線的な突進しか攻撃がないためDランクの魔物として扱われている。


 そして毛皮は綺麗に討伐できればそれなりの価格で扱われており、毛皮は鉄のように硬いのだが重量は軽く中級の冒険者に多く愛用されているので需要は高い。


 別にコウの実力からしたらすぐに終わってしまう魔物だが、ただの村人からしてみればDランクの魔物は脅威だろう。


「なるほどな...もしよかったらワイルドボアを退治しようか?」


「何もお礼できるようなことはありませんがそれでもこの村を救って頂けるのでしょうか...?」


 コウがワイルドボアを退治しようかと聞くと村長は驚いた表情をした後にこれ以上何も出せるものはないという。


「ん~お礼はそうだな...俺が何か困ったことがあったら協力してくれるだけでいい」


「そんなことでしたら...いつでも私達は貴方に協力いたしましょうぞ」


 コウは特に金品などは必要としていないため、いつかコウが困った時に協力してくれとお願いすると村長や村人達は勿論と了承する。


「よしじゃあワイルドボアはいつぐらいに現れるんだ?」


「それなのですが夜間に現れて畑を荒らしてしまうのです...」


 普通の猪と同じ生態のようで夜に現れては畑を荒らしそのままどこかへと帰っているらしい。


 近くに森があるので多分だが、その森から出てきては畑を荒らしているのだろう。


「夜か...とりあえず夜まで待たせてもらってもいいか?」


「勿論です!それまでは私の家でお休みください!」


 既に夕方のためコウは村長の家で休み夜まで待つのであった...。


 村長の家で待ち食事等も出してもらった後、コウはお湯で身体を拭いたりして時間を潰す。


 周囲は既に暗くいつでもワイルドボアが現れてもおかしくはない時間帯となっていた。


 フェニは既に夜のためベッドの上でぐっすり寝ているので動く気はないようだ。


 男の村人たちはワイルドボアが現れたらコウの元へと知らせるようにしており、畑のすぐ近くに偵察として待機しているらしい。


 暫く待っているとバタバタと村長の家の中に1人の村の男が入ってくる。


「ワ...ワイルドボアが現れました!」


 どうやらお目当てのワイルドボアが現れたらしく息を切らせながらコウへと知らせてきた。


「よし行くか。フェニは...寝てるしまぁ良いか」


 わざわざ熟睡しているフェニを起こすのも申し訳ないのでそっとして置いて外へと出る。


 村人に案内されワイルドボアが出た場所に行くとそこには2mほどの大きな猪が我が物顔で闊歩(かっぽ)し、畑を鼻で穿り荒らしているのが見えた。


「図々しい猪だな...」


 コウはいつもの通り十字架のブレスレットへと魔力を流すと元のサンクチュアリへと姿を戻す。


 月明かりがサンクチュアリを照らしまるで大きな十字架をコウが抱えているように村人からは見えるだろう。


 ワイルドボアもコウの存在に気づいたようで此方に鼻息を荒げ敵意を示してくるがコウは気にせず、どんどんワイルドボアへと近づいていく。


 ワイルドボアもコウの行動が気に食わないのか足を蹴り上げ此方へと真っ直ぐに突進してくる。


「悪いな...恨みはないが痛みが無いように一瞬で終わらせる」


 コウはそのまま突進してくるワイルドボアを横に避け首に一刀両断するようにサンクチュアリを振り下ろすとワイルドボアの動きが止まりズシンと大きな音を立て膝から倒れてしまう。

 

 倒れたワイルドボアの首の切断面からは血が大量に溢れており、血の匂いが辺りに充満すると茶色だった畑の一部が赤く染まっていく。


 そしてコウは急いで収納の指輪の中にしまって村長の家へ帰ると村長がそわそわしながら待っていた。


「とりあえずワイルドボアは倒したぞ。これで畑は荒らされないだろう」


「こんな短時間で...本当に色々と助けて頂いてありがとうございます。この御恩は一生忘れませぬぞ!」


 こうしてコウは無事に村の脅威を取り除いたことによって多くの村人そして村長から感謝されるのであった...。


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