496話
「なんか進むたびに外壁の色が変わってくな」
「さっきまで土色だったのに今では赤茶色ですもんね〜」
コウ達は氷の精霊であるクーリャの棲家を元通りにするためにダンジョンの奥へと進んでいたのだが、徐々に普通の土色から赤茶色の外壁へと変化しており、きっとダンジョンの特性として現れているのかもしれない。
それにしても気軽にダンジョン内へ入ったは良いが、果たして何処まで大きくなっているのだろうか?
もし深い階層まで大きくなっているとすれば、クーリャのお願いを安易に引き受けたのは失敗だった気がしないでもない。
「キュ?」
そんなことを考えながら進んでいると、肩に止まっているフェニが何かに気付いたのか、正面の方向を見ながら首を傾げ出した。
すると正面にある曲がり角からゆらり...ゆらり...と宙に浮かぶメラメラと真っ赤な炎の塊の様な魔物が現れ、コウ達を見るや否やこちらを敵と認識したのか小さな火球を幾つか作り出し、放ってくるではないか。
その現れた魔物の正体はウィスプという名を持つ魔物であり、どちらかといえばクーリャなどの精霊に近しい存在と言われている。
攻撃手段としては霊体系の魔物ということで、火球などを作り出して放ってくるのがメインとなったりする。
特に他の魔物などと一緒に現れたりすることが多く、後衛向けの魔物ということもあってか、非常に防御面は脆く出来ており、近くまで近寄り、中心部にある魔石を抜き取ってしまえば死んでしまうような魔物だ。
「ん?魔物か?」
「ここは任せて下さい〜!」
そんなライラはコウ達の前に出ると、手に嵌めた黒いグローブに魔力を込め、更に新しい力である赤いオーラで包み込み、ウィスプが放ってきた火球を拳で次々と跳ね返していた。
それにしてもダンジョンに入ってからというものライラの動きはいつにも増してすこぶる調子が良いようで、身動きが速く、一気にウィスプの元へと近づいていく。
そして現れたウィスプまで近づいたライラは中心部にある魔石を掴み、抜き取ると、大きな音を立てながら爆発し、キラキラと火の粉のように散っていってしまった。
「ご苦労さん」
「なんだか呆気ない魔物です~」
「まぁ霊体系の魔物だしな...ん?追加みたいだな」
労いながらライラに近づいていくと、先程の大きな音に釣られたのか、更にダンジョンの奥から追加として5体のウィスプが群れの状態で現れだした。
「ここも私に任せて下さい~!」
再びライラは追加で現れた5体のウィスプを倒すために素早く近づいていくと、そのウィスプ達は合体するかのように集まり、1つの大きな炎の塊となっていくではないか。
そしてその1つになった巨大なウィスプは通路を塞ぐ程の火球を作り出し、こちらに向かって放ってきたのだが、ライラは臆すること無く、消防隊員のようにそのまま突っ込んでいく。
またライラはいつの間にか両手の拳に赤いオーラを纏わせるだけでなく、全身を包み込んでおり、火球に突っ込むと、そのまま突き抜けて巨大なウィスプの元へとたどり着いた。
そのまま巨大なウィスプの中心部に5つの魔石を手早く全て抜き取ると、先程よりも大きな音を立てながら爆発し、火の粉を撒き散らしなが霧散していってしまった。
「ふぅ~...あの魔物は大きくもなれるんですね~」
「みたいだな。怪我はないか?」
「特に問題ありませんよ~では先を行きますか~」
念のため、怪我はないかどうか確認してみると、特に問題は無いとのことであり、やはりあの赤いオーラは色々と便利そうで、少しだけ羨ましさを感じる。
そして次から次へと出てくる炎系の魔物達を協力しながら倒しつつ、ダンジョン内を進んでいると、明らかに異質な扉が姿を表したので、少しだけ扉を開けて中はどうなっているのか隙間から確認すると、その部屋は大部屋となっており、中心部には炎に包まれた大きなトカゲのような魔物がどっしりと構え、寝ながらコウ達を待ち受けているのであった...。
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