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49話

 空を見上げると木々の間から太陽が見え隠れしている。


 太陽自体は真上に来ており、既に時は昼頃だろうか。


 元々ローランへと帰る予定だったのだが、後回しにしてコウとフェニは盗賊の拠点を潰すべく地図の通りに歩いて向かっていた。


 そして既に周囲は岩場地帯から木々が溢れる森林地帯に来ており、地図に書いている内容ではもうすぐ盗賊の拠点に到着するようだ。


「そろそろだな...とりあえずフェニは上空からバレないよう偵察してきてくれ」


 フェニはコウの肩から上空へと飛び立つと周囲を確認しに飛び回る。


 フェニが帰ってくるのを待っていると近くの茂みがガサガサと動くのに気づく。


(なんだ?)


 木の陰に隠れるとどうやら盗賊のような見た目をした男が1人盗賊の拠点の方向へと歩いていった。


(あいつも盗賊の1人か...結構人数が多いんじゃないか?)


 暫くしてようやくフェニが帰ってくる。


 盗賊の人数を聞くと葉っぱを3枚程持ってきて地面に並べたので盗賊の拠点の入り口には3人ぐらいの人がいるらしい。


「ありがとうフェニ。3人だったらなんとかなるな」


 3人程度ならばコウの魔法でなんとかなる部類であり、罠も仕掛けてないのであれば増援心配もない。


 盗賊の拠点の入り口が見える場所に移動するとフェニの偵察通り3人が談笑しているのが見えた。


 そのうちの1人は先程茂みを掻き分けながら盗賊の拠点に向かっていた男がいるのが確認できる。


「他に人はいないと..."氷槍3連"」


 氷の槍を3本程、草の茂みに生成して盗賊に向かって飛ばす。


 盗賊にとっては不意打ちの攻撃のため避けれるはずもなく3人とも胴体を貫かれ近くにある木へ刺さる。


 何が起こったかわからないまま盗賊3人は意識を失ってしまう。


「よし。まるでモズの早贄だな...自分でやっておいてだけどかなりエグい」


 木に刺さった盗賊を見てコウはなんとも言えない気持ちになる。


 とりあえず見張りの盗賊達は処理できたため難なく洞窟の中へと入っていくことができた。


 洞窟の壁には松明が丈掛けてあり、前の洞窟より見やすくどんどん奥へと歩いていくと3つほど分かれ道になっていた。


「盗賊の拠点は分かれ道ばかりだな...とりあえず全部行くだろうし右から行くか」


 一番右の道を選び暫く進むと子供の泣き声が少し聞こえてくる。


 様子を窺いつつ壁の影から見るとそこには若い女が3人と男女の子供2人づつ檻に閉じ込められており、1人だけ椅子に座った男が酒を飲んでいた。


 女性たちは子供を必死に庇い泣き止むように落ち着かせている。


「うるせぇぞガキども!泣いたってどうせ奴隷商へ売られるんだぞ!」


 どうやら今まで襲った人達のようで奴隷商に売る予定らしい。


 ある程度まで盗賊へ近づくが盗賊は気づく様子もない。


 もし盗賊がシラフの状態だったら多少なりとも気配を感じ取れただろうか。


 コウはチャンスだと言わんばかりにナイフを収納の指輪から取り出し投擲すると盗賊の首にナイフは刺さる。


 盗賊は首にナイフが刺さったため声が出せずそのまま椅子から転げ落ちるのでコウは盗賊に一瞬で詰め寄り首に刺さったナイフを掴むと盗賊の首を横に掻っ切る。


「ひっ!」


「静かに...俺は助けに来ただけだ」


 目の前で盗賊の男が死ぬのを間近で見せられ悲鳴を上げようとするがコウは檻の前にすぐに立ち事情を説明すると悲鳴を上げようとした人はぐっと堪える。


「わ...私達は全員近くの村で生活をしていて私達は買い出しに向かう途中捕まったのです...」


 どうやらこの若い女性や子共たちは買い出しに向かう最中襲われたようだ。


 きっとあの大きい岩の場所だろうとコウは予想できた。


「なるほど事情は理解した。村まで届けるから暫くここで大人しくしといてくれ」


「わかりました...どなたかはわかりませんがお気をつけて...」


 檻の中から出すと危険性は高まるためコウは一時的にこの場に居てもらうことをお願いする。


「フェニ。悪いがここを見張っててくれないか?」


 コウはフェニに檻にいる人達を守るように指示するとフェニはコウの肩から盗賊の座っていた椅子へと移動する。


「キュイ!」


 ここは任せろと言わんばかりの返事をしてくるのでここはフェニに任せコウは再び分かれ道まで引き返す。


「残りはどっちにするかなぁ...とりあえず一番左にしてみるか」


 左の道へ歩くとそこは盗賊の今まで奪った宝や食材がおいてあり、コウは1つ残らず収納の指輪の中にとしまっていく。


「それにしても罠も何も仕掛けてないな...」


 真ん中以外の道を歩いたが特に罠らしい罠は無くもしかしたらここの盗賊は人数だけ多いだけなのではと考える。


「残すは真ん中の道か...罠は今までなかったが慎重に歩いて行こう」


 どんどん奥へと進んでいくが一切罠等は無く奥からは盗賊達の声が響いてくる。


 コウは洞窟の壁の影から様子を窺うとかなりの人数の盗賊達が酒を飲んだり話をしたりしていた。


「それにしても捕まえたあの女を遊べねぇのは厄介だぜ...お頭が売る値段が下がるって言うからよぉ...」


「まぁいいじゃねぇか村を襲うんだから女なんていっぱいいるさ!」


 どうやら捕まえた若い女性たちの村を襲う予定らしい。


 村の情報自体は若い女性たちを脅し得たのであろう。


 コウは村を襲わせるわけにもいかないので盗賊達をここで始末するべく魔力を流し洞窟内の全体へと巡らせるのであった...。

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― 新着の感想 ―
[一言] ならず者の稼ぎに放ったらかしてるのかは知らんが、基本的に王侯貴族や兵の仕事だと思うがな。
2022/05/19 08:50 退会済み
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